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AIで架空のキャラに自己紹介させる【ChatGPT】

やりたいこと

まず、OpenAIのAPIを使用したChatGPT(以下、AI)に架空のキャラのプロフィールを作成させ、それを基にAIにロールプレイさせる。さらに詳しい設定を「本人」にインタビューしながら記録していく。

前提として、AIはロールプレイを理解できる。また直前の内容をある程度記憶しており、文脈を読み取る力がある。どういう意味かは、このあとの例を見れば分かるはずだ。

なお、私はAIやプログラミングについては素人なので、専門的な情報を求める人は他の記事を参考にしたほうがいい。逆に言うと、予備知識がなくてもこの記事は読めると思う。

著作権の注意

現状ではOpenAIを通した情報の取扱いは慎重に行う必要があります。詳しくはChatGPT本人に聞けば教えてくれます(丸投げ)。上のイラストはStableDiffusionというAIで生成した画像です。この記事の本文にはAIを使用していません。

架空キャラの初期設定

自分でキャラクター設定を作ったことがある人はそれを使ってもよい。一度の入力が多すぎるとエラーが出るので要約しよう。ちなみに要約もAIに頼めばやってくれる。また、既存の設定を与えて「これを参考に別の設定を考えなさい」でもいい。

緑のアイコンがAIの回答

AIが桜庭紅葉(さくらば くれは)の情報を吐き出してくれた。これは後で使うのでメモ帳などのテキストエディタにコピペしておこう。なお、一応ググってみたがこの名前のアニメキャラはヒットしなかった。

ロールプレイさせる

先ほどのプロフィールに書かれていない事柄を決めていきたい。しかし普通にAIに尋ねると「記載されていないので何も言及できません」といった回答になる。「自由に決めなさい」と言えば下のように答えてくれるが・・・

・・・どうも臨場感に欠ける。あくまで書類上のプロフィールでしかない。実際にキャラと会話したいんだよ! 次は改善した例。

通常はAIに対して「あなた」と呼べばAIとしての回答が返ってくる。しかし「あなたは(架空の名前)です」と断定してやれば、それだけでAIはロールプレイを始めてくれる。ただしAIは忘れっぽいので、指示は頻繁に行い、先ほどのプロフィールも逐一コピペしてやる必要がある。

口調に関する指示はキャラ設定を作るうえでは必須ではないが、明らかにインタビューの臨場感が上がるので入れておこう。ちなみに「高飛車なお嬢様の口調で」とかでも、頼めばそうしてくれる。

「100字程度で」と指定しているのは、回答が長くなりすぎてエラーになることがあるため。字数の許す限り、何度も念押ししておこう。

インタビューした内容はテキストエディタに書き足していこう。使いにくいものは無視しても構わないが、なるべくAIに合わせたほうが面白い。

これをまた全文コピペしてAIに渡す。
知ってる?

気になる回答が出てきた。ググってみると、「夢王国と眠れる100人の王子様」は2015年からサービスを継続しておりアニメ化もしている老舗のソーシャルゲームらしい(恥ずかしながら知らなかった)。女性向けパズルRPGであり、この架空キャラのプロフィールにも合致している。冒頭で述べた「文脈を読み取る力がある」とはこういうことだ。

ちなみに気になる回答に対しては「本人」に確認してみるのもよい。ただしAIは忘れっぽいので・・・

このようにすぐにAIの自我を取り戻してしまうので、再度、ロールプレイを指示しておこう。質問文のあとに名前を書くだけでもAIはロールプレイを始めてくれる。ただしプロフィール全文は時々コピペしてやったほうがよい。すぐ忘れるので。

たまに日本語がおかしくなったりキャラ崩壊したりするが、本来は英語で動作するものなので仕方ない。内容が矛盾していない限りは大目に見よう。

要約させる

プロフィールが長くなってきたのでAIに要約させた。全文コピペしたうえで「以下のプロフィールを要約しなさい」でOK。さらにもう一段階。

回答を深掘りする

架空キャラ「桜庭紅葉」に対し、交友関係を尋ねたところ・・・

一見設定に反するようなことを言い出したので確認してみたが、納得できる返答だったので設定に取り入れることにした。

さて、こうしていると本当に画面の向こうの人物とチャットしているような気がしてくる。創作経験のある人なら分かってくれると思うが、キャラクターを立てるときに大事なのはその人物が実在感を持ってくれること、言い換えれば「勝手に動いてくれる」ことである。

友人などをモデルにせず完全に架空のキャラクターを考える場合、自分のキャラクターに脳内でインタビューするというのも有効だが、AIを使えばもう一人二役を演じる必要はないかもしれない。

・・・本当か?

AIの弱点

AIにも弱点はいくつかある。とりあえず3つ見つけた。

弱点1:覚えられない

第一に、記憶できる情報量に限界があること。ある程度は直前の内容を覚えているとはいえ、少し前のことは忘れているし、毎回復唱するにしても一度の入力量に上限があるのでいずれ限界が来る。要約させることで対処しても細かい情報は抜け落ちていく。

ただしこれはOpenAIのAPIでChatGPTを使用する場合の話であり、他の方法ではどうか分からない。一応、ChatGPT本人にも確認してみた。

そういえば今話している相手はAIだった

対策と言えるか分からないが、特に目新しくない情報、意外性のない回答の場合は無視するといい。

弱点2:イエスマン

第二の弱点は、こちらの質問に合わせて回答しようとする傾向があること。たとえばYES/NOで答えられる質問をするとYESで答える場合が多い気がする(与えたプロフィールに反する場合はちゃんとNOで答えるが)。つまりインタビューが誘導尋問のようになってしまう恐れがあるということであり、対策としてはなるべく5W1Hを使った質問にする。

この場合は確信したので敢えて詰問してみた。余談だがこの回答はプロフィールの「やるときはやるタイプ」に合致していて感心(偶然かも?)。

また、このように質問に流されないパターンもある。

弱点3:いい子ちゃん

第三の弱点として、これがおそらく最大の弱点だと思うが、そもそもAIが発言を制限されている話題が存在する。まず、反社会的なことは言わないように出来ているので、ヴィラン(悪役)のキャラを作りたいときは少し苦労する。また、性的な発言もかなり規制されている。また、AIの知識は常にアップデートされているわけではないので、発言が少し古いなあと感じたらそのせいだ。

時事ネタを使いたい場合は注意。
事前にツンデレ口調の例文を与えている。

「バカ」は使ってもいいんだ・・・冗談はさておき、コンテンツポリシーに関する制限があることはこの通りChatGPT自身から確認が取れている。制限は必要だと思うが、キャラクター作りにとっては厄介でもある。

キャラクターというのは基本的に好ましい性格をしているものだが、全く暗い側面を持たないキャラクターというのは味気ない。たとえ主人公であっても多かれ少なかれ負の感情を持つのが普通であり、それがキャラに深みを与えるのだから、過剰に「いい子ちゃん」ぶられるのは困るということだ。

もちろん場合によっては聖人のようなキャラがいても構わないのだが、それが自然に設定されたのではなくてコンテンツポリシーの影響でそうなっているというのが問題である。いずれにせよ、AIの作るキャラは負の側面を隠されがち、ということは意識したほうがいい。

余談だが、架空キャラへのインタビューをしていて思ったのは「これ、面接だな」であり、そういう目で見ると、何を聞かれても好ましい回答しか返さないキャラクターにも逆に人間味があるように思えた。そもそも親しくない相手に自分の内面(しかもその負の側面)をさらけ出すほうが不自然だ、という考え方もあるかもしれない。

完成したプロフィール

インタビューの内容をテキストエディタに書き足していき、最後にAIに要約させたものがこちら。

どうだろうか。少々理想的すぎるプロフィールにも思える。しかし実際には会話の中でもっと多くの情報を得ているし、何より「本人」の口から聞いているので、実際に聞き取った身としては現実味があって共感できる、良いプロフィールだと思った。

おまけ

ソシャゲのキャラにしてみた。

名前がおかしいが、性能評価については個人的にかなり解釈一致。【終】

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