ベンチ

あの頃の2人と再開
肘の着く距離感でベンチ
他愛もない話に没入してた

あれは枯葉が積もる季節
けれど見たところ暖かそうな2人
光に照らされて
枯葉とベンチ、俺とお前
それしか見えない

ふっと見た横顔が無邪気で
恥ずかしくなる
恋してない。
目線を戻せば、止まった音が
簡単に再開する

取り止めもなく
ずっと続く
無限への恐怖が
没入を覚ます
目線を戻して再開させる

繰り返す
それでいて何の不自由もない
幼い頃に見た
初めての動画を何度も
再生するように

そういえば音はなかったと思う
けれど時間はあった
時間は繰り返してた
今、遠景にゆっくりと
ホワイトアウトし

またいつか

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