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自分を見つめる絵画 『DIC河村記念美術館』

「上京して良かったことは何?」と聞かれた時には、「美術館が多いこと」と答えているぱりかんです。(#インテリぶる)

昨日、久々の美術館に行ってきました。

『DIC河村記念美術館』

千葉県佐倉市、都心から外れた場所にある美術館。自然豊かな環境の中で20世紀絵画を中心に様々な作品が展示されています。

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こちらの写真でもわかるように美しい美術館でした。東京の美術館はたくさん行ったけど、個人的には特に波長の合う場所でした。

全部書いていくと長くなりそうなので、個人的にピンときた作品を3つだけ紹介させていただこうと思います。

【注意】
*ぱりかんはアート素人です。
*館内写真NGのため、写真はHP等から拝借させていただきます。


▼ブリジットライリー「春の歌」

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船酔いの絵画とも呼ばれるこの作品。実物はずっと大きくて、見ると視界がこの作品で埋め尽くされます。そして、大きなキャンバスに描かれたこの絵を見ていると、不思議とそれが動いて見えます。

動いていないものでも動いて見えてしまう。

人は錯覚しやすい生き物で自分の都合の良いように世界を認識してしまうんだろな。だから、どんな悪い出来事も自分の解釈次第で良くできたりするんですね。


▼ジョゼフ・コーネル「無題(オウムと蝶の住まい)」

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実物は3次元の木箱です。

蝶は檻の中を自由に飛び回っている。それを2匹のオウムがじっと見つめている。それらを木箱の外から見つめる私。この関係性を考えていました。

「虫取りカゴいっぱいに捕まえた蝶々を見つめる子供の兄弟を見つめる親」が私の立ち位置なのかな。多分、蝶もオウムも自分たちがカゴの中にいることには気づいていないじゃないかな。・・・と思った時に自分もそうじゃないかなと思ったり。

自由に動けていると思っているだけで、実は社会の檻の中に閉じ込められていたりするんじゃないかなと思ったり。


▼マークロスコ「ロスコルーム」

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マークロスコの作品は、「瞑想する絵画」と呼ばれます。じっとそれを見つめていると、その作品の世界に入り込んで瞑想している状態に近い気持ちになるからだそうです。

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実物は巨大で、視界が全てマークロスコの作品になります。絵画は、どうしても作品と壁面の境目が気になって、現実世界と絵画世界を分け隔ててしまいます。でも、マークロスコの作品は四角い線(画像の明るい赤色)を入れることによって、作品の中心を見るように誘導されているような気がします。そして、見ているうちにある種の洗脳状態に陥り、その作品の世界に入ってしまいます。不思議な感覚。作品を見つめているようで、自分の心を見つめているような。


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アート作品はネットの検索一つで見れる世の中です。でも、その絵に乗ったインクの厚みだったり、視界がその作品だけになる感覚だったり、そういうホンモノは実際に見てみないとやっぱり分からないことが多いと思います。

アート作品は、普段考えないことを考えさせてくれる。

また行こうと思います。

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