ぱる

書評を主に、考えたことを書いています。

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スピッツ『ありがとさん』~「ありがとう」と言われる曲

スピッツの一番新しいアルバム「みっけ」に収録されています。 私はこの曲が大好きで大好きで・・・。 「みっけ」の中では断トツで好きです。 YouTubeにフルバージョンが公開されています。 曲ももちろんですが、歌詞がやっぱり素晴らしい。 草野さんの歌詞には「まあまあ普通の恋愛」系、「ストーカー」系、「自分だけの道」系、「人とのつながり」系など、いくつか系統があって(独自分類)、ひとつの曲の中でそれが組み合わせてある場合が多く、幅広い解釈が可能です。 でも『ありがとさん

    • 『水たまりで息をする』(高瀬隼子 著)

      先日『犬のかたちをしているもの』を読んで好きになった作家、高瀬隼子さんの新しい中編『水たまりで息をする』を読みました。 すばる2021年3月号で発表された作品です。 単行本になる前に、文芸誌で作品を読んだのは生まれてはじめてでした。 読み始めたちょうどその頃、本作が芥川賞候補になったことが報道されました。 そして読み終わって、確かに、非凡な作品だと思いました。 主人公の衣津実は夫と二人ぐらしの36歳の女性で、子どもはなく、共働きです。 ある日、夫が、風呂に入るのを止めたと

      • 『いい子のあくび』(高瀬隼子 著)

        『犬のかたちをしているもの』で好きになった作家、高瀬隼子氏のすばる文学賞受賞後の最初の作品とのことです(「すばる」2020年5月号掲載)。 以下は集英社の紹介文。 実家で、学校で、職場で、恋人の家で。公私ともに、直子は「いい子」。でも、悔しい。ぶつかってくる男をよけるのは、コーヒーフィルターを補充するのは、なぜいつも私でなければいけないのか? 女だから? 「割に合わなさ」を叫ぶ、すばる文学賞受賞第一作。 著者と高橋源一郎氏との対談では、以下のようなやりとりがあります。

        • 『犬のかたちをしているもの』(高瀬隼子 著)

          著者と高橋源一郎氏の対談が興味深くて、それをきっかけに読みました。第43回すばる文学賞の受賞作とのことです。 ちょうどこの作品を読み終わったころに、著者の『水たまりで息をする』が芥川賞候補になりました。それで著者を知った方も多いかもしれません。 私は小説にアンテナがないので普段は滅多に読まず、しかも新人の方の本となると、ほとんど触れる機会がありません。 でもこの本はすごくいい作品だと思いました。 いくつも要素があるので感じるところは人によって違うと思います。 私自身

        スピッツ『ありがとさん』~「ありがとう」と言われる曲