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COLLECTIVE レビュー #39 FTR 『THE RUMBLE FISH』(東京都)

千利休の「好きこそものの上手なれ」と言う言葉がすごく好きで、なにをやるにも好きっていう感情って大事にしてる。

改めて調べてみると「楽しんでやることによってうまくなるものであるということ、又は、あることに熟達するには、それを楽しめるようになることが肝要であるということ」とあって、あ、やっぱり好きだなと思った。
 
そんな自分も、特に学校に行ったり誰かに師事したりするわけでもなく、クリエイティブなことが「好き」というだけで、いまフリーランスのディレクターとして仕事をするまでにいたっている。眠い時とか疲れている時もあったけれど、それ以上にニヤニヤしたり、ワクワクしてる時間が長いのだろう。好きというエネルギーは信じた方がいい。うやむやにしない方がいい。ほかの人と比べて下げたりしない方がいい。


COLLECTIVE ZINE REVIEW #39
FTR「THE RUMBLE FISH」

ページをめくると作者のニヤニヤとワクワクが伝わってくる ZINE っていうのはいい。ニーズなんてなくても、意味なんかなくてもいいのだ。暗闇に放り投げるような感覚でも構わない。作ることに意義がある。作ったあとにそこから生まれてくる「何か」に期待してる。
 
「ベタ」という魚に魅せられて、ベタが好きすぎるあまりに、“自分だけ” が客のパーソナルなベタ専用水族館「FTR Tiny Aqua labo」を作ってしまった FTR さんによるベタ専用 ZINE がこの「THE RUMBLE FISH」。一見スタイリッシュなデザインに、偏愛とも言えるベタ愛がぎゅっと詰まっている。

熱帯魚としても人気のベタは、別名・闘魚=RUMBLE FISH(ランブルフィッシュ)。ベタ同士が向き合うと戦闘モードに突入するのだが、その際にこれでもかというくらい美しいヒレを広げ威嚇するのが特徴だ(モヤさまでやってたので知ってた)。

そんなベタが24匹、さまざまな角度から収録、紹介されているのがこの ZINE だ。まるで都会の真ん中のアクアリウムのカタログのようなクオリティに驚く。こんなにきれいに写真も撮れてデザインができれば、自分の好きなものを1冊にまとめた ZINE 作りたくなるよなーとも思った。

きっかけはホームセンターで見つけた1匹のベタ。その些細な出会いが ZINE にまで発展するのだから、すごいなと思う。そして、各ベタにつけられた QR コードは Instagram と紐づいていて、読み取ることでさらに詳しいベタ情報を入手することができる。ZINE と Instagram でインタラクティブに行き来できるのも今の ZINE のあり方の1つだと思う。

熱帯魚好きの人はもちろん、家で買うことができないけれど飾って癒されたいって言う人はぜひ、手に取ってみてください。金糸のミシンとじも GOOD です。


レビュー by 加藤 淳也


---- 以下 ZINE の詳細とそれぞれの街のこと ----

【 ZINE について 】
ベタという魚に惹かれ、どんどん写真が増えてきたので、一冊にまとめてみました。ベタという魚の魅力が広まれば良いなと思います。

タイトル『THE RUMBLE FISH』
価格:¥750(税込)
ページ数:12P
サイズ:B6

作家名:FTR(東京都大田区)
お客が自分だけの小さなベタ水族館。FTR Tiny Aqua labo を運営。写真が増えてきたので、一冊の ZINE にまとめてみました。とても綺麗なベタという魚をみなさんに知ってもらいたいです。
https://www.instagram.com/ftr_rholic

【 街の魅力 】
近所にスワンボートのある大きな池があります。野鳥がいっぱい。

【 街のオススメ 】
① ブックスタジオ(本屋)… シェア型の本屋さん。交代で店番をしてるみたい。隣の川にメチャメチャヒレの長い鯉がいてる。
② フラワーショップニコ(花屋)… ギターがいっぱいあるロックな花屋さん。ヒレ長鯉の捜査の際、有益な情報をもらえた。
③ Yohak(カフェ)… ザ・オシャレ

【 同じ街で活動するひと 】
Koji(イラストレーター)… 妻です。


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