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子供の誕生日は、母親の出産記念日でもあるんだよ。

2月13日の昨日、妻の誕生日だった。いつもながら、12時を迎えたら連絡を入れ、ちょっとしたやり取りを交わす。

「おめでとう」「ありがとう」

些細なものだ。仕事柄、朝6時頃に家に帰ってきて、簡単だけど手紙を書いてドアに張り付けておいた。会社のカルチャーでもあるけれど、手紙を書いたり、人に想いを伝えることを大切にしている。

誰かの誕生日になると思い出す人が居る。7年前に出会ったアルバイトスタッフの母親のことだ。ALSという難病にかかりながらも、今を生きていた強い女性だった。そのスタッフを雇ったときから、余命は数年と言われていたけど、いつも明るかった。無理をしながらではあったけれど、歩ける元気なうちに、鳥貴族のお店に来ては、大好きなハートの塩焼きを、美味しい美味しいと言いながら食べてくれたのを覚えている。

ある日、ふと年齢の話になった。誰かの誕生日の時だったかは覚えていないが、その母親から営業中、諭すように話してもらった話だ。

「覚えておいて欲しいことがあるんだけどね、誕生日っていうのは、本人が生まれた日でもあるけれど、母親にとっては出産記念日なんだよ。お母さんにもおめでとうって、言ってあげて欲しいんだ」

忙しい営業中の何気ない一言だったが、強烈に刺さった言葉だった。命を大切に噛みしめて生きている人からの言葉だったからなのか、価値観を揺さぶられた一瞬だった。

それ以来、自分の誕生日になると、母親にもメッセージを贈っている。もちろん簡単なものだけれど、「出産記念日だね。おめでとう。」と。

来春3人目が産まれる父として、大切なことを伝えていこうと思う。家族にとっても、妻が命をかけて挑戦した日だ。そんな大切な日を、これからも大切にしていきたいと強く思っている。

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