シャガの花、ダビデの星

真っ暗闇に一輪、シャガの花が咲いている。
浪人生のころからずっと好きな、静かで華やかなシャガ。
よく見たくて、しゃがみこむ。
マクロレンズを覗くように、ずんずん、クローズアップされる。

右側から、落ち着いた女性の声が聞こえる。
「シャガはもともと、”シャーガ”だったのよ。」
花にかぶさるようにして、うっすらと模様が浮かんでくる。
ダビデの星だ。

シャガは徐々に消えていき、星は徐々にはっきりしてくる。
なんて強い、正三角形と正六角形。
いまや視界いっぱいに、白い太陽のように輝いている。


おわり

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