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組織を芯からアジャイルにする

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「組織を芯からアジャイルにする」ために。あなたの居る場所から「回転」を始めよう。
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2023年4月の記事一覧

これまでの仕事、これからの仕事

 もし、明日不慮の事故に遭い、この世を去るとしたら、この本は「遺書」になるのだろうと思った。書きながら、そんなことを感じたのははじめてのことだった。自分の中にある「仕事」について、言い残したいことをぐつぐつと煮詰めた本。それが「これまでの仕事 これからの仕事」だ。  現場、チームのこと、プロダクト作りのこと、組織のこと、これまで何度となく変遷してきた語るべき対象は、「仕事」の考え方、方法、込める思いへと言った。アジャイル開発、仮説検証、デジタルトランスフォーメーション、組織

社内にアジャイルコミュニティを立ち上げよう

 ゼロから組織にアジャイルを宿していくための「手がかり」とは何か。いくつか考えられるが、イニシエの頃より取られていたのは「社内コミュティ」を立ち上げることだった。  アジャイルはソフトウェア開発の世界で端を発し、ここまで育まれてきた。その最初期においては、組織の中ではもちろん、外においてもアジャイルの実践者などほぼ存在していないようなものだった。  その頃のわれわれが頼りにしたのは数少ない、実践に際しての知見を分かち合うことだった。それからアイデアを生み出し、繰り返しトライ

実は、合っていない。 それでもなお "アジャイル開発" から始めるということ

 「組織にこれまでとは違う仕事のスタイル、マネジメントが必要だ。それはアジャイルだ。だから、アジャイル(スクラム)を取り入れよう。」という流れが生まれ始めているのを確かに感じている。  「組織を芯からアジャイルにする」は、その潮流の片棒を担ぐために書き著したものであるし、組織アジャイルに挑もうとする "仲間" もずいぶんと増えた。もちろん、それはクライアントであったりするわけだが、これまでにはない領域へ踏み込もうとする物好きな連中にはある種の仲間感が漂う。そういう "感じ"

互いの 「間合い」 を合わせる、合わせ直す

 チームにしろ、小さなグループ組織にしろ、どこかしっくりといかないことがある。何をするにしてもすんなりといかない。  何から認識をあわせるべきか、どのようにチームの対話を進めるか。会話もどこまで広げて掘り下げるか。そして、いつくらいに次に向けての判断を始めるか…。一挙手一投足、いちいち合わない。  だから、いちいち時間がかかる。もちろんストレスにもなる。でも、仕方ない。何をどう合わせれば良いか分からないのだから。  こうなると、得てして関係性もよろしくない。顔をあわせば、大

「アジャイルとは何か?」という問い以上に向き合いたいことがあるはずだ

 「アジャイル」とは何か? この数年、たくさんの人達にこの問いについて語ってきたように思う。アジャイルとは何か? 何だって良いじゃない、あなたが必要だと思えば向き合えば良いし、そうじゃないんだったらそっと蓋を閉じるなりすれば良い。  そういう声も心のどこかにはある。その一方で、より良い状態を作っていきたいと思う人達への手がかりを作れるものなら、やはりそうありたいと思う。  「そんなのアジャイルではない」という否定でも、拒絶でもなくて。「なんか良いって聞きました〜(良いこと起