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組織を芯からアジャイルにする

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「組織を芯からアジャイルにする」ために。あなたの居る場所から「回転」を始めよう。
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2024年3月の記事一覧

ハイウォーターマークは、嘘をつかない。

 この時期になると、人事異動や組織変更による変化、場合によって「劇的」と言っていいほどの変化が起こることがある。私も、私自身を含めていくつかの変化を得てきたので、実感がある。ときに、その変化の前に、なすすべを失った気分、膝から崩れ落ちるような感覚を得ることすらある。無力さを感じる。 「無力さを感じる」のは、それだけ「全体」を見えているからだ。  自分が積み上げてきたこと、努めてきたこと、その結果の推移が見えているからこそ、目の前の変化によってすべてが帳消しになってしまうの

「コレクティブ・インパクト」と組織アジャイル

 組織も一つの「システム(系)」と捉えるならば、「システム」に関する方法論、知見、仮説が組織にも通じるはずである。私が扱う "組織変革" とは「アジャイルを組織に宿す」ということだが、このアジャイルな変革についても「システム」に関する理論、実践知が頼りになると考えられる。そのうちの一つが「コレクティブ・インパクト」だ。  私はコレクティブ・インパクトについては専門家ではなく、むしろ知人からそのヒントをもらった立場である。これは、社会課題解決の文脈においてその活動の後ろ盾とも

「アジャイルとは設計しないことか」 へのもう一つの解説

 「アジャイル」という概念を広く適用していこうとすると、思わぬことに気づくことがある。例えば、「"仕事をする" のに必要なこととは何か」といった極めて根本的な事柄にむきあうことになる。  「アジャイル開発」であれば、「仕事をする = 開発する」であるから、「そもそも開発とは何か?」という問いで立ち止まったり、ウンウン悩み始めることは少ない。「開発する」ことについて持ち合わせている知識を元に、アジャイルに向き合っていく。  しかし、文脈が開発から離れた場合、たちまち怪しくな

アウトプットと、アウトカムと、インパクト

 引き続き、ソフトウェアと、プロダクトと、システム(系)を巡る話。  プロダクト作りにおいては、「アウトプット(結果)とアウトカム(成果)」が論点としてよくあがる。「アウトプットがあるかどうかだけに意識が向いていないか」「アウトカムに繋がるアウトプットや諸活動になっているか」という問いだ。  文脈としては 「単なる出力結果(機能開発)」vs 「アウトカム(ユーザー価値)」 や、 「収益」vs 「アウトカム(ユーザー価値)」 といった二項で議論されることが多いだろう。「ユー