先日、「ホテル・ムンバイ」という映画を観ました。内容は、インドにある超高級ホテル「タージマハル・ホテル」で2008年に起こったテロを題材にした実話に基づくストーリーです。

映画を見てもらえればわかるんですが、リアリティーがものすごいんです。相手が敵か味方か分からない状況で距離を詰めたり、ホテルの従業員を脅して従わない場合は容赦なく殺害したり、テロリストの中にも葛藤があったり、2008年の映画ということもあり、細かい描写が再現されています。

過去にもこういうテロを描いた映画は多数ありました。でも、この映画で特に印象的だったのは、「テロリストの心情が描かれている」ところにあります。

どうしてもテロリスト＝悪という描写が一般的ですが、この映画に登場するテロリストには家族もいて、信じる神（アッラー）がいて、同じイスラム教徒を殺害することに躊躇いがあって、完全に悪という感じがしません。むしろ、彼らなりの守るべき正義があるんだろうなという印象を受けます。そして、現実としてもそれがより近いんだろうなと思います。

完全に理解することはやっぱり難しいですが、テロリストが何を考えてテロを起こすのかを知れる映画なのかもしれません。