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フランスのカルチャーショック#1ストライキ

こんにちは。ぱれすぅ〜です。
今回は、フランス滞在がもうすぐ3年目を迎える筆者のカルチャーショック第一弾、「ストライキ」について書こうと思います。


前置き

筆者ぱれすぅ〜は、誠に残念ながら、「政治や時事系のニュース」が苦手なナマケモノです。というのも、ニュースの入手経路がYoutubeか新聞社のアプリで、あまり覗かない傾向があるため(あと、フランス人の政治議論についていけないため…)。昨年日本のYahooニュースがヨーロッパから撤退したのもあり、思いのほか日本のニュースも手に入れづらくなってしまい…。最近では、フランス人の友達との会話で日仏のニュースを知る始末…。
なので今回書く内容は、ストライキと私の身の回りへの影響についてがテーマで、個人的ミニマルヒストリー語りとなります。

ストライキはパフォーマンス?

日本からフランスを見ている人にとって、フランスはどのような国に思われるでしょうか。
芸術の国でご飯が美味しいというイメージはひとまず置いておいて、やはり「フランス革命が起きた国」という激しい側面を思い浮かべる人も多いはず。

そう!
フランス人は「自由・平等・博愛」のトリコロール的な権利が成立していない現状や法案には激しく抵抗する国民性があるのです。だから、自分の権利を主張し、ストライキというムーブメントで上層部にはっきりと意思を表明する。

前々からストライキの文化が存在し続けていたフランス。
日本では戦後の学生運動が行われていた当時、フランスで1968年の5月革命があったことは有名な話。デモは規模を問わず定期的に街を巻き込んで行われてきました。

が、しかし!
これが近年、以前よりも過激な方へと歩み始めた、と現地のフランス人は答えていました。
というのも、2018年のGilets jaunes(黄色いベスト運動)以降、「ストライキは身体で大袈裟に体現してこそだ!」と考える人が若者を中心に増えたらしく、ただ行進して主張するだけでなく、「パフォーマンス」としてデモに参加する人が増えたようなんです。

そのため、定期的に行われる小さなストライキの参加者の中には、主張そのものよりもパフォーマーの姿を楽しんでいるような人もいるかもしれません。

ストライキは交通機関を巻き込んで、計画的に。

私がフランスに来て最も影響を受けて、かつ衝撃だったのは、公共交通機関のストライキのやり方。
フランス交通機関は日本のように民営ではないのですが、2023年4月現在の年金改革に対するストライキのような大規模なものから、地方管轄の交通機関の賃金底上げを求める小規模なものまで、多岐にわたるストライキに必ず関与します。そこでまず重要なのは、交通機関のストライキは基本予告制であり、時間帯や方面ごとに運行の有無を間引いて行われるということ。

例えば、私は郊外住みで交通手段はバスがメインなわけですが、

「○番線は午前中のみ運休。他の近くのバス停に行くか、他の番号のバスにお乗りください」
といったように、他の代替え手段の余地が残されていたり、

「来週月曜日は大々的なストライキがあります。電車は完全に止まりますが、メトロは運行数が減らされる予定です。詳しくは公共交通機関のホームページにて確認してください。」
といったように、1、2週間前から地元のニュースで報じられたりしています。

フランス人といえど、交通手段を予告なしに止められることは仕事に多大な影響を与えてしまいかねないので、あらかじめ情報を手に入れておいて、それにしたがって行動することが通例のようです。

ぱれすぅ〜はニュース難民ですが、周囲の友人との会話や交通アプリからストライキの所在を知り、その主題をググることが日課となりました。
交通機関のストライキは、国民全体の関心を寄せ続けるという意味でとても大きな影響力を持っているなぁ、と感じる日々です。

予告制ストライキ時は、高速道路の混雑が目に見えているから、テレワーク。

これはコロナ時の名残ですが、電車がストップした場合自動車移動が増えるため、テレワークをあらかじめ申請する場合も。
今回の年金改革は長期化し、電車が定期的に機能していないことが当たり前になりつつあります。そのため、車を持っている人は当初、お金がかかってでも車で通勤をしていましたが、最近ではテレワークに切り替えるパターンも。

学生間においても、同様の流れができています。
が、しかし!
学生にとってのストライキの影響は、、、

突飛なストライキ休暇。

そう。
大学はストライキ大好きな学生の溜まり場になりやすいため、閉鎖されがち。
今年は、授業や試験が次々にキャンセルされ、学生のスケジュールを追い込みまくっていました。
中には、前日ですらない、当日午前に一斉メールで大学閉鎖の連絡が来る日もありました。大学近くに住む学生はまだしも、電車でちょっと遠くから来ている学生にとってはちょっと虚しいような、、、。

とは、いえど今回のデモはちょっと怖い。

地方都市リールでも、火、木、土曜日はデモが起きやすい曜日なので、注意が必要で。(水曜と金曜はあんまりないです。日曜も休みだからやらない人が多いような、、、休みをこよなく愛すフランス人らしいw)
これまでの小規模のストライキでは、街の落書きやガラスが破られることはあまりなかったように思います。しかし、今回は警察がちゃんとバリケードを張った形跡が残っていたりと、若干ピリついているような場面も。
ぱれすぅ〜はデモ行進に参加しない派なので現場を目撃したわけではないですが、やはり感じるものがあります。

パリほどではないですが。
パリのゴミ問題の際街に行きましたが、大都市だからこその弊害を感じました。
リールでは、流石にゴミ収集のストはありませんでした。

それと、最近ではSNSを介して警察官がデモの人たちを力でねじ伏せる動画が流出して国民の反感を買うという場面も。
個人的には、そうでもしないと血迷った人は抑えれないよなぁと思いますが、フランス国民的には「暴力反対」という感情が先行するようです。火に油、、、。

もともとマクロン大統領はコロナ前に提示していた法案だったらしいですが、それがコロナが落ち着き大統領が「国民に嫌われても、再選の可能性はゼロだし、強気で通す」と無双化したことにより、再燃した問題。
国民としての「民主主義」正義もわかる、でも大統領が通したい意図もわかる。
うーん。
ここでは今回の年金改革に対する私の意見は詳しく言いませんが、私の一番の恐れは次の選挙時に極右派が当選すること。外国人の私にとっては、それが最も恐れる脅威なので、これを機にナショナリズムが強くならないかが心配です。

政治に対して国民が積極的に参加できるフランスはすごい!
だからこその弊害もある。
ストライキをなくすことはもはや不可能ですが、それに応じて生きる現地の人たちに私も早く溶け込みたいと思うと同時に、「どうか外国人の居場所が今まで通りあり続ける国でありますように」、と願うぱれすぅ〜でした。

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