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完敗....でも私達は諦めない 第19節 藤枝対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。

なかなか厳しい内容の試合だったので分析するのもつらいものもありますが、気を取り直して振り返って見ましょう。

https://youtu.be/seYMjSVu4fg

先発メンバーは、有田選手がFWに入った以外は、先週と同じ。五領選手が二週連続でベンチ外なので怪我か感染したのかもしれません。けが人も多く、なかなか苦しいメンバー構成での試合が続きます。

藤枝対鹿児島のスタメン

まず先制点はまさかの前半1分に鹿児島に入ります。競り合いの中でこぼれたボールが星選手の前に来ます。このボールをダイレクトで藤枝DFラインの裏にパスをします。これを米澤選手が胸でトラップして、左足を振り抜き右ポストの内側に当ててゴール。見事な星選手のパスと米澤選手のスーパーゴールでした。

米澤選手が完全に裏を取っている。藤枝DFは星選手のパスを予測できずに、自分達のゴールに向かって守備を強いられている。

さらに鹿児島は序盤立て続けに攻勢を仕掛けます。前半13分にカウンターから、こちらも星選手からの絶妙クロスをロメロ・フランク選手が飛び込みますが、惜しくもポストに弾かれます。

前半13分のカウンターの場面。牛之濱選手が中央にドリブルで仕掛けたことにより、藤枝DFは中央を守らざるを得なくなり、両サイドに大きなスペースができている。有田選手が後ろに走り込む動きを見せたことで牛之濱選手はドリブルできるスペースができている。そのスペースに星選手が走り込んで来て、チャンスを作る。ロメロ・フランク選手は左の緑点線丸の位置にいればパスコースが二つできて理想的だった。

前半29分に野嶽選手のボール奪取から、有田選手の絶妙ループシュートはGK内山選手にギリギリのところでセーブされましたし、続く31分には深く攻め込んだ米澤選手から有田選手へ浮き球のパスが出て、それをダイレクトシュートしますが、GK正面でキャッチされます。この前半に追加点が取れなかったことが試合に大きな影響を及ぼします。

このあと藤枝が徐々に巻き返し、攻勢を仕掛けてきます。鈴木選手と久保選手が前を向いてボールを受ける場面が増えてきて、32分に同点に追いつかれます。

前半26分マークしていた久保選手がフリーで裏に抜けるシーン。これまでは木村選手がマークについていきましたが、この時はゴール中央にいてマークできずにピンチになります。
前半32分、同点に追いつかれる起点の薩川選手がドリブルしてボールを奪われるシーン。ゴール近くでドリブルしてボールを失っているので、確かに薩川選手の責任ではあるのですが、プレスを掛ける久保選手と後ろから鈴木選手という攻撃的な二人の選手が即強度の高いプレスを掛けられるのが藤枝の強み。普通の試合ならボールを奪われる事はなかった。
そのあと久保選手は体の向きが完全でなかったのに絶妙のクロスを入れる。水野選手もゴール前のスペースに絶妙のポジショニング。本来ここのスペースを守る木村選手は最終ラインに吸収されていて、フリーでシュートされる。広瀬選手が一度はブロックするが、こぼれ球がそのまま水野選手の前にこぼれてゴール。不運もありました。

その勢いのまま、藤枝が前半終了間際に勝ち越し点を得ます。

前半41分の勝ち越しの起点のプレー。ロメロ・フランク選手がGKにプレスを掛けるが内山選手が縦へロングパス。普通だったら慌ててけるのでミスキックになり鹿児島ボールになるはずだが、FWへピンポイントでのパスになる。
パス自体はトラップミスで、砂森選手がボールを拾いドリブルするが、ボールをロストする。先ほどの薩川選手の所でもいいましたが自陣でのドリブルでボールを奪われる事があってはなりませんが、砂森選手に対して三人もプレスに行ってボールを奪取されました。強度の高い守備に終始鹿児島は苦しみます。
ボール奪取してドリブルする鈴木選手。この時点でパスを出すこともできたし、普通の選手なら右にフリーでいる久保選手にパスを出す場面。鈴木選手の並でないところは、ここからドリブルで広瀬選手を引きつけ、もう一人のFWが裏抜けるする時間を作り、それに薩川選手がついていき、久保選手を完全にフリーにして、このあとPA内でパスを受けゴール。この時、鈴木選手が久保選手にパスしていればゴールまで距離があるのでドリブルし、薩川選手が対応できたが、鈴木選手のドリブルで鹿児島の守備が崩されてしまった。

試合後半は鹿児島はボールを前進させることに苦労します。チャンスも散発的に作れていましたが、藤枝の強度の高い守備にシュートまでに行くのは難しかったですね。

後半鹿児島のビルドアップのシーン。藤枝三人が前からプレスを掛けるので3対3の数的同数になりボールが前進できない。当然SBは空くのだが、SBにボールが出て瞬間に猛烈にプレスを掛けに来るので、そこでボールロストしてカウンターされる場面が多く見られた。

この日のというべきか、この日もというべきなのか、星選手の活躍がすごかったですね。ほとんどチャンスに絡んでいたのではないでしょうか。攻撃のきっかけは星選手というくらいの活躍でした。ドリブルで抜いていくこともあれば、シンプルなパスで繋ぐこともできるし、

ただそんな星選手でも、後半の藤枝のプレスには苦戦していました。

ボールロストした選手を責める人もいるようですが、先ほども述べたように、この日の藤枝の守備強度はほんと半端ない強さでした。確かに同点弾は薩川選手がドリブル突破しようとしてボールロストしているのですが、普通はあそこではボール取られないです。すぐにプレスに来たので突破できなかっただけなので、あと0.5秒でも久保選手のプレスが遅ければ、ボールはサイドラインを割るか、ファールになっていたと思います。

また決勝点の場面も、確かに砂森選手がボールロストしているのですが、砂森選手がボールを持った瞬間に前横後ろから三人がプレスを掛けて来ています。これでは砂森選手も厳しいですよね。

それにこれまでもボールロストからシュートされる場面は多くあるのですが、これまで相手がゴールを外すか、白坂選手が止めてくれていたので目立たずに忘れられているだけです。

そして以前私が提案していたように、試合終盤にはウェズレー選手を投入し、前線に配置してパワープレーを仕掛けました。本当に大嶽監督、このブログ見てないですよねww。これはなかなか良かったと思います。短い時間でしたが数回いい形を作れたと思います。ただあまりにも時間が短かったと思います。

試合の流れは後半を通じて良くなかったので、残り15分くらいからパワープレーしても良かったですね。そうすればもっと藤枝の脅威になっていたと思います。

あとパワープレーといっても闇雲に長いボールを蹴るのではなく、せめて相手陣内に入って、できればセンターサークルの端くらいからボールを入れたいですね。そうすると正確なボールを蹴ることができますし、そうなると当然相手もプレス掛けてくるので、鹿児島も数的有利を作りながらボールを入れる準備をする必要がありますけどね。

▽藤枝のすごさ
とにかくこの日の藤枝は素晴らしいプレーを見せてくれました。キープレーヤーを見てみましょう。

藤枝のGK 内山選手は高いポジションを取るので、鹿児島が藤枝DFラインの裏にパスを出しても、飛び出してきて防ぐことができていました。なので80分に米澤選手から山本選手へのパスも飛び出して防いだ場面も元々のポジショニングが高いので、思い切って飛び込めました。

後半80分の決定的なチャンス。米澤選手がボール奪取してすぐに山本選手へパス。内山選手が猛然とダッシュしてシュートブロック。敵ながらあっぱれでした。

またこの内山選手はなかなかのプレービジョンの持ち主で、鹿児島が前からプレスを掛けても落ち着いてサイドや縦に正確なロングキックを蹴り分けていました。特に決勝点の起点となったパスは見事でした。

決勝点となったプレーの起点も内山選手からのロングキックでした。しかもこの時、ロメロ・フランク選手にプレスを掛けられている状況からのプレーでしたから、普通はキックミスして鹿児島ボールになるのですが、きっちりと鹿児島がピッチ中央を空けているスペースに正確なロングパスを通したプレーは、とてもGKとは思えないですよね。

藤枝のFW選手がトラップミスをしたので、砂森選手がボールを取りましたが、トラップの位置が良ければそのままシュートも可能な素晴らしいパスでした。これ以外でも正確なロングキックがあるので鹿児島が前からプレスを掛けに行っても、ロングキックで前プレスを無効化されるので、鹿児島はDFラインを上げることができません。そうすると藤枝はスペースのできたライン間でボールを受けて一気に前進します。

藤枝の鈴木 惇選手もとても厄介な選手でしたね。シーズン前半のホームでの対戦の時も褒めていましたが、この日もとてもいいプレーを見せていました。カバー範囲が広いですし、視野も広くプレービジョンも素晴らしいと思います。

そして前回、怪我で欠場していた久保選手。最も危険なプレーヤーです。ドリブルも鋭いですし、決定力もあり、実際この試合でも二得点すべての絡む大活躍でした。ただこの久保選手、ただのドリブル小僧じゃないところが厄介なところです。

鹿児島が二人でマークに来ると、無理して突破せずに、有利な位置にいる味方に的確にパスをします。試合の序盤は鹿児島も久保選手をダブルでマークしたり、薩川選手が前に出て、裏にスペースができると木村選手が久保選手をカバーに行ったりと徹底マークの感じでしたが、前半も半ばを過ぎるとフリーでボールを持たれる機会が多くなります。

藤枝のすごさは選手個人能力の高さだけではないんですね。彼らはリードして迎えた後半で藤枝ボールの時に決して急いで攻めようと這いませんでした。理由は簡単でプレーを早くするとミスが多くなり、トランジション(好守の切れ変え)が増えるから。トランジションが増えるとカウンターを受ける機会が多くなります。リードしている藤枝としてはトランジションの場面をできるだけ減らしたいので、ペースを落として攻撃します。とはいえ時にはダイレクトパスを交えながら前進してくるので厄介です。そしてほとんどシュートで終わるので、カウンターを防ぐことができます。

鹿児島がリードしながらも、試合終盤にボールロストを繰り返しバタバタしながら試合を締めくくることを考えると、一歩も二歩も藤枝の方が上だったと思います。

また藤枝がボールをロストしても、すぐに強烈なプレスを掛けてくるので、鹿児島はなかなかボールを前進させることができませんでした。プレスの強度があまりにも高いので、プレスがない場面でも鹿児島は焦ってパスミスしてボールを失う場面があまりにも多かったと思います。

なんか藤枝を褒めまくっていますが、それくらいこの日の藤枝は強く6連勝しているのも納得の内容でした。ハーフタイムでの藤枝の須藤監督のコメントに反感を持った方もいるようですが、実際後半の藤枝の運動量はすごかったので、反論できません。

圓道選手が後半頭から投入されたのも、流れを変えようとする大嶽監督の狙いだったと思います。しかしながらさすがの圓道選手も藤枝の強度の高い守備にあまりいいプレーを見せられませんでした。

この日は今シーズン初めて完敗と感じました。でもまたたくさん試合は残っています。だから負けても下を向かずに前に進んでいきましょう。

この日の藤枝見ていると、J3で最強で優勝間違いなしといいたくなりますが、実は長いシーズン、チームには波があり前半の一時期連勝していても、最近は調子を落としているチームもあります。

先週対戦した八戸が山雅に勝つとは思えなかったですし、いわきも引き分けました。J3には簡単な試合はひとつもありません。これからも上位陣が混戦の中で勝ったり負けたりしてシーズンは進んで行くのでしょう。

あの好調だった岐阜がここ5試合 1勝4敗で9位なんて、鹿児島が負けたときには想像もできませんでした。そういう意味で言うと鹿児島は対戦順に恵まれていないかもしれません。しかし目の前に高い山があろうと、それを乗り越えなければ目的地に付けないのであれば、乗り越えるしかありません。

とにかく連敗だけは避けなければなりません。そういう意味では、次の山雅戦は中盤戦の山場といえる試合になるでしょう。

それでは来週は一週間お休みを挟んで、松本山雅戦でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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