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勝って兜の緒を締めよ 第30節 大阪対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。

6試合負けなしと好調の鹿児島ユナイテッドFC。中三日で迎えるFC大阪戦は大きな試練となりました。私も現地で応援したFC大阪戦を振り返ります。

https://youtu.be/DEFSyl8CUTA?si=HEGTfutPbXFzZqE_

中三日で迎える試合ということもあり、大阪戦は直近のリーグ戦から3名スタメン変更してきました。五領選手は累積警告で出場停止。代わりに右のウイングは順当に武選手が入ります。それ以外では広瀬、木村選手が外れ、戸根、山口、武選手が入ります。山口選手は出場停止明けになりました。

FC大阪対鹿児島ユナイテッドFC スターティングメンバー

鹿児島ユナイテッドFC
鹿児島はいつものように高い守備強度で、前半から後半15分くらいまでは大阪の攻撃を押さえ込むことに成功していました。大阪はショートパスをつないでビルドアップを試みますが、鹿児島の強いプレスにたまらずロングボールを蹴る場面が多くなり、チャンスを作る機会も限定的でした。愛媛や相模原戦でもそうだったのですが、今の鹿児島の守備強度はとても高いのでショートパスでビルドアップをしてくれた方が、鹿児島としては対応が可能です。

前半10分の大阪のチャンスシーン。右SBの裏にパスを出されて山口選手がカバーに行きます。この時、星選手が本来黄色点線丸の位置でカバーに入らなければならないのですが、ボールに行ってしまったので、CBとSBの間に大きなスペースができます。そこに大阪の利根選手が入り込みシュートしますが、シュートコースは限定されていたので泉森選手がパンチングして防ぎました

失点のシーンは、鹿児島の弱点が現れたと思いますし、大阪はそれを理解した上で意図的に逆サイドのSBを狙っていたと思います。鹿児島もCBの二人は高さもありヘディングが強いですが、SBの野嶽、星選手は背も低いですし、ヘディングも強いわけではありません。なので逆サイドからSBを狙われると厳しくなります。得点シーン以外でも再三にわたり逆サイドのSBを狙われていました。

前半17分鹿児島の先制シーン。ビルドアップから大阪ゴール前にボールを運んできた鹿児島。中原選手がボールを持った時、ゴール方向を向いています。そのため大阪の選手は中のスペースを消しに来ます。この時、米澤選手も中に入ることによってサイドにスペースを作っています。そのまま中原選手が左サイドの野嶽選手にパス。中に絞っていた大阪の選手は、プレスに行くのが遅れます。そのため野嶽選手は余裕を持って精度の高いセンタリングを上げることができ、得点につながりました

中三日出迎えた大阪戦ですが、鹿児島の選手は動けていたと思います。中三日でプレスの強度が落ちるのが心配でしたが、いつものように高い守備強度を見せてくれていました。そういう意味では、今鹿児島の選手のコンディションはとてもいい状態だと思われます。

野嶽選手がセンタリングするシーン。大阪が寄せ切れてないのがわかる。中央で相手CBとSBの間に位置しマーク外している藤本選手がいる。なので難しい角度のヘディングでしたが決められました。大阪のCBは後ろには人がいたので、もう少し藤本選手についていても良かった

FC大阪
大阪は開幕戦の頃は、攻撃はロングボールを入れる一辺倒でしたが、シーズンが進むにつれ、パスをつないでビルドアップができるようになってきました。ただそれは鹿児島の強度の高い守備にとっては対応可能です。そのため大阪は前半、ボールを前進させることに苦労していて、仕方なくロングボールを蹴っていましたが、それはあまりつながることもなく、結果的にチャンスを作る機会が少なくなりました。

後半50分の鹿児島の攻撃シーン。サイドで4対4の数的同数ができている。鹿児島の好調の要因はサイドで数的同数の状況から突破ができることがある。この時もサイドを突破してセンタリングをしている。ただスペースが狭い中、数的同数で突破するのは簡単ではない。

後半開始と同時にボランチの選手を二人とも交代。ただ後半も60分頃までは大阪はロングボール中心の攻撃で、この二人のボランチを活かせず、鹿児島は対応ができていました。ところが60分を過ぎると交代したボランチにボールを預け出します。この二人特に小松選手はプレスを掛けられてもボールを奪われませんし、プレスをかわしてボールを運べますし、鹿児島の山口選手のような役目をできる選手でした。

後半51分の鹿児島の追加点の場面。この時も大阪のボールを厳しいプレスを掛けて奪取してからの攻撃。端戸仁選手が相手を3人引きつけることにより、PA前のバイタルに大きなスペースができている。そこの中原選手が走り込み、カーブを掛けてシュート。外から巻いてきたので、さすがの優れたGKの永井選手もノーチャンスでした

鹿児島のプレスが掛からなくなり容易にボールが前進するようになります。そうすると大阪は鹿児島ゴール近くまで前進してからセンタリングを上げられるようになります。自陣からのロングボールより精度は高くなりますし、横からのセンタリングは鹿児島のDFにとっても対応が難しくなります。

後半64分大阪の得点シーン。押し込まれた鹿児島はDFライン前でのプレスが遅れる。その時、逆サイドのSB星選手と高さのある古川選手を競らせて得点。この時点での体の向きが古川選手の方が完全に有利な状況。鹿児島としてはもう少しDFラインを下げた方が防げた可能性がある

そうして高さのないSBと高さのあるFWを競らせてチャンスを作り、後半19分に1点返します。その後も大阪が押し込む時間が増えて試合終盤には連続してシュートシーンを生み出します。後半47分にはヘディングで折り返したボールを奪い1点差に追い上げますが、試合時間が残り少なく追いつくことはできませんでした。

大阪は後半の後半は、DFの選手を最前線に投入し、意図的に逆サイドのSBを狙っていたので、もう少し早く広瀬選手を投入しても良かったと思います。2点目の失点の場面は広瀬選手がいれば防げた可能性が高いです。実際、その時点で広瀬選手は投入の準備が完了していたんですけどね。

後半66分 山口選手のシュートのシーン。サイドで2対3の状況なので米澤選手はパスを選択。端戸仁選手が縦に抜けることにより、大阪のボランチが付いていき、PA前のバイタルに大きなスペースができている。そこに画像の外側から山口選手が入ってきてシュートするも、わずかに外れる

試合前に大阪の志垣監督がこの試合は、鹿児島に勝ち点3をやれない試合と発言されていました。つまりここで鹿児島に3点を与えると勝ち点差的(残り試合8試合で勝ち点差7)に残り試合が少なくなる中、苦しくなると考えたのでしょう。そして鹿児島が絶好調なことも理解されての戦術だったと思います。

後半81分 鹿児島の3点目の場面。この時も鹿児島の素早いプレスからミスパスを誘いボールを奪還。木村選手が山口選手からパスを受けて、すぐにサイドの米澤選手にパスを出せたのだが、出さずにゴール方向を向いてボールをキープ。これにより米澤選手がサイドに移動する時間を作り、大阪のSBが木村選手の裏のスペースをカバーをするために、一度足を止めている。これにより米澤選手への寄せが遅くなり、米澤選手は余裕を持ってシュート(センタリング?)できている。木村選手の素晴らしいプレー選択が生んだゴール

だから守備的なボランチで入ってきて、後半1点ビハインドな状況で攻撃的なボランチを投入したのでしょう。ただサッカーって面白いもので、ボールを持って相手陣内に押し込んでいれば、守備機会は少なくなりますし、実際試合終盤の大阪は鹿児島陣内に押し込んで戦えていました。これはどちらがいいとかという話ではなくて、どちらを選択するかという話なんですけどね。

後半93分 大阪2点目の場面。大阪が左サイドから右サイド前方へロングパス。ここでもSB野嶽選手を狙い競り勝っている。この時、岡本選手が野嶽選手の裏をカバーしているのだが、できればゴール前(赤点線丸)に位置して欲しかった。確かにサイドにも大阪の選手が走り込んできてはいるのだが、より重要なのは中央なので。そうすればヘディングされたボールも対応できたと思う。戸根選手のトラップミスから失点したが、このヘディングされたボールは回転がかかっていて、バウンドしたボールが予想よりも右側に来たと思います。なのでコントロールをミスして、ボール奪取されて失点。なので少し不運な面があるのは、彼の名誉のために付け加えておきます

まとめ
スコアは1点差でしたが、試合内容的には鹿児島が優勢だったと思います。
ただこの試合は久しぶりに流れの中での失点がありました。
セットプレーでの失点がないことは良かったのですが。

残り8試合、とてもいい内容の試合が続いているので、このまま進んでいければと思います。
ただ次は中9日で迎えます。休みが長いといいように思えますが、長いなら長いでコンディションを整えるのが難しくなります。

またロングボールを多用する5バックのチームには苦戦することが多いので、ここから戦う八戸、岩手、福島はなかなか難しい試合になるかと思います。

次はアウェイで八戸と対戦します。
守備の強いチームなので簡単ではないと思いますが、強い気持ちで応援しましょう。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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