見出し画像

幻となった「頭脳警察 シーナ&ロケット ジョイントライヴ」を思う

長期入院から退院し、自宅でリハビリをしながら録画しておいた映画など観ながら療養の日々を送っている。日本映画専門チャンネルの鹿児島TV:松元ヒロさんの紀伊国屋ホールでのライブなど久しぶりに笑わせてもらったり、けっこう楽しく過ごさせてもらっている。
そして楽しみにしていたTBSドキュメンタリー「解放区 シーナ&ロケッツ 鮎川誠が家族と見た夢」をやっと観ることが出来た。

中谷ヒロミチお別れ会にて・・・

本来ならば、2月6日に予定されていた頭脳警察とシーナ&ロケッツとの初のジョイントライヴが、1月29日の鮎川誠の逝去により、急遽、頭脳警察のワンマンライヴとして決行することになり、さらに今度は自分が、1月31日にライブのゲストに向かう車中で発熱しはじめ、これはまずいと慌てたが、もう体温計は39度を指しており、身体も極限状態になってこれはダメだとUターンして帰宅。今度は自宅の駐車場から母屋へも一人では行くこと叶わぬほど衰弱。翌日、予定されていた五回目のワクチン接種に息も絶え絶えの中、クリニックに辿り着くと「ワクチンどころじゃないでしょ」と救急車を呼ばれ、そのまま緊急入院させられて二度ほど死地をさ迷うこととなった。高濃度酸素マスクをつけられながら、「2月6日にライブをしなければならないんです、何とかしてください」と意識朦朧のなか担当医に訴えていたらしいのだが、「いまは生きるか死ぬかの瀬戸際で、そんなことを言ってる場合ではなくとにかくこの非常事態からの脱出が先決です」と返され、そのまま意識を失っていたらしい。そんな経緯のなかで、鮎川誠の笑顔が目に浮かんだ。可愛い娘さんたちの気持ちを想うと、もう寝かされたベッドの上でどうにもならない自分の無力さを思い知り、身動きできないまま叶わなかった鮎川誠との思い出を回想するばかりであった。そしてやっと観られたドキュメンタリーを観させてもらい、改めて鮎川誠~通称マコちゃんがどれだけみんなに愛されていたか、そして鮎川誠がどれだけ先に亡くなってしまったシーナを慕っていたかを知った。このドキュメンタリーが鮎川誠の死を挟んで製作、そして放映されたのもあまりに時の流れの残酷さ、哀しさを感じさせられてしまう。一度止まってしまったかのような呼吸器系がまた息を吹き返したように番組を見終わり、幻で終わってしまったシーナ&ロケットとのジョイントを改めて画面のなかで実現させてみようと、今度は続けて頭腦警察50周年ドキュメンタリー映画「頭脳警察~zk/未来への鼓動」を見始めた。鮎川誠がどれだけみんなに愛されたかではなく、今度は頭脳警察がどれだけ世間に嫌われているかを久しぶりに観させてもらう。あらためて水族館劇場の桃山くんをはじめ鈴木邦男さんらも旅立ち、今年に入ってYMOも細野くんひとりを残して坂本くん、ユキヒロくんもこの世を去ったという現実を突きつけられる。そのぶん与えられた余命、そして時間は思い切り楽しく有意義に使わせてもらおうと痛感するばかりであった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?