第144回 あなたも昔は子供だった
娘を授かってから、いろいろな経験をしました。
みなさん、思い当たる節があるでしょうが、社会の乳飲児に対する冷たい視線は予想以上でした。
百貨店のエレベーターで泣き出した娘に、心ない言葉を発せられたこともあります。
エレベーターで泣いている娘をあやすのに必死だった妻は、娘が落ち着いてから自分の憤懣のやり場がなく、わたしに八つ当たりしていました。
その中で妻の言葉に我が意を得たりと思ったのは「あんただって、生まれた時は子供じゃない」というのがあります。
まさに、人は全員子供というか赤子として生まれてきます。
あたり構わず泣き、周囲に対する配慮はなしに騒ぎ、予想もつかない行動に出るのが子供です。
わたしは娘を見ていると自分の子供時代を思い出します。
かなりの程度に利己的で、でも一面とても素直で、そして純粋で可愛い。
それがわたしが娘を見るときの感想です。
後先のことを考えず今を生きる。
自分も昔はそうだった。
だからどうだというわけではないですが、自分の中にも子供の心があると思うと、娘の行動を多めに見ようと思えるようになります。
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