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ボードゲームで映画語り『間宮兄弟』編  ~彼らが犯した痛恨のミスとは!?~

映画『ゴーンガール』ではボードゲームが小道具として効果的に使われていました。

洋画では『ジュマンジ』、『ザスーラ』のようにボードゲームがテーマであったり、

『バトルシップ』や『殺人ゲームへの正体』など原作そのものがボードゲーム由来の作品も少なくありません。

一方邦画を見渡すと、ボードゲームがどこかのシーンでほんの一瞬見切れることはあっても、ガッツリ登場する作品はあまり記憶にありません。

そんな中『間宮兄弟』では登場人物たちがゲームに興じるシーンが2回もあります。ボードゲームファンにとって貴重な映画といえましょう。

間宮兄弟ってどんな話?

森田芳光監督による間宮兄弟の日常を描いたコメディ作品です。

兄の間宮明信(佐々木蔵之介)は飲料メーカーの商品開発部に勤務。弟の間宮徹信(塚地武雅/ドランクドラゴン)は小学校の用務員。一緒に暮らす兄弟は優しい人柄で仲も大変よいのですが、二人ともちょっとオフビートなところがありしかも女性には奥手。

そんな二人はある日、小学校教諭の葛原依子(常盤貴子)と、行きつけのビデオ屋店員の本間直美(沢尻エリカ)を自宅に招くことに成功! カレーを用意して二人をもてなします。

結構たっぷり目に描かれるボードゲームシーン

徹信が腕を振るったカレーは大好評。いい感じの流れで4人は『モノポリー』で遊ぶことになります。ゲーム中のやりとりも大変ほほえましいのですが……

このシーン「25分30秒」あたりに出てきます。この場面、初見の時は普通に見ていたのですが、そこはボードゲームライターとしての性、実はこの前の「22分50秒」あたりにボードゲームを収めた棚のショットがあります。

「そういえば、間宮兄弟のゲームチョイスは正しかったのか?」 早戻しして確かめてみると……。なんたること、兄弟はあってはならないミスを犯していたのです!


おまいらバカか! そこはモノポリーじゃないだろ!

棚に積まれていたのは「チェス」、『パーフェクトボーリング』、『ニューダイヤモンドゲーム』、『アンバランスM2』、『ツイスター』、『オペレーション』、『億万長者ゲーム』『オペレーション』

うん、このラインナップでプレイ人数を考えればならモノポリーは妥当で……じゃねえよ! ツ、ツ、ツ、ツイスターだと!

いや、嘘です。彼女でもない女性をはじめて家に招待し、いきなりツイスターはボーハラ(ボードゲームハラスメント? そんな言葉があったとしてだが……)です。

しかも相手が沢尻エリカ様と常盤貴子ですよ!? 間宮兄弟でなくともツイスターはあまりにもハードルが高すぎます。

いや、彼らが選ぶべきだったタイトルは、棚の影になって見にくいのですが、画面の一番下に見切れていました。それは……、

『Feeley Meeley』があるじゃねえかっ!

え、フィーリーミーリーをご存じない? やだなぁ『手探りゲーム』のことですよ!

お題カードで示されたアイテムを箱に手を突っ込んでいち早く取り出した人が勝ちというアレです。箱の中で男女の手が触れ合ってしまい「あっ」と、お互い顔を赤らめながら手をぱっと引っ込めるあのゲームですよ!

かぁ~このボンクラども!(あっ、話は違いますが、ボンクラは語源がゲーム用語ですからね)

女性に奥手なのはわかります。が、ここは断られる可能性があっても玉砕覚悟で『手探りゲーム』一択だろうがっ……! 

かくして兄弟は常盤貴子と沢尻エリカの手に合法的に触れるチャンス逃したのでした。かえすがえすももったいない話です。

ちなみにこの映画、後半の「1時間6分」あたりには神経衰弱と再びモノポリーで遊ぶシーンもあります。

他にも本間直美とその妹の夕美(これがなんと北川景子! どんだけ美人姉妹なんだよ)とその彼氏の柏木(横田鉄平)が同席する喫茶店のシーンでは、セリフでしか登場しませんが『人生ゲーム』と『スコットランドヤード』に言及するシーンもありますよ。

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