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プロダクト作りのその先にある、システム作り

 ProductZineのWinterイベントでお話したこと。プロダクト作りのその先にあるシステム作り。ここでいう「システム」とは、ソフトウェアのことではなく、「構造」「仕組み」「系」としての意味。

 PSF→PMFの到達を得ることが、われわれプロダクト作り屋の本懐であり、最大の山場になる。その一方で、この両者が成り立つほど簡単なProblem(顕在課題)というのは、そう転がっているものではない。つまり、ビジネス規模が大きく期待できるほどの顕在課題はそもそも誰かが既に解決している。だからこその、現状の手段を捉え、その不満・不足から新たな提案価値を描く。

 というのがセオリーだが、それにしても課題の「切実さ」が足りないことが多い。放置できる、我慢できるほどの課題であったり、課題がニッチに寄りでビジネス規模が出ない。

 では、ビジネス規模の方を期待値まで下げられるかというと、こちらもまず容易ではない。「うちが取り組む規模としてふさわしくない」という見方が出てくる。

 こうした板挟みの中で、プロダクト作りは苦しくなっていく。ビジネスを立てれば、PSFの具合が悪く、PSFを立てれば、ビジネスとして物足りない。PSFとPMFの間にトレードオフの関係が出てきてしまう。その先に待っているのはデットエンド。少ない利幅を維持しながら何とか突破しようとマーケに賭ける、予算を寄せる。その一方で順調に育ってしまうのが「技術的負債」。やがて、目立った成果にたどり着けず、見切りがつけられる。

 この手の袋小路に入らないようにするために、仮説検証・ピボットの考えがあったはず。ところが、実際にはMVPにまでたどり着いたプロダクトの路線を「ここにきてピボットする」のもまた様々な思惑から難しくなる。

 自分たちでプロダクトを死地に追いやってしまう前に、MVPに至るまでの検証過程や結果に対する適切なフィードバックサイクルが回る仕組み作りが大事だと気付く。…2周目にかけよう。新たな取り組みにおける1周目と2周目の使い方は戦略性が求められる場合がある。

 というような状況に対して、取りうる考えをまとめてみた。プロダクト作りの先にある、システム作り。もちろん、その展望もまた仮説に他ならない。検証しよう。


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