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お119話・女の子におんぶしてもらいたい男子~マフラーしまい髪女性におんぶしてもらった

 冬の女性の後ろ姿の風物詩としての「マフラーしまい髪」、マフラーで後ろ髪をくるんで寒そうに歩くあの光景には「かわいいっ」って萌えてしまう。女性におんぶしてもらいたいフェチのボクは、女性の後ろ姿フェチである。で、そんな光景を思い浮かべながら、重大なことに気づいてしまった。
「そういえば、ボクは、このマフラーしまい髪の女性のおんぶに乗ってないまま、もう2月を迎えてしまってて、急いで決行しないと冬が終ってしまう」
 思い立ったら、善は急げ、である。思い立った瞬間が運命の「時」でもある。そのときボクの横をスマホ見ながら歩いていたベージュ色コートに白系マフラーで茶髪の「マフラーしまい髪」の女性に声をかけてみた。身長158~160くらいだろうか。髪の毛目的にはちょうどよい。すると女性は「えっ、そうなんですか?」と、ちょっと笑いをこらえるような表情で返事をくれた。
「ボク実は、女性におんぶしてもらいたいフェチなんですよ。で、マフラーしまい髪の素敵な女性のおんぶに乗りたくて・・・、なので、ボクをおんぶしてください」
「えっ、女の私が、男のあなたをおんぶ? 逆じゃないですか」
「逆だから、萌えを感じるんですよ」
「おんぶで萌えを?」
「うん、おんぶで萌えなんです。では乗りますよ」と声をかけて、コート姿の上から、彼女の背中に飛び乗った。
「えっ、ホントに乗ってくるんですか・・」と言いながらも、両手でボクの両足をしっかりと持ってくれた。コートの上からなので、女性の身体との密着感には距離感があり、彼女の体温の感じ方の肌感触もイマイチだったが、ボクの目の前に、マフラーしまい髪の綺麗で整った茶髪がある。
 マフラーしまい髪は、ただ髪の上からマフラーを巻いてるだけではなく、女性としては考えた上でのファッションだ。そのため、マフラーしまい髪の中にも、ティモテ、ツィンテール、しだれ桜などのヘアースタイルがある。
 ボクが今回乗せてもらった女の子は、ティモテのさらさらヘアーで、触り心地は抜群だったので、ボクはおんぶの上からその茶髪ヘアーに、くんくんしながら口づけをしてしまったが、女性はおんぶで大変な力仕事状態なので、髪にキスされてることには気がまわらない。
「ちょっと歩いてみて」と頼むと、女性は歩き始めてくれた。いつものことながら、おんぶして歩いてくれる女性の一歩一歩の振動が、上に乗ってるボクには、たまらなく気持ちいい。この振動は、ベージュのコートがボクと彼女の間に挟まってても、びんびんに伝わってくる。
 しばらく歩いて女性は立ち止まったので、
「止まらないで。歩いてくれてる揺れと振動が気持ちいいんで。女性のおんぶに乗せてもらってるんだな、という幸せな実感が、歩いててくれたほうがびんびんに伝わってくるんですよ」と、ワガママな要求をするボク。
「乗ってるあなたには、わかないのかもしれないですけど、男の人をおんぶして歩くって、女性にとって、これ大変なことなんですよ」
「でも、いま気持よくなってるんで・・」
「自分が気持ちいいからって、女性にこんな重労働サービスをさせるなんて・・」
「アっ、すみません、降ります」
 ちょっと休んでからでいいんで、もう一度おんぶしてほしいんです。次はコートを脱いでおんぶしてほしいんです。マフラーしまい髪はそのままで。
「なんで、私が、知り合いでもない男に、そこまで要求されなきゃなんないのよ」
「おねがいします~」

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