見出し画像

角川歌壇で掲載された短歌をこちらに。

角川歌壇に投稿して掲載された歌をこちらに掲載していきます。(上が新しいものです)

大股の一歩でまたぐふりをして見えない土に生む水たまり

角川『短歌』2024年2月号 角川歌壇 永井祐 選 特選

バースデーソングながれて店内の照れてるひとがちょうど見えない

角川『短歌』2024年2月号 角川歌壇 梶原さい子 選 佳作

プレゼンの通し練習したいので見守る上司をお願いします

角川『短歌』2023年12月号 角川歌壇 山中律雄 選 佳作

水底に張り付いたまま歌ってるように揺れてる去年の枯れ葉

角川『短歌』2023年11月号 角川歌壇 綾部光芳 選 佳作

結末を知ってる映画をなんどでも見るようにまた種を埋めよう

角川『短歌』2023年11月号 角川歌壇 山中律雄 選 秀逸

急流に抗いながら浮かぶ葉を昨日も見てた まだ大丈夫

角川『短歌』2023年10月号 角川歌壇 綾部光芳 選 佳作

僕らから影を取れるのならば取れまぶしさ強く切り立つ八月

角川『短歌』2023年10月号 角川歌壇 高木佳子 選 秀逸

嘘が下手そうでやわらかいコーデュロイ父の両手の手触りがする

角川『短歌』2023年8月号 角川歌壇 生沼義朗 選 佳作

午後四時のどっちつかずのくもり空みたいに笑っているから平気

角川『短歌』2023年7月号 角川歌壇 久我田鶴子 選 佳作

文庫本を読み終えるころ車窓には世界に正しく傾く陽射し

角川『短歌』2023年6月号 角川歌壇 一ノ関忠人 選 佳作/江戸雪 選 秀逸

しあわせの形を残しておくようにジンジャーエールの瓶を並べる

角川『短歌』2023年4月号 角川歌壇 江戸雪 選 佳作

カレーやの先にもカレーやがあってカレーの匂いがする夕まぐれ

角川『短歌』2023年1月号 角川歌壇 大辻隆弘 選 佳作

もう少し優しい嘘で生きるから丸いレンズの眼鏡を選ぶ

角川『短歌』2023年1月号 角川歌壇 井辻朱美 選 特選

一本の支木として君といる間に言えた言葉であった

角川『短歌』2022年12月号 角川歌壇 桜川冴子 選 佳作

退職を切り出すときに右上に架空の俺がもう一人いる

角川『短歌』2022年12月号 角川歌壇 松尾祥子 選 佳作

猫舌の上司がすするラーメンを横目に胡椒の原産地を読む

角川『短歌』2022年7月号 角川歌壇 題詠「麺」河野美砂子 選

くっついたビニール傘を開くとき俺の羽音が銀河に響く

角川『短歌』2022年7月号 角川歌壇 渡英子 選 特選/大口玲子 選 佳作

玉ねぎを一枚一枚剥いでいくわたしはあなたのわたしではない

角川『短歌』2022年6月号 角川歌壇 喜多弘樹 選 佳作

この街にむりやりねじを巻くようにマックのMが回る朝焼け

角川『短歌』2022年6月号 角川歌壇 前田康子 選 秀逸

陽のあたる道を一人で歩くとき風はしばしば追い風になる

角川『短歌』2022年5月号 角川歌壇 内田弘 選 佳作

信号が滲んできれいな赤だよと誰に言えばいいのかぬるいコーヒー

角川『短歌』2022年3月号 角川歌壇 黒木三千代 選 佳作/水原紫苑 選 佳作

あなたには見せたくはないすっぴんをウーバーイーツに平気で見せる

角川『短歌』2022年1月号 角川歌壇 黒木三千代 選 佳作

殻の中外の世界をミュートしてアサリは何を聞いているのか

角川『短歌』2022年1月号 角川歌壇 水原紫苑 選 秀逸

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?