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【や"っ…これはとても面白い記事…】

発達障害の言葉が独り歩きしている現状に踏み込んだ記事です。
一読の価値あり。
記事を振り返ってみます。


認知が広がるということ

発達障害という言葉が知られるのは、大変喜ばしいことです。
なぜなら、本当に支援が必要な人をいち早く見つけることができるため。

発達障害は「治療」というよりは「生き方の工夫」に着目するものです。
生き方の工夫とは、ようは自転車の乗り方をマスターするのと同じ。
本人の練習と、スキルを教えてくれる人が必要です。

発達障害であると早めにわかればわかるほど、その練習をスタートするタイミングも早まります。


なぜ「独り歩き」になるのか

発達障害の過剰診断が問題であると、記事は言っています。
ようするに、発達障害という言葉が誤って用いられている現状があるということ。

なぜそんなことになってしまうのか。

●発達障害をよく知らない医師が、患者の話すことをすべてうのみにして誤診してしまう

●発達障害の症状は、表面上の症状だけ見ると他の疾患と似ていることが多い

精神科で取り扱う特性や症状の発見には、お医者さんの鋭い洞察力が重要。
それは専門性であったり、そのお医者さん自身のスキルだったりが関係してくると思います。
発達障害は他の疾患と似ている特性も多いため、それらが欠けることで誤診を招きやすいということなのでしょう。



独り歩きの例を記事から
パーソナリティ障害と
発達障害の混同

パーソナリティ障害に関して、冒頭の医師は興味深い分類をして説明してくれています。

A)変わり者タイプ
 奇異な考えにとらわれたり、ひきこもりがちになったりする。
B)巻き込みタイプ
 自己像が不安定で、周囲の人を振り回す。
C)マイナス思考タイプ
 不安感や恐怖感にとらわれやすく、周囲の目を気にし、自己評価を低下させやすい。
加藤進昌先生

これは、非常にわかりやすいんですよッ。目からウロコです。
専門的な言葉となると「統合失調症型パーソナリティ障害」だの「境界性パーソナリティ障害」だのと、どんな症状を表しているのか一見してわからない名前が並ぶのです。
ぱっと見て、どんな傾向のパーソナリティ障害なのかがよくわかる面白い分類だと思いました。

閑話休題。
記事では、A)B)が自閉症スペクトラム症と似ていると話しています。
他人に対して無関心、感情表現が乏しいなどの様子が、似ているのです。
それが過剰診断の要因になりうるというハナシ。

しかしながら、パーソナリティ障害は育つ課程の中で身につくもの(後天的)ですが、発達障害は生まれつき(先天的)であるもの。
ですので、発達障害であれば、後天性を裏付けるエピソードが無く、場面によって態度が変わるなどの変化もありません。一定して、特性を持ち続けます。


発達障害の考え方
~ひきこもりを例に~

ひきこもりの背景を知らないと、ただ「気の毒」で済ませてしまう。
ひきこもりの背景を見定めなければならないという話。

冒頭の医師の印象では、ひきこもりの人はこのような割合であるとのこと。

A)1/3:障害や病気と無関係
B)1/3:社交不安症の人
C)1/3:統合失調症やうつ病、発達障害など
加藤進昌先生

A)B)は「本当はひきこもりたくない」と思っています。
意味合いとしては「いやいやひきこもるタイプ」。

一方、C)は「好んでひきこもっているタイプ」。
この場合、社会に出たいとも、様々な人と触れ合いたいとも思っていません。

ひきこもりにも様々な背景がありますから、通り一遍に「発達障害だ」とは言えないということです。

なるほどー。確かに、現場にいると、この違いはよく分かります。
つまり、現象だけをみて「気の毒だわー」ではなく、どんな背景や理由があるのかを見極めなければならないということですね。

学びになります。


さいご

個人的には、発達障害と感情障害もオーバーラップする印象を持っているのですが、そんな研究や見解を示している人はいないのでしょうか。
個人的に関心が強いテーマです。

発達障害の過剰診断だとか、言葉の独り歩きだとか、ワタシも日々感じていたことをお医者さんがバシっと記事にしてくれたことに感激し(笑、noteと相成りました。
一つの学びとしていただけますとうれしいです。
この記事、オススメです^^



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