見出し画像

7日間ブックカバーチャレンジ 1日目

読書と出版の文化を支援するため、好きな本の表紙を7日間アップする取り組み。

尊敬する 星野リゾートの菊池昌枝姉さんと、ワインもですが人にも注目している奥出雲ワイナリーの 斎藤聡 さんからの「この人の好きな本を知りたい」というバトンを受け取ったので。こういうことがないとあらたまって書くことないかとも思うので少しコメントしながらアップしていきます。冊数制限なさそうなので2冊とかになる日もあるかも。

どなたかにバトンをと思いましたが知りたいなと思う方々がこういった状況でお忙しい方だったり仲のいい人はどちらかといえば大きく逸脱しそうな方だったりするので次の方の指名は差し控えます。

画像1

治療文化論 中井久夫 岩波現代文庫

ある程度の年齢になってジャンル関係なく本を探して読むようになったきっかけといえばこれと林達夫の「思想のドラマトゥルギー」(平凡社ライブラリー)、由良君美の「椿説泰西浪漫派文学談義」(平凡社ライブラリー、当時は青土社)だと思う。
どれも高校を卒業してホテルの宴会の配膳で働いていた頃(1990年前後)に読んだのが最初。
治療文化論を最初に読んだのは岩波同時代ライブラリー版で、平凡社ライブラリーなどが刊行されはじめた頃でちくま学芸文庫は少しあとだったはず。
今では当たり前になっていますが改訂再刊や書下ろし、翻訳などを含む多彩なラインナップで新書よりも濃い内容で興味深い本が多くはじめて触れるジャンルのものもけっこうありました。

中井久夫さんの治療文化論は一冊の中でも数々の印象的なエピソードがあり広い視点からの眺めとともに微視的な観点からの緻密な論理は学ぶ事が多いです。さまざまな文化を多角的に考察する事で人や社会の理解をより深める事が出来るんだと教えてくれます。

今のタイミングで読むなら「分裂病と人類」の方が良いのかもしれない。二宮尊徳の章の「世直し」と「立て直し」の分析はとくに。
中井さんは他の本にも出てくるダムの例えや微分回路や積分回路、動摩擦抵抗と静止摩擦抵抗など比喩表現としての言葉使いの的確さと視点のユニークさなど何回読んでも発見がある。

余談ですが中井さんの一般向けの講演など過去に何度か申し込んだことがあるんですがその都度、風水害だったり、体調不良などで中止になり、結局一度も聞いたことがなくそういうご縁なんだろうなと思っていたりします。

#7days #7bookcovers
#bookcoverchallenge

自然派ワインとお好み焼きパセミヤ Pasania店主。某店ワインペアリングのアドバイザー、たまに専門学校の社会人向け開業支援クラスの講師も。ご予約、取材依頼、講師などのお仕事の依頼お待ちしております。