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行動が相手に伝えている情報は少なくないです

「学校のプリントの整理ができません」・「時間の管理ができなくて、家ではいつも子供に口を出してしまいます」等、お子様が自己管理できないお話を良くうかがいます。


これは大抵の場合、ご家庭をはじめとする周囲の大人の対応に改善の余地があることが多いです。


サポートしようと介入すればするほど、できない人になっていく

「自己管理ができないとされる」子供がいるご家庭では、学校のプリントの管理や学校からの連絡事項、明日提出の宿題の情報まで、親御さんがすべて知っていることが多いです。


実際のところ、学校からの連絡事項等を親御さんが把握していなければ、保護者会の存在を知らずにすっぽかしてしまったり、三者面談の日程調整をスルーしてしまったりするリスクがあります。


それと同じような感覚で、授業プリントの管理や宿題の管理、テスト勉強のスケジュール管理などまで気を配り始めると、一気に状況が変わります。


親や周囲の大人が、子供の身の回りのことをやってあげればあげるほど、「あなたはできない子だから、私がやってあげないとまともに生活できない子だ」というメッセージになりかねないと考えます。


そういった管理能力を育てる機会を、親御さんがかわりに経験してしまうからです。



「今から勉強しようと思っていたのに」という言い訳の意味

「勉強しなさい」という親に対して、「今から勉強しようと思っていたのに」という言い訳をする子供の事例は良く出てきます。

実際のところ子供が「今、勉強しよう」と思っていることは少ないため、この子供の発言自体は言い訳である場合が多いです。


しかし、この言い訳が意味することは、「自分のことは自分でやろうとしているのだから、子供扱いするな」という反発です。

むしろ私は、全く感情の変化をさせずに「はい」と言って勉強を始める方がリスクがあると考えます。「どーせ親は自分を子供扱いするから、本音で話してもどーせ伝わらない」と、正直なコミュニケーションを諦められている可能性があるからです。



「これってどうなっているの?」「明日の支度はした?」これらはすべて、「あなたを信用していません」というメッセージになりかねません。少なくとも、「あなたのことが心配です」という本音がそのまま伝わることは少ないです。


放置するほど、子供が自分で考える可能性が高まる

放置するのは、心配事が無限に増えていくため、なかなか難しいと思います。また、「いつから放置するのか」という時期の見極めも、話を難しくしている一要因です。

高1でもまだ放置は危ないのか、中2ですでに放置しても大丈夫なのか、放置といってもどこまで手放すのか等、考えることがたくさん出てきます。


これらと比較すると、身の回りのあれこれに可能な限り介入し、口うるさく言う方が、親御さんの精神衛生上楽なのかもしれません。


実際に子供が親から放置され始めると、「自分で何とかしなければ」と考える可能性が高まります。追い込まれても親から何も言われないからです。


「何かあったら親が何とかしてくれる」という心理的安全性は非常に重要ですが、ありがたみを感じている場合とそうでない場合の差はとても大きいです。


当然ですが、何でもかんでも放置してしまうと、子供の行動が制限されたり、様々な部分に支障が出ます。特にお金周りのことは、親に頼るしかありません。

放置し過ぎると今度は「親は何もしてくれないから、何も話す必要はない」と考える可能性もあります。



放置によるリスクも当然ゼロではありません。

しかし、身の回りのことを自分で管理する機会を与えなければ、自己管理能力が育つことはありません。それ以上に、「あなたは自己管理ができないから、私がやってあげている」というメッセージとして受け取られてしまうことは、自己肯定感の低下につながるリスクがあります。


親子をサポートする立場として、少なくともこういったリスクを知った上で親御さんはお子様に介入する必要があると考えます。一概に「こうすればいい」という答えがない以上、各ご家庭ごとに、間に入る我々が対応を変えていきます。


「大きな失敗をするリスクを避けながら、自己管理能力を高める機会を増やす」ために、我々パラリアが存在します。

●まとめ:自己管理能力向上策
致命的な失敗をしないようなサポートをした上で、可能な限り放置すること

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