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「プロダクト思考」をメディアに当てはめてみると一体どうなるか妄想してみる

昨日の雷雨、上がったところで所用に出かけたら、見事にまた降り出して、傘を持たずに出てもんにょりとした気分に。作業もなかなかはかどらなかったし、お仕事のやり方を少し変えるタイミングなのかもしれない。

ところで。以前の記事で「もはや紙かネットかという議論も色あせている」「全てがデータ」と書いたのだけど。

イギリスのジャーナリスト向けサービス『Journalism.co.uk』が、「ジャーナリストはもっとプロダクト思考を知るべき」というコラムを出して、首がもげそうになるくらい同意するしかなかったので、ここでざざっとメモがわりに記しておく。

著者のキャサリン・エドワーズ氏によると、「プロダクト思考という概念は全てのニュースルームで受け入れられているわけではない」といい、「編集チームが外部サービスを利用することについて、ジャーナリズムの目標から外れることを懸念しているきらいがある」と皮肉めいた一文を入れている。
さらに、彼女は「プロダクトはニュースそのものではなく、ニュースが配信される方法」だと定義。ニュースレター(メール)やポッドキャスト、ニュースアプリ、メンバーシッププログラム(有料サービス)などが当てはまるとしている。その上で、ユーザーファーストとしてUXの向上の必要性を論じて、テクノロジー・ビジネス・編集チームが共通の目標に進むことで最高のパフォーマンスを発揮できるとしている。

さらに、「記者・編集者(このコラムではWorkerという言葉を使っている)が過大評価されることが多い業界で変化をもたらすのは困難」として、部内でのプロダクト思考の定着のために、テックにまつわる知識と分析スキル、コミュニケーション能力と合わせて「好奇心」がキーとなると締めくくっている。

超ざっくりなプロダクト思考に当てはめてみて、ほぼ全てのメディアにとっての課題は、ユーザーが「時間に制約がある」「知りたい情報が見つからない」の二点が大きいことになるだろう。後者については別の機会に考えてみるとして、ユーザーの可処分時間の中でコンテンツをいかにスマートに届けることができるか、といった事を求めていくとすると、最適解は「テキストでも、音声でも、動画でもアクセスできるようなUXにする」ということになると思われる。

となると、ニュースの記事そのものに関してはコンテンツというよりも「データ」と捉えるべきで、そのデータを元に紙でもWebでも流通させ、さらにはポッドキャストや動画でも配信するというのが望ましいだろう。一点突破・全面展開は正義!
一時期、プレスリリースから記事化をするのをAIで自動化するという試みがなされてきたが、個人的にはテキストや画像からの音声化や動画制作が簡略化できるような開発がなされると「ラクできていいな〜」と思うことがある。まぁ、音声に関しては各種読み上げサービスを利用すればいいし、動画に関してもマクロを組んでなんとかなりそうな気がする。

さらにいうならば、音声や動画の「データ」を作ることが簡略化できれば、YouTubeの生配信でニュース記事をずーっと流しっぱなしにしつつ、時に編集部の番組を挟むみたいなチャンネルを作るとか、コアワークスペースにポッドキャストを流すソリューションを開発するとか、さまざまな「手」が増えることになる。となると「紙」「ネット」「音声」「動画」といった括りに囚われることなく、「伝える」という目的が果たせるのではないか、と妄想しているのだけど、実際に手足を動かしてやってみないことには何とも言えないな…というところに行き着いてしまう。

自分では「好奇心」というところだけは不足はないと自負しているので、関連書籍を探して少しずつ読み進める事で概念的なところだけでなく勉強している最中。器用貧乏かもと思わないでもないけれど、新しいことに触れるのは楽しいしね!

まだまだ作業が残っているし、次の本に取り掛かりたいのでこの辺で!

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