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『中国語四字成語・慣用表現800』が神教材だった件

ティンシエ界の神、なかむらさんから「この教材いいよ🤤」と言われて取り組んだのが『中国語四字成語・慣用表現800』です。

1ページ目を見ただけで、神教材確定だったので、会話パートについてはすべて暗唱するように勉強してみました。それが効果絶大。おかげさまで、会話のなかで「あ、この場面、あの表現使える!」と連想が働きやすくなり成語や俗語を会話で差し込める機会が格段と増えました

今回は、この教材(以下、「成語800」と表記)が如何に素晴らしいか如何に鬼畜なのかについて紹介してみようと思います。

さきに伝えたいのは、これはただの「成語を覚えましょう!」の教材ではなく、「成語はこういう場面で、こういう表現と共に使う!」ということがよくわかる教材です。個人的には成語以外の表現について、非常に勉強になりました。

※以下の内容は、唐ちゃん個人の感想です。仅供参考。

『中国語四字成語・慣用表現800』の基礎情報

新装版 中国語四字成語・慣用表現800

 四字成語や慣用表現を学ぶことで中国語の表現力が豊かになり、会話の幅が広がり文化に対する理解が一層深まる。洋の東西を問わず、それぞれの国には、人々の生活に根ざした知恵や歴史、文化が集約された熟語があります。中国語のいわゆる熟語とは、「四字成語」「慣用表現」のほか、「ことわざ」および「しゃれ言葉」を指します。歴史や伝統を重んじる中国人はあいさつから説教まで、日常の至るところで熟語を使用します。

 本書では常用される熟語をとりあげて、和訳と直訳を含めて解説しています。またよく使われる重要な表現には「類似表現」「反対表現」「参考表現」をつけ、800の四字成語・慣用表現・ことわざを相互に関連させて掲載しました。熟語を学習することにより、中国語の表現力がより豊かになって会話の幅が広がり、それによって中国の生活習慣や文化に対する理解も一層深まります。

三修社 著書紹介ページより ( https://www.sanshusha.co.jp/np/isbn/9784384048520/ )

購入に際しては、ソフトカバ―版、電子版が選択できます

Amazonでは、2024年1月1日現在、ソフトカバー版が2,420円、電子書籍版が1,870円となっています。

成語800 の購入オプション

私は電子版を購入しました。個人的に論文や学習教材は電子版でないと読み込めない人間ではあったのですが、なかむらさんのお勧めを聞いて、電子版を選択。結果としては大正解でした。なぜなら、気になった表現をスクショしてためておき、機会を見つけてネイティブに質問するというのがやりやすいからです。そもそも、ながーい文章はないので、電子版でも苦なく学習することができる教材でした。

文章の長さの話が出たので内容構成も紹介しておきます。目次は以下の通りです。

パート1 会話で覚えよう-動物編
パート2 会話で覚えよう-数字編
パート3 会話で覚えよう-その他
パート4 用例で覚えよう-慣用表現・ことわざ
パート5 用例で覚えよう-四字成語
パート6 中国語と日本語の類似表現

このパート1から、パート3までが会話式になっていて、登場人物二人(基本男女、たまに同性)が1,2文ずつ発言する形になっています。そして、そこに成語や俗語が詰め込まれているイメージです。

以下は、Amazonの商品紹介ページにある画像です。(怒られたら消します。)

成語 800 Amazon紹介画像 ( https://www.amazon.co.jp/gp/product/4384048521 )

ご覧の通り、下に会話があって、男女で会話が進んでいるのが分かります。この会話に、上の新出語彙・成語・俗語がこれでもかと詰め込まれています。あとで語りますが、これが一つのいいところです。【密度が高く学習効率が高い】

『中国語四字成語・慣用表現800』の対象レベル

じゃあ、この成語800の対象となる学習レベルはどの程度かと言われると、学習スタイルによって異なるというのが個人的な見解です。

ただ先に言えるのは「中検一級を目指す人や合格した人でも恐らくめちゃくちゃ楽しめる神教材」「最低限、HSK5級圏内レベルは必要」ということです。

超個人的な見解を以下に示します。

自学自習(単に暗記するレベル):HSK5級高得点以上
自学自習(しゃぶりつくすレベル):中検準1級合格圏内以上
先生と学ぶ:HSK5級合格圏内レベル以上

なかむらさんやそのほか中国語沼の人とえぐい表現を共有しながら「これは自分じゃ言えない」「ムズイ」の意見が交わされてますので、個人的な見解はこのあたりかなと思っています。というのも、えぐいのは新出単語の部分ではなく、そのほかの「可」「就」「别」や文法構造に潜みまくってるからです。ここら辺の「語感」がないと、「あれ?この言い方なんか変な感じするな?」という「気づき」が起きず、高い学習効果が得られにくいのではないかなと思っています。

で、改めて教材の表紙を見ると「中検準1級・2級対応」と書いてありますが、「2級対応」であって、独学でやるなら「2級向け」ではない気しかしません。例えば、商品ページ紹介画像にある最後の文「这样才不会成了书呆子」。これを見たときに、違和感を持たず、「成了のこの【了】、これねぇ(笑)」と思える人は、すごくピッタリな教材かなと思います。(もちろん、単純に中国語表現を楽しむ用途なら全く問題ないですよ!学習効率の視点からはそう思いました。)

では、いいところを紹介したいと思います。

『中国語四字成語・慣用表現800』のいいところ

いいところは山のようにあるのですが、大きく分けると以下の四つかなと思います。

  • 【密度が高く学習効率が高い】

  • 【豊富な中国語表現に触れられる】

  • 【喧嘩口調が学べる】

  • 【いい訳が多い】

以下ではそれぞれについて簡単に紹介したいと思います。

【密度が高く学習効率が高い】

これはもう最初に画像と共にお示しした通りです。

短い文の連なりでありながら、たくさんの要素が詰め込まれています。

ネイティブ監修で、自然さもある程度確保されているのもポイントです。

なので、暗唱に最適の教材だと思っています

例えば、画像の例の三文目「别看我平时漫不经心的」という表現に注目します。

新出で教科書側が注意して教えたい語としては、「漫不经心」なわけですが、それ以外にも「别看我平时~」という表現、そして「的」で状態を作る文法まで含まれているわけですね。

これは序の口ですが、本編ではもっと密度の高い表現、文が連なっていくのが本教材の特徴です。学習者の口から出てきにくい表現が多く収録されているので、暗唱すればするだけ、レパートリーが増えていくような教材だなと個人的に思っています。

【豊富な中国語表現に触れられる】

1会話で完結するので、会話ごとに場面・展開・登場人物が変わります。これによって、より幅広い環境に応じた表現を身に着けることができます。さらに、毎回異なる場面なので、「次はどんな場面なんだろう」とワクワクしながら教材を進めることができます

よって、ティンシエとしても非常に優秀な教材だと思います。というのも、テストのときのように、文脈情報ない状態で取り組めるからです。これはドラマやアニメを見て勉強しているだけでは身に着きにくい能力かなと勝手に思っています。テスト特有の「その場でその状況を察知・類推しないといけない力」が鍛えられる気がする。私が一番苦手なところです……。

それで、場面も勿論なんですが、特に学べる文法表現が2つありまして、それが「可」と「看」。

中国語学習者、特に中上級以上の方ならわかると思うのですが、この「可」「看」の使いどころが悩ましい。「使えたらいいけどなかなか語感が育ってないな」そんな人も多いのではないでしょうか。

成語800 では様々な文脈用法で「可」「看」がたくさん使用されているので、「可」「看」の語感を鍛えるのに、めちゃめちゃいい教材となっています。

さっそく第一課でも「可」「看」が使用されてますね(笑)

「学习 “” 不能」「别~」と。こういう表現、パッと言えます……?(これはまだ序の口)

【喧嘩口調が学べる】

色んな場面があるとお伝えしましたが、喧嘩口調のスキットが多く、日本人が想像するステレオタイプの中国人(なんか怒ってる人多い)に関する表現が学べる教材でもあります(笑)

成語を使う関係で説教がましい課が少し多くなってしまうのでしょうか。それとも、著者の意図でしょうか。そこは少しわかりませんが。

いずれにせよ、他の教材ではなかなか目にかかれない、喧嘩腰で使える表現が色々と勉強できるのが成語800の良いところの一つです。

怒られたら消しますが、極端な例を一個紹介しておきます。

「你可不能睁着眼睛说瞎话」(でたらめではないでしょうね)

こんな例がありました(笑) (ここにも「可」がいますね🤤)

※こんな語気が強すぎるものもしれっと含まれているから、ある程度語感が必要なんじゃないかなと考えています。これがHSK5級合格圏内以上と考えた理由の一つ。

【いい訳が多い】

最後のいいところとしては、いい訳が多いところです。

第一課の会話文でも、それがよくわかると思います。

「学习可不能打马虎眼」に対して、「小手先の勉強はいけないよ」と。本来「打马虎眼」は「いい加減にすませる」といった意味ですが、このように訳し出されているから、録音を聞いて中国語で内容理解したあとに日本語訳を見ると「はーーーなるほど」となります。勉強になります。

もちろん、字数制限の条件のせい等で「これはどうなんだろう」という訳もあるのですが、基本的にはきれいな訳が多くて、中日翻訳の観点でも勉強になるところが多い教材です。

『中国語四字成語・慣用表現800』の鬼畜なところ

これまでの例でだいぶ鬼畜さが分かったかなと思います。

新出単語だけでなく、それ以外の文法項目、しかも多くの教科書に明記されない語感が試されるような項目が多く、詰め込まれています。

その密度の高さは良いところでもあり、悪いところでもあるわけです。

さらにここで注記しておきたい面白ポイントは、「解説してほしい観点がずれていることが多い」というところ

ネイティブが監修しているからか、学習者が欲しい解説が載っていないことが多いです。解説部分は、画像の下側のみですから、解説が欲しい自学自習の人はここに頼るしか手立てがない状態です。

例えば、第一課なら、読めば分かる注釈1や2の解説よりも、「可不能」「成了」の解説をしてほしいと思っている学習者のほうが多い気がします。それがされていない。

このような解説ポイントのずれが往々にして存在するため、ある程度の中国語能力が必要とされます。(第一課は相当マシなほう)

それで、「そんなこと知っとるわwww」っていう解説も載ってたりして、それが成語800の面白さ、鬼畜さだと思っています。かなり好きなポイントです。

例えば、色んな難しい文法・表現が載っていて、解説欄が限られているのに「"如果"は仮定文に用いる接続詞で……」とHSK2,3級の文法解説がつづいたりします。大事であることは分かるけど、たぶんこれを買う学習者はその解説は求めていない……と思ったり。

『中国語四字成語・慣用表現800』の微妙なところ

➀解説のポイントがずれている時がある

第一課の解説

前項で示した通り解説ポイントが微妙なのが最初のポイントです。

なので、相応な語学能力が必要になるというわけですね。

②たまーに文に違和感があるときがある。

「ん?さすがに変じゃない?」ってところをネイティブに聞くと、「あー、これは言えるけど、もっと自然な言い方がある」となるときがたまにあります。(もちろん、「めっちゃ自然だよ」と言われて撃沈するときも(笑))

「言えるけど、もっと自然な言い方がある。」って考えは、私も教材編集しているのでわかるのですが、実は大切な観点だったりします。発音にも表現にも「より最適なもの」ってのがあって、それを知ることが利用することが「自然さ」に繋がったりすると思っています。なので、ここは「違和感を持てるだけの能力」「違和感を持った文を質問できる環境」が必要になってくる気がします。(後者については、Hello Talkでも実現できそうですね)

なので、それなりの語感が必要だとたびたび明記しております。

※私の場合はそれぞれを一つのレパートリーとして取り込めるように暗唱を頑張りました。

③音声が最高のクオリティではない

もう一つ注記しておかないといけないのは、「発音」です。(以下は特に、HSK5級前後の方へ向けてのアドバイスになります。)

聞いた感じ心地よくて、いい感じに聞こえるのですが、一部の音声が微妙だったりします。ほんの一部です。(俺でなきゃ見逃しちゃうね)

持っている方は、ぜひ72課の音声を聞いてみてください。

ここでは「得意忘形 dé yì wàng xíng」が使われていますが、女性の発音は微妙で「dé yí wàng xíng」と発音されています。

この点について、播音主持を専攻した中国語ネイティブの方に尋ねてみたら、やはり「她那个播音员本身就有点儿不标准,我感觉」とのことでした。

ほかにも、「ポーン」という鐘の合図がない回が有ったり、男性同士の会話で声が似すぎて(同じ人?!)聞き取りにくかったりする回もあったりして。音声に関しては最高のクオリティと言うわけではないようで、少し注意が必要です。

とはいっても、ほとんどは心地よいネイティブサウンドですし、いずれの場合もネイティブの発音であることに変わりはないので、良い練習になると思います。学習者感想ですが、感情表現もすごく上手なナレーションだと思っています。大好きです。

④パート4以降は会話形式ではなく、音声もない。

客観的に一番微妙なポイントはここでしょうか。

パート4以降はいわゆるキクタン式になっていて、成語とそれを使った単文で形成されています。つまり、文脈で覚えるってのが難しくなっていきます。

さらに、音声もないので、自力で覚えていくことになります。なので、私は4以降のパートの暗唱は、効率が悪すぎると思ってやめました。

『中国語四字成語・慣用表現800』を使ったお勧めの学習法

これはもう、なかむらさんの方法をまず参照ください。

私のお勧めの学習法は、つまり成語800の暗唱方法は、

➀まず、本書を開かない!
②音声を順に聞いて、会話を一発で聞き取る(努力をする)
③連続再生させながら、すべて手書きでディクテーションする。
④本書を観て答え合わせをする。
⑤なるべく大きな塊(1文等)で暗唱する。覚えられないところは、何度も手書きする。
⑥音声を聞きながら完全模倣する。
⑦音声なしで物まねできるかチェックする。
⑧次の日、まだ覚えているか暗唱してチェックする。覚えていなかったところを書き留めておく。
⑨1週間に一度、これまで暗唱した内容をすべて暗唱する。

こんな感じです。一回はだいたい30分ぐらいで終わるので、寝る前にやるのが個人的にぴったりでした。(暗記もしやすいし)

それで、さぼりながらでも1日1個を目安にやればいいので、3か月ぐらいあれば会話パートはすべて暗唱できます。(全75会話)

やってみると意外といけます。毎日前回分のチェックと、週一で総復習すれば意外と忘れずに残っているものです。

それで、最高なのは、場面をベースにして暗唱しているから、「この場面はこれ使える!」っていう連想が現実世界でも起きやすくなることです!

且つ、「真是」とか「这不是~」とか「俗话说~」とか、成語や俗語を言いたいタイミング、聞かせたいタイミングで、トリガーとなる表現まで自然と口から出てきてくれるようになるのが最高ポイントです。暗唱しちゃってるから、かたまりで使えるってわけですね。本当にいいです。

成語800のまとめ

  • 中検準1から中検1級の対策、そのほか成語俗語、口語表現の拡充のために最高の教材。

  • 暗唱すればするほど会話力向上が実感できる教材。

  • 成語以外の表現にこそ面白さと鬼畜さが詰め込まれている教材。

  • 中上級学習者の語感を刺激してくれる神教材。

少しでも気になった方は、ぜひ本屋さんなどで見てみてください(^^)/


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