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PIXERのひみつ展に行ってきた

いつも取り扱ってるテーマとは違う記事だけど、書きたくなったので。

コロナの影響で開催時期がズレていたみたいだけど、7月から福岡市博物館で開催されている
"PIXERのひみつ展〜いのちを生みだすサイエンス"に行ってきた。

保護観察のプログラム2回目(また別の記事で触れたいが、現在保護観察中である...)が終わり、はぁ〜今週も尿検クリアだーっと浮かれ、その足で福岡市博物館へ。

彼女がPIXER展に行きたいと言ってたので、デートがてら行く予定を立ててたんだが、自分的にはPIXER映画に強い思い入れは無く、そこまで期待してなかった。唯一興味があるのは、スティーブ・ジョブズの事くらい。ジョブズがPIXERに関わっているのは何でだろー?くらいの考えだった。

博物館までの道のり、保護観察もクリアしたし食っとくか、と1枚摂取。(この部分はわかる人にわかればイイです)

コロナの影響で、入館チケットを事前に予約して入場。入り口で検温、そしてビニール手袋をしろと渡される。うわー、めんどくさ、って感じだったが、まぁしゃーないよな。

入り口入ってすぐ、まずは5分程の映像を見て下さいと案内された。

まずはPIXER社員による展示の説明ムービー

PIXERで実際に働いている人が展示の内容を説明してくれるムービーだ。カリフォルニアにある会社のビル内部を歩き回りながら、この展示の趣旨などをユーモラスに教えてくれる。
カリフォルニアという土地柄?もあるのか、様々な人種の人達が働いているようだ。5分ほどのムービーが終わると、いよいよ展示物コーナーへ移動。

モンスターズ・インクのキャラがお出迎え

まず最初に目の前に現れたのは、モンスターズ・インクのデッカイやつ。すみません、名前はわかりません笑 映画のプロモーション用に作ったものなのか?キャラ設定の等身大?のような精巧な人形。みんな並んで写真を撮っていた。いわゆる映えスポットだ。

映画が出来るまでの各工程に沿って進む

PIXER映画は、コンピューターグラフィックスを駆使したアニメーションフィルムだ。映画が出来上がるまでには何種類もの工程があり、かなりの量の作業、技術、時間を要する事が展示を見てわかった。

ストーリー&アート
まず最初は物語のあらすじ。登場人物や世界観をスケッチなどでアイデアを出す。これは普通の映画と変わらない最初の工程だろう。
PIXER映画はシーンごとにディレクターが違ったり、キャラごとに制作班が違ったり、かなりの人数で作っている。

モデリング
スケッチなどで生み出したアイデア、キャラを実際にクレイなどで造形し、モデリングする。造形したクレイを3Dスキャナーでデジタルに変換し、そこからキャラを作りあげていく。

リギング
リギングとは簡単に言うと"関節"のこと。
キャラを動かす為に、実際の人間や動物のように関節を作る。2Dのアニメのように、1枚1枚絵を重ねて映像にするのではなく、コンピューター上でキャラを実際に動かしアニメーションにして行く。

サーフェイス
モデリングで作ったキャラなどの見た目のデザイン。それぞれの物質の見え方などを調整したり、よりリアリティのある質感を持たせたりする作業。錆びていたり、ツルツルしていたり、そういった表現をコンピューターグラフィックスでパターン化したり出来る。

セット&カメラ
映画にはキャラだけでなく、舞台となる背景のセットや、もちろんカメラマンも必要だ。
いくらコンピューターグラフィックスで作るといっても、実際の人間が演じる映画を作るのと工程は一緒。どのアングルからカメラマンが撮るか、どんな街のセットで物語を進めるか。決める事は山ほどある。人間のキャラの世界なら、普段私たちが目にしている世界だが、PIXER映画には虫の世界や海の世界などもある。この場合、実際に虫目線のカメラを作って映像を集めたり、ダイビングで海に潜り研究をしている。

アニメーション
キャラが出来上がると、今度はキャラに演技をさせる。この演技も一つ一つ設定して行かねばならない。顔の表情、体の動き方など綿密に作り上げて行く。

バーチャルライティング
映画作りには照明さんも必要だ。
どこから光を当てるか、シーンごとに最適なライティング、昼か夜か、暑いか寒いか、など様々な事柄を考慮して照明デザインを決めて行く。

シミュレーション
コンピューターグラフィックスの凄さは、デザイン技術だけでなく、数学や物理学が組み合わさっている事だと思う。シミュレーションはキャラの動きや細かな事柄を決めて行くのに必要だ。例えば、パーマのかかった髪の毛は、歩くとどんな風に揺れるか?など、細かく作り上げられたキャラの動きは、すべて数式で出来ている。

レンダリング
レンダリングとは、3Dデータを2Dに落とし込む作業。実際に私たちが見る映像の最終調整だ。レンダリングには膨大な時間がかかる。
PIXERのレンダリング作業のチームは屈強なアスリートが揃っているような感じだった笑

各工程のワークステーションが盛り沢山

各工程の作業を実際に体験できる。これは子供も楽しい展示物で、タッチパネル式でわかりやすいゲームのようだ。見て、触って、動かして、頭で考える。各ブースの設備には、展示物の説明を音声で流す電話の受話器があり、受話器を耳にあて、プレイボタンを押すと展示物の説明が流れる。これがすごく印象的だった。何かの映画に出てくるのかな?受話器。

PIXERで働く人たち

各ブースにはPIXERで働く人たちのインタビュー映像が見れる展示があった。自分はこのインタビューがすごく好きだった。各工程のデザイナーや技術者が自分の生い立ちや仕事についてのインタビューを受けている。皆それぞれにPIXERで働くまでのストーリーがあり、優秀な人材が集まっている事がよくわかる。

各分野のエキスパート

この展示を見る前までは、グラフィックアーティストが作り上げている映画と思っていたのが、全部ひっくり返された。映画の制作にはデザイナーだけでなく、アルゴリズムを使う数学者、物理学者など理系の人達が沢山いる。
自分もグラフィックの仕事をしているが、もろ文系の人間だ。コンピューターグラフィックスは文系×理系だ。想像力と知識、学力、それと夢を持つ情熱。PIXERは凄まじい会社だ。小さなコツコツ積み上げて行く作業がハンパない。どうやったらこんな事が出来るんだろう、、途方に暮れるような膨大な作業の連続。出来上がった映画はその集大成だ。

ミーハーも玄人も楽しめる

展示には家族連れや女子、カップルなどの来場者が沢山いた。大抵の人は人気キャラの人形や絵と並んで写真を撮るのに熱中。それも楽しみ方の一つだが、、(かく言う自分の彼女もそうだが笑) 是非、PIXERの凄さを感じてほしいと思った。先程も述べた、地道な作業の上に成り立つ映画。デザイナーや技術者の能力。ハンパない。ワークステーションで遊ぶのもいいが、各工程のPIXER社員のインタビュー映像が1番良かった。本当に感動した。

最後に

PIXERはそれぞれの映画で、それぞれの時代の最先端のコンピューターグラフィックス技術を提示している。特に凄いと思ったのは、ファインディング・ニモの海中を舞台にしたアニメーションだ。リアルな海中世界を表現したこの作品は、リアル以上のリアリティだ。現実では出来ない映像を見せてくれる。改めて、PIXERの映画を見直したいと思った。

スティーブ・ジョブズに倣い真理の世界へ入った自分は、感動の連続で、あっという間に2時間くらい経っていた。良い意味で期待を裏切られ、入場料の1600円が安く感じた。

全国の博物館などを周る展示だと思うので、近くで開催されていた際は、是非足を運んでみてください。忖度抜きで。

※グッズコーナーでPIXERのマスコットであるデスクライト?のグッズ探したけど無かったです、、あのマスコットのグッズ欲しかったなー。。人気キャラの不要なグッズばかりでした笑 唯一オススメは、展示会場限定のポストカードがクールでした。

最後まで読んでいただき有り難うございました。





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