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CLで上位進出(優勝・準優勝・ベスト4)していくクラブの基本型

さて、前回は、自己紹介も含め、なぜREDSだけがCLに出場してる日本のクラブの中で唯一と言っていいほど、結果を残し続けているのかを探ってみたいというお話をしました。

自分は、REDSと同様に上位に進出しているクラブとの共通点を探していくうちに、アジアの各国の王者・上位クラブ、カップ戦王者が出てくるCLで、上位進出していくには型があると思っています。

それでは、浮かんできたことを列記してみます。

(1)中盤から後ろは極力自国代表クラスで固める
(2)前線・2列目に強力助っ人を2人以上擁する
(3)カウンターを完結させる決定力
(4)デュエル力

(プラスα)
(5)前線にハイタワーを用意する
(6)ボランチorCBにも強力助っ人を1人用意する

(さらにプラスα)
(7)ファン・サポーターの熱意 (スタンドの雰囲気)
(8)起こりうる想定外を想定内にすることができるか
(9)相手に対しては想定内を想定外にすることができるか

では、1つ1つをみていこうと思います。


(1)中盤から後ろは極力自国代表クラスで固める


これはもう必須と呼んでもいいでしょう。

理由としては、出場する選手の最低7枠、交代選手も含めれば最低12枠は自国選手でなければならないからです。

そして、アジアのトップレベルのナショナルチームの選手は、前線の大部分の選手が欧州を中心とした国外でプレーしていることもあり、自クラブで自国のハイクラスメンバーで固めるには、中盤から後ろにリソースを割く必要があります。

また、そのアジア最終予選レベルの守備を打ち破るためには、自国の代表に入れないクラスの攻撃選手では少し厳しいところもあり、(2)で紹介する、前線・2列目に強力助っ人を2人以上擁する必要が出てくるからです。

強力助っ人を外国籍枠3枠+アジア枠1枠のうち、2-3枠で使うことで、アジア最終予選に出てくるクラスのナショナルチームのディフェンスからゴールを奪う可能性を高めることができます。

これの代表格は、直近5年で3度の決勝進出を果たしているアル・ヒラル、中盤から後ろ、とくにバックラインが中国代表そのもので、サブにも代表選手を擁していた広州恒大の全盛期が挙げられます。

日本勢では、新旧代表が最低12人はベンチに入っていた2007年のREDS、代表チームでの中心選手であった遠藤保仁とその周りをズラリと代表クラスのバイプレーヤーで固めていた2008年のガンバ大阪なども同様といえますね。


(2)前線・2列目に強力助っ人を2人以上擁する


これも必須と呼んでいいでしょう。

(1)でご紹介した、アジア最終予選レベルのディフェンスを打ち破るためには、自国代表選手にやっとなれるか? というレベルの選手を使うよりも、手っ取り早く確実だからです。

日本勢以外は基本これができてるといえますし、REDSが初めてアジアを獲った2007年はロブソン・ポンテとワシントンという、ヨーロッパの5大リーグでもやっていけるであろう2人がいました。

2013年の広州恒大(現:広州FC)はムリキ・コンカ・エウケソンなどがいましたし、2015年からは現役セレソンのパウリーニョまでいました。ムリキ・コンカがいなくなった後はタリスカが入ってきました。

2010年代後半に台頭してきた上海上港(現:上海海港FC)も、ブラジル代表のフッキとオスカル、エウケソンを擁し、アジア枠でウズベキスタン代表のアフメドフを擁していました。

全北現代は今年でいえばハイタワーのグスタボとスピード豊かなウィンガーのバロウ、夏まではハイタワーのイリュチェンコとウィンガータイプで浦和レッズユース出身の邦本宜裕もいました。
(2013-19年は、イ・ドングクとキム・シンウクという、韓国代表FWクラスのハイタワー2枚を擁していたので、2度目の優勝をした時期なども含め、外国籍選手はウィンガータイプ2枚でしたが…)

2020年に優勝した蔚山現代も、ジュニオール・ネグランとヨンセンのハイタワーが2枚看板でした。

FCソウルの全盛期はハイタワーのデヤン・ダムヤノヴィッチに、ウィンガータイプのマウリシオ・モリーナと浦和レッズユース出身のエスクデロ・セルヒオの組み合わせ。

西ゾーンでいえば、アル・ヒラルも同様です。
元リヨンのゴミス、元ユヴェントスのジョビンコ、元ビジャレアルのマレガ、元スポルティング・リスボンのカリージョなど、レベルが違う外国籍選手を必ず前線に複数揃えてきます。

カタール勢もFWで1枚・トップ下かサイドにも1枚は必ず外国籍選手を使ってきます。
アル・ドゥハイルは柏レイソルでJリーグ得点王になったオルンガが在籍していますし、ヨーロッパや南米のトップレベルクラブから連れてくるハイレベルな選手が多く在籍します。

イラン勢については、長らく国際Aマッチのゴール数の世界記録を保持していたアリ・ダエイ、レヴァークーゼンで活躍するアズムン、FCポルトで活躍するタレミなど、名FWを排出している他にも充実していることや、資金力の面で外国籍枠を余らせていることも多々あるのですが、それでも、前線にはコスパに優れた助っ人外国人を1枚は入れてきます。

このことからも、前線での強力外国籍選手の活躍は必須といえます。


次回は(3)、(4)について、詳しく迫っていきたいと思います。

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