【SNS投稿和訳】ウクライナ戦況分析:バフムート | 日本時間2023.12.13, 04:58(By Emil Kastehelmi)
上記リンクのX連続投稿は、フィンランドのOSINT分析者で軍事史家のエミール・カステヘルミ氏によるウクライナ東部バフムート方面の戦況分析です。この方面でもロシア軍は圧力をかけており、ウクライナ軍が2023年春夏に取り戻した領土が、再びロシア側の手に落ちつつあります。
以下は、このカステヘルミ氏のX連続投稿の日本語訳になります。なお、画像は原文に添付されていたものの転載になります。
日本語訳 “ウクライナ戦況分析:バフムート”
バフムートの戦いはずっと続いている。ロシア軍は近頃、攻撃を続けており、いくつか成功をおさめている。
とりわけバフムート市から北側の地点で、ウクライナ軍はいくつかの困難に直面している。そして、春と夏に勝ち取った領土の一部が失われつつある。
2023年の夏の間、情勢は一旦、見込みがあるようにみえた。バフムートの北方側面において、ウクライナ軍はベルヒウカまで到達し、ヤヒドネに向かって進んでいた。南方側面でウクライナ軍はクリシチーウカに到達した。ドネツ・ドンバス運河の12km分の流域から敵軍は一掃された。
だが8月になると、ロシア軍は北方側面で押し返し始めた。ウクライナ軍はベルヒウカから撤退し、その後、戦況は動かなくなった。南方側面においても進展は緩慢になった。秋の間にウクライナ軍はクリシチーウカとアンドリーウカを解放したものの、それ以上の成功をおさめることはできなかった。
現在、ロシア軍は一連の攻撃を仕掛け始めている。ロシア軍はフルモヴェ街道(O-0506)に到達し、ボフダニウカ方向へ進もうと試み続けている。春にロシア軍による包囲の試みをウクライナ軍が押しとどめたのとまさに同じ場所で、現在、戦闘が続いている。
困難な情勢ではあるが、ロシア軍が最近あげた戦果が全体的な状況を大きく変えるわけではない。フロモヴェ街道を保持することはもはや重要ではない。というのも、5月以降、ウクライナはバフムート市内に何ら軍事力を展開させていないからだ。もっと守りやすい陣地へと退くために数kmほど譲り渡すのは、合理的であるといえる。
ロシアはクリシチーウカ地区も攻撃している。ロシア軍によると、ロシア軍はこの村落の隣にある強化陣地を何とか再占領できたとのことだ。だが、私たちはこの主張を裏付ける位置情報付の証拠資料をまったく確認できていない。ウクライナ軍は今でもこの村落をしっかりと押さえている。
もしロシア軍がクリシチーウカ再占領に何とか成功してしまうと、アンドリーウカという村落の東方でのウクライナ軍作戦行動が脅威にさらされることになる。だが、差し迫った崩壊が視野に入ってきているわけではない。また、バフムートのどちらの側面においても、大規模な突破を遂行する能力をロシア軍が有している兆候はみられない。
ウクライナ軍が組織的な防衛を維持し続けることは可能だ。一方で、しばらくの間、バフムート地区で今以上に大規模な攻勢作戦が生じる可能性は低い。とはいえ、歩兵による小規模な作戦は続いていく可能性は高く、ロシア軍が最近あげた戦果が今後数週間、厄介な課題になる可能性はある。
私たちBlack Bird Groupは、戦況マップの制作を続けています。私たちのインタラクティブ・マップは頻繁に更新を行っています!
ここ2カ月間ほど、私のX上での活動が少しばかり活発でないことに気づいた方がいるかもしれません。でも、何か大事があったわけではないのです。ただ、仕事とその他もろもろの雑事が多くって!
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