panoramasky

1977年生まれ。妻とふたり暮らし。犬、猫、植物、音楽、だいすき。 親友の言葉で会社員…

panoramasky

1977年生まれ。妻とふたり暮らし。犬、猫、植物、音楽、だいすき。 親友の言葉で会社員に向いていないと気づいて、復職の1年後に先を決めず退職。 自然に囲まれた環境への移住を検討中。 休職中に読んだ坂口恭平さんの文章がきっかけで書きはじめました。

マガジン

  • 夢の記録

    鮮やかで、印象深い夢を見ることがあります。それを極力そのまま再現できるように書いています。 推敲が多くいつまでも公開できずにいるのが嫌になったので、まとまらないうちに投稿して、あとで編集を重ねることにしました。 お気軽にコメントしていただけると嬉しいです。

最近の記事

よくわからない

たぶん、つらい思い出にほぼ引導を渡せたと思う。 おととし車の免許を取りにいけた。 昨年、洗濯するのが苦でなくなってきた。 夕食を作れるようになってきた。 夏から少しずつ、絵を描けるようになった。 週に一度は体を洗えるようになった。 嫌な記憶を反芻するドMな自分にバイバイ。 ここからは自分のために生きたい。 そうこうしているうちに貯金が尽きた。 切り詰めても生活費が足りず、久々に借金しはじめてる。 年金、税金、国保。派手な色の督促封筒が届くたびに妻がしょげる。 役所に定期報告

    • 舞踏の思い出

      二十歳頃にたまたま再会した同級生Mちゃんの言葉を何となく覚えてる。 「人は管のようなもの」 「作品は自分のウンコのようなもの」 暗黒舞踏をよく知っていた彼女が、美術大学3浪でウジウジしてた僕に知識を分けてくれていたんだと思う。 彼女に誘われて初めて観た、たしか「蝶」の字の入った2人組の舞踏は魔術みたいだった。 2人の足はしばしば舞台から3センチほど浮いてたし、 時間は、辛うじて息ができる程度にまで止まったし、 固くなった空気が体全体を圧してきた。 彼女には上星川にある大野

      • 「くぷ・ぷぶれ」と言われる

        一面のオフホワイト。 コーヒーを割り箸ペンに付けて描いたような、線描のアニメーション。 エゴン・シーレの絵からとろんとした悲喜こもごもを脱ぎ捨てて出てきたような、大きく澄んだ目の、軽やかな男女。 彼らが、ひとりずつ、みんな頬杖をつきながら、少し上目遣いで、かわるがわる、僕を見て言う。 「くぷ・ぷぶれ」 動画サイトの動画に差し込まれる短い広告のように、夢の本編の合間に繰り返される。 おわり CMのような繰り返しで、夢の本編を思い出せない。 「くぷ・ぷぶれ」、フランス語っぽ

        • いろいろな人が怒る

          河原沿いの広場。 何かのお祭りみたい。 寄生獣に出てきそうな、マッチョで白いタンクトップの酔ったお兄さん。 何かに遭ったらしく、怪我をしてる。 組んだ左腕に、割ったビール瓶でえぐったような輪っか状の傷。 顔は腫れて、無数の切り傷。 歯がボロボロとこぼれ落ちる。 病院に持っていけるように拾おうとするけど、砂利に紛れて見つからない。 お兄さんが、怒りと悔しさ、あきらめの混ざった顔でボソボソと言う。 「俺もう、ここ嫌だなぁー」 場面転換 何かの催し物会場。 一緒に来ていたのに、

        よくわからない

        マガジン

        • 夢の記録
          12本

        記事

          はげしく怒る

          Nくん、Mちゃん、Rちゃんとどこかへ遊びに来てる。 他にもう1人、DJふぉいを僕らくらいに歳をとらせたような、初めて会うダンディーな男性がいる。 Mちゃんは初音ミクと竈門炭治郎を足して割ったような格好をして、耳の上3センチくらいまで剃り上げて、残した髪の左半分を明るいオレンジ、右半分をやはり初音ミクのような緑青色に染めている。 Nくんはそれを古く感じてるけど、Mちゃんは気に入ってる様子。 明日から服飾系の学校に通う、とハイテンションでRちゃんに話してる。 公営の小さな植物

          はげしく怒る

          芸能人、炎、自転車レース、蜘蛛の糸

          豪華な家のリビングルーム。 黄色いTシャツ姿のジミー大西さんと、楽しくじゃれ合っている。 一緒に写真を撮りたいと言うと、ニコニコうなずいてくれる。 ベージュ色の革張りのソファに並んで座る。 右手を伸ばしてスマホを操作する。 2人の顔がなかなかうまくフレームにおさまらない。 ジミーさんの顔が曇りはじめる。 謝って、撮るのをあきらめる。 -----場面転換----- 薄いフローリングがぎしぎしと鳴る一軒家。 床や天井の隅で剝き出しになっている電気配線から、青白い炎。 はやく

          芸能人、炎、自転車レース、蜘蛛の糸

          シャガの花、ダビデの星

          真っ暗闇に一輪、シャガの花が咲いている。 浪人生のころからずっと好きな、静かで華やかなシャガ。 よく見たくて、しゃがみこむ。 マクロレンズを覗くように、ずんずん、クローズアップされる。 右側から、落ち着いた女性の声が聞こえる。 「シャガはもともと、”シャーガ”だったのよ。」 花にかぶさるようにして、うっすらと模様が浮かんでくる。 ダビデの星だ。 シャガは徐々に消えていき、星は徐々にはっきりしてくる。 なんて強い、正三角形と正六角形。 いまや視界いっぱいに、白い太陽のように

          シャガの花、ダビデの星

          ドイツ、達磨大師、ウズラのゆで卵

          念願だったドイツに留学できている、らしい。 同じ学校に通う赤髪の女性が、ペダルセンに似た自転車で学校を出る。 自転車で通えるんだから僕も自転車で通おう、と思う。 僕はまだ免許がないくせに、90年代製の紺色のBMWに乗ってるから。 学校を出て、車を取りに向かう。 街中に、寺の重厚な山門。 その右に、寺が持つコンクリート2階建ての、奥に細長い建物。 建物に入ると、Bちゃんが辺りをきょろきょろ、何やら困っている。 声を掛けると、葬式の仕方が分からないと言う。 「そこの角を右に行

          ドイツ、達磨大師、ウズラのゆで卵

          神社、光る人、手紙、詩仙堂

          強い風の渦の中。 小さいけど趣のある神社の、本堂の縁に座っている。 木の枝や葉がぐるんぐるん、乱れ舞っている。 飛ばされないように、両手で高欄にしがみついている。 本堂全体が船のように、大きく、激しく、揺れる。 浮きはじめているように感じる。 ---場面転換--- RちゃんとDさんと3人。 柔らかな光に包まれた、30畳ほどの真っ白な部屋。 床から天井まである透明ガラスの引き戸が3方に入り、外には地続きの、数百坪はありそうな緑まぶしい庭園が、270度パノラマに広がっている。

          神社、光る人、手紙、詩仙堂

          ランプ、タバコ、線香、蝋燭、如雨露

          天井のライトは消えていて、部屋全体の様子はよくわからない。 誰かが長いこと泊まっている安ホテルのような、かすかな生活感。 足元は少しふかふかしてるから、カーペット敷きなんだと思う。 2人で向き合えるくらいの小さなテーブルの上にシェードランプ。 その暖色のあかりだけが、部屋にぼんやりひろがる。 シェードランプの脇に、使い込まれた真鍮の灰皿。 そこに茶色の紙巻きタバコが1本、糸のような煙。 タバコの形を保っている灰。 誰かが火をつけてそのままなんだろう。 足もとで、バレーボ

          ランプ、タバコ、線香、蝋燭、如雨露

          宇宙、おしっこ

          そこは、昭和の時代の公園によくあった男性用の便所に似ている。 便器も仕切りもなく、みんなで横一列に並び、コンクリートの壁に向かってする、あれ。 そこはそれに似ているけど、コンクリートの壁と排水溝の代わりに、宇宙が広がっていた。 見知らぬ7、8人が並んでいて、その左端に立つ。 みんなほぼ一斉に、星のまたたく宇宙に向けて、おしっこをはじめる。 みんなのおしっこは、それなりに勢いが弱まっていく。 僕だけ、止まらない。 消防車のような、滝のような、圧倒的な放水。 用を済ませた数

          宇宙、おしっこ

          雑木林に踏み入る。 陽の光は枝葉にさえぎられて、辺りは暗くなる。 目の前に野草が一株、ぽつんと生えている。 気になって、しゃがみこんで顔を寄せる。 アメジストセージに似た薄紫の花が、ぽろぽろと、光を放っているようで見とれる。 右脇に、40歳前後の見知らぬ女性がいる。 右の手のひらに、数十粒の種を渡される。 小豆より小さくて、まん丸で、色はアーモンドの皮のよう。 彼女が言う。 「これは桂の種。これがその草になるのよ。」 僕はそれを蒔いてみたくて、種をぎゅっと握りしめて、雑

          せいとうしゃうとっく

          真っ暗闇のなかに、一人で立っている。 頭上5メートルほどのところから、光が降ってくる。 そこから誰かが、「せいとうしゃうとっく」とささやいた。 おわり

          せいとうしゃうとっく

          タクシー、事故

          セダンのタクシーに乗っている。 僕は助手席に、Rちゃんは後部座席の左側に、その横にもうひとり、誰かが座ってる。 車がゆっくり譲り合いながらすれ違うくらいの曲がりくねった道の両側に、民家や商店が並んでる。 緩やかな下り坂が続いてるから、谷あいの山里だと思う。 ゆるい左カーブに入ってすぐ、車が不自然に加速する。 曲がりきれない。ブルーグレイの建物の壁が迫る。 体をきゅっとこわばらせて、目をつむる。 強い衝撃。 車から出る。 いつものポーチをたすき掛けにしたRちゃんも降りていて

          タクシー、事故

          ほっと一息。と、眠りまくり。

          「記録更新、おめでとうございます!」 「ありがとうございます。」 「前回に比べ、序盤の潜水で苦しんだように見えましたが。」 「トレーナーの話を聞き過ぎました。良い経験です。」 「今のお気持ち、誰に伝えたいですか?」 「そうですね、やはり、長年支えてくれている妻です。思えば父の借金がきっかけで私が彼女の家に転がり込んで、・・・」 「以上、躁鬱ダイビングⅡ型部門で20年ぶりに個人記録が更新された競技会場からの中継でした。スタジオへお返しします。」 ---------- 復職し

          ほっと一息。と、眠りまくり。

          イヤイヤ信号

          小さい頃からずーっと、身に着けるものに敏感です。おしゃれなわけじゃありません。体からイヤイヤ信号が出るんです。鍼灸のツボでいう丹田のあたりに信号を出す親機があって、お尻の穴の少し前と、仙骨の内側、それと胸椎のあたりにある子機が信号を増幅します。信号は体の内側をムズムズさせて、我慢すると発狂しそうになります。針の穴に糸をなかなか通せなかったり、人の名前を思い出せない時に感じるもどかしさに似ています。強迫性障害の人によくあることのようですが、こんなことをさらけ出す機会は滅多にない

          イヤイヤ信号