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ON THE WAY TO PARK #015 『上野の片隅、ようこそ幻のビリヤニマウンテンへ』 (ハリマ ケバブ ビリヤニ)

上野のディープな方。JR 上野駅でいえば入谷口から出る、東上野というエリアがある。古くから韓国にルーツを持つ方のコミュニティが存在したり、現地仕様の中華料理(いわゆる“ガチ中華”)が食べられたり、多国籍な土地柄で一本裏通りに入ればかなり面白い。

さて、今回はそんな東上野にある知る人ぞ知る名店『ハリマ ケバブ ビリヤニ』を紹介する。その名の通り、ビリヤニが看板メニューのインド料理店なのだが、この強烈さと病みつきの旨さは他の追随を許さない。

決して新しい店ではないが、隅々まで清潔感ある店内は「街のインド料理店」というより「レストラン」と呼ぶにふさわしい佇まい。スタッフは全員インド出身の方で、白シャツにシチサンヘアと切り揃えられたヒゲでビシッとキメたウェイターさんたちがキビキビとサーブしてくれる。

東京の暮らしに溶け込んだインド料理店というよりも、現地の老舗レストランがそのままやってきたような風格。これだけでちょっとした異文化体験を味わえる。

極めつけはビリヤニのボリューム。少年漫画に出てくるようなうず高く積み上げられた山盛り具合は到着した時点でかなりテンションが上がること間違いなし。

果たして食べ切れるのか。胃もたれしそうな見た目だけれど、これが不思議と平らげてしまう。脂っこくなく、容赦なく効いたスパイスの刺激とパラパラしたバスマティライスがさっぱりとした爽快感すら感じさせる。食べごたえは充分なので、食後の満腹具合は凄まじいものがあるが、食べている間は全く苦しまない。

何よりもこの品のある味わいとスパイス使いは、一度食べてみる価値があるだろう。おすすめは、近隣のサウナで一汗かいてから向かうこと。

小綺麗でビギナーにも優しい寿湯や、予約困難の「サウナ界のSupreme」こと北欧など、名店が周囲にひしめいている。胃をすっからかんにして、もう一汗かいたら、最高なコースじゃないか。ちなみに私は、サウナが苦手なんだけど。

ハリマ ケバブ ビリヤニ
〒110-0015 東京都台東区東上野3丁目36−7

イラスト:あんずひつじ


ivy(アイビー)
東京・外神田を拠点に活動。編集・ライター。『ANTENNA』の編集部に在籍する他、カルチャー系の媒体を中心に執筆を手掛ける。あまり役に立たない本、後ろ向きな音楽、胡散臭いメガネ、ジジ臭い服、だらしない酒、意味のなさそうな旅、苦い珈琲を愛する。旅の目的地は、何もないけれど何かが起きる場所。
https://www.instagram.com/ivy.bayside

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