日本語訳

• ロシア連邦捜査委員会がティムール・イワノフ国防次官を２カ月間、拘束していたことが、４月23日に報じられた。イワノフの容疑は、ロシア連邦刑法第290条第６項に記された犯罪に関与したことにある。要するに多額の賄賂を受け取っていたということだ。第290条で示された罪を大々的に犯した場合、最大で15年の懲役刑が科せられることになる。大統領府報道官ドミトリー・ペスコフは、プーチンがこの逮捕の報告を受けたことを発表した。なお、イワノフは不正行為への関わりをすべて否認している。

• セルゲイ・ショイグ国防相もこの件に関する報告を受けている。イワノフは2012年、モスクワ州政府の副首相の地位にあり、当時、ショイグはモスクワ州知事だった。それゆえ、イワノフとショイグが昔からつながっていた可能性は高い。

• 2016年にイワノフは国防次官に任命され、マリウポリ復興プロジェクトにおいて重要な役割を果たしてきたとされている。2018年の所得申告によると、イワノフは車を22台も所有していた模様だ。プーチンは２月の教書演説のなかで、特別軍事作戦の英雄で構成された新たな国家エリートの必要性を訴えたが、それと並べると、報道されたイワノフの贅沢なライフスタイルに関する報道は何とも居心地の悪いものである。イワノフ事件は、2012年に当時の国防相アナトリー・セルジュコフが解任された件以降で最も深刻な、国防省を襲ったスキャンダルである。