見出し画像

【遠藤奮戦記】植物愛が高まり過ぎて、実際に海外に見に行っちゃった話 ①

こんにちは!parkERsグリーンライフ室の遠藤です!
今回は遠藤奮戦記の第3弾として、「人生初!実際に熱帯雨林に植物を見に行った話」をお届けしたいと思います!

▼遠藤奮戦記とは?第1弾をご覧ください▼

憧れの熱帯雨林

僕は現在、仕事だけでなくプライベートでも多くの植物を育てています。

▼「遠藤ナーセリー」については第2弾をご覧ください▼

画像2

一言に植物といってもその姿かたちは千差万別。世界には様々な環境が存在し、植物が生育する環境によって独自の進化をしているからです。

そのため、もしある植物をうまく育てたいと思ったら、その植物が生えている環境を作って育てるのが最も効率的です。現在はインターネットなどの情報網を使えばその植物がどんな地域、環境に生えていて、周辺の気温や降水量がどれくらいなのかは簡単に調べることができます。

僕も初めて管理する植物は調べるようにしています!
 
しかし、調べているうちに僕の場合はふと思ってしまったんです。
「自然環境の中にこの植物ってどう生えていて、どう見えるのだろう?」って。笑

植物が生えている姿は写真で見れば分かりますが、その周囲にはどんな植物があってどんな森なのか見てみたい。植物が育つ環境を肌で感じたい!
そう思ってしまったら…やはり、それは原産地に行くことでしか、味わえないんですよね…

僕の場合は扱う植物が特に熱帯雨林のような環境のものが多かったのもあって必然的に熱帯雨林に憧れを持ち始めました。

とはいっても、海外に単身で乗り込んで…というような度胸はありません。
海外は治安、病気など様々な問題があるので、まず知っている人に付いて行って学ぼうと思いました。幸い自分は近い所に海外の山に行かれる方がいたのでその方についていくことからのスタートです!

初めての熱帯雨林 フィリピンのルソン島に到着!


人生初の熱帯雨林はフィリピンのルソン島に決定。フィリピン諸島の中でも一番大きな島であるルソン島は、成田空港から約5時間の場所にあります。

行程は6日間。うち2日が熱帯雨林散策になりました。
ワクワクしながらフィリピンに降り立ってはじめに思ったことは「すごい人…そして、蒸し暑い…」

画像3

それもそのはず。5月のフィリピンは乾季真っ只中で最高気温は30℃~35℃。日本の真夏です。これから山に向かうから少しは涼しくなるらしいけど…さすが熱帯って感じ。

画像5


そんなことを考えながら車にゆられること5時間。海外旅番組にありがちな移動時間を寝て過ごしていると、次に目を開けたときは空港到着時の混雑感とはうって変わって平凡な海外の田舎の風景。やっと海外に来た実感が湧いてきます!

画像5

今日はここで1泊。明日からは念願の山に向かいます。あまりに興奮しすぎてベットに入っても3時間くらい寝付けませんでした。笑

翌日、いよいよ熱帯雨林へ・・

さて翌日、宿から山までさらに3時間ほど車で移動しなければならないため、早朝5時頃に宿をでます。
山へ移動中は、日本のようなトンネルや、綺麗な道ではなく、山の周囲を切り崩して作ったとんでもないうねうね道を進みます。
道も舗装されたり、ときどき砂利道に戻ったり…、若干、昨日の寝不足の影響を受けて、車に酔いながらどんどん山を登っていきます。笑

画像6

その途中ところどころに集落があるのですが、山を切り崩したところに住んでいるのですぐ後ろは崖のような場所。すごいところで生活している人がいるんだなと感じざるを得ませんでした。
そんな集落も進んでいくうちに少なくなり、道も狭く傾斜が急な場所が増えてきます。
するといきなり視界が開け、その瞬間に車が止まります。

画像7

ん?ここ小高い山の上だし、あんまり熱帯雨林らしい大きな木なんてないよ?と思っていると…そこには目を疑う光景が。

「なに、これ…。」

初めての熱帯雨林は、驚きと感動の連続

画像8

目の前にあった木の幹には、いきなり「サプライズ!」と言わんばかりに巨大なアグラオモルファがお出迎え…葉だけで1m越え。あまりの大きさと木に巻き付くように生える姿に言葉を失いました。

あまりの興奮に立ち尽くしていると一行はどんどん山の中に。自分も焦って追いかけます。

すると段々背の高い木が増え、湿気の匂いが強くなっていきます。それにつられるかのようにますます上がる自分のボルテージ。

そして、ふと周囲を見渡した時に、実感しました。
「これが熱帯雨林…」

画像10

日差しは強いけど、木陰に入ると風が吹くと涼しく感じ、独特な土と湿気、植物の匂いが混ざり合う、日本では体験したことのない空間がそこには広がっていました。

画像10


木の幹には見たこともないほどふかふかのコケが生じ、幹が一回りも二回りも太く立派に見えます。しかも、上部に目をやれば多くの着生植物が根を絡め、鎮座。
まさに「神々しい」の言葉がぴったりの景色です。

それと同時に「今、あれだけ憧れた場所に立っている」という実感が湧いてきて、何とも言えない心持ちになっていきます。
しかし、そんな余韻に浸っている余裕はほとんどなく、さらに奥に。

個々の植物への感動!

歩いている最中、自分でも驚いたのですが、はじめのうちは日本の環境とあまりに違い過ぎて、空間全体にしか目がいきませんでした。
しかし、時間が経つにつれ、徐々に個々の植物に目が行くようになります。
するともうそこからは先ほどとは別の興奮の連続!

日本で、仕事で見てきた観葉植物が自然に生えているのです
しかも独特の雰囲気を醸し出して…

parkERsの空間で、植物を上から垂らす時よく使われる「エスキナンサス」。

画像17

parkERsの空間のエスキナンサス

通常は挿し木で増やされ、鉢に植えられ出荷するので、茎はまだ若く(直径2~3mm)緑色の状態で、長さも30cm程度、葉も水分が多くふっくらした様子です。
しかし、自生しているものは一味も二味も違います

画像11

熱帯雨林のエスキナンサス

茎は木化し、ゴツゴツとした印象で何しろ太い。太さ1cmに達する場所も…
さらに木にまとわりつき、付着根を張って成長し、長さも3~5mあるものもありました。葉も硬く締まっていて、光沢があり、厚手の椿の葉のようなとても美しく立派な印象です。

そして、壁面緑化でもよく使っている「シェフレラ」。

画像18

parkERsの空間のシェフレラ

画像12

熱帯雨林のシェフレラ

日本では通常、土に植えられているシェフレラですが、自生地では木の幹に着生して育っています
通常は土から水分や養分を吸収するのですが、こういった場所では幹に生えたコケの内部に根を下ろし、コケの腐植やそこに溜まる水を吸収して育っています。
そのため、根も幹の周りを包むように広がり、根の形も湾曲したりして天然の盆栽のようです。

さらに目が慣れてくると多種多様な蘭がいたるところに生えているのを発見!

画像13

着生蘭の魅力の1つが、何といってもこの

植えられたものは鉢内に根を伸ばすのであまり人目に触れることはありません。
しかし、自然界ではコケも生えていない木の幹に根を下ろし、ゆっくりゆっくり成長しながら大きな体を固定したり、水を得るために木の幹に根をまとわりつかせています

画像14

こんな姿日本ではなかなかお目にかかれません。
なかなか水分の得にくい場所だからこそ、進化の過程でバルブや葉、根に水分を蓄える機構が発達していったのかもしれませんね。

画像19

見たことないような巨大なシダ!

画像15

そして、日本でもお店でよく見かけるネペンテスたち。

今回の遠藤奮戦記では限られた写真しか出せていませんが、合計6時間ほどぶっ続けで山を歩きまわり、興奮と感動に包まれた1日目を終えました。

1日興奮し続けたせいで、宿に帰ってベットに入った瞬間、記憶が飛んだのは言うまでもありません。笑
初めての熱帯雨林を思う存分肌で感じ、楽しんだ1日目でした。

さて2日目はどんな環境、どんな植物たちに出会えるのでしょうか。
次号に続きます。乞うご期待。

* * *

この記事を書いた人

parkERs グリーンライフ室 遠藤寿紀

画像1

農学系の大学・大学院で学び、植物の知識・栽培技術の理解を深めていく。
趣味は、自作で作ったビニールハウスで洋ランなどの栽培とフットサル。
最近は海外に旅に出て植物の自生地を巡っています。