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Cohanaが伝える地場産業の底力と可能性

”小さくて可愛いもの”は、この世の中にたくさんありますが、日本に古くから伝わる伝統工芸や地域の産業にこだわった、ハンドメイドにまつわる道具の数々。Cohanaと名付けられ、多くのハンドメイド好き、雑貨好きの心を虜にしているのを、ご存じでしょうか?


私がCohanaを知ることになったのは、Web サイトがきっかけ。イメージを統一して華美なものは排除し、できるだけシンプルにその魅力を伝えたいという思いが表れている美しいサイトを読み込んでいきました。「実際にどんな商品なのかこの目で見たい」と、日本橋室町にある直営ショップをお訪ねしたのは、立春にはまだ日がある、1月のある日のこと──。
https://cohana.style/

老舗蕎麦屋の名店「砂場」が真向かいという立地にあり、小さいながらドアを開けて店内に入り、中の商品を見て回りたいという気持ちにかられます。

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「庄三郎 伊賀くみひもの糸切ばさみ」「波佐見焼のマグネットスプール」「こけしの針入れ」。聞けば、それぞれに得意分野を持つ地場産業がコラボレーションして、一つ一つの商品になっているとか。「Cohanaはほぼすべてのパーツが国内で作られていて、Made in Japanを特徴の一つにしています」と、株式会社KAWAGUCHIの河口慶二郎さん。毎年4月下旬に東京ビッグサイトで行われている”日本ホビーショー”でも常連の出展企業ですが、創業は1953年という老舗手芸メーカー。数々のヒット商品を生み出していますが、現社長の河口慶二郎さんが社業を引き継いだのは2012年。「私が社長になって最初に手掛けたのは,KAWAGUCHIブランドのリニューアルでした。その間新商品がストップしていて、なにか新しい事業を手掛けたいと考えていた時期でした。スタッフに企画を募ったところ、今のCohanaにつながるものがいくつか出てきたんです」商品企画から商品名、パッケージデザインまですべて内製し、3名のスタッフがCohana専属。色選びにもこだわり、日本の伝統色5色を基本にしているとか。

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どうせ始めるなら、今までの手芸用品の枠を超え、インテリアやギフトの中に入っても違和感のないもの──。販売ルートも新しい道を模索したかったという河口さん。聞けばマーケティングや経営を学ぶために中小企業診断士の資格を取ったり、インターネットビジネスのことを深く正確に知りたくてデジタルハリウッド大学大学院で2年間学んだり。卒業後は数年間、客員教授として、EC事業の講義をしていたこともあったとか。

商品を端的に表すネーミングやコンセプトを決めるまでに、とにかく時間をかけたといいますが「Cohanaというネーミングは古事記に出てくるお姫さまの”木花咲耶姫”(このはなさくやひめ)からとっています。たまたま出張中に古事記を読んでいて、このお話がとてもよかったので、ここからとったんです。富士山の麓の富士宮神社に祭られているお姫さまなんですが、ここまで訪ねてご祈祷をあげてもらいました」──。河口さんの思いが伝わってくるお話です。

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「2019年11月の決算でもCohanaは大いに貢献してくれましたが、たくさん売れることよりも、強いブランドとして独り立ちしていってほしい」それぞれが得意分野をもつ少数精鋭のチームによって生まれる商品には、日本が失いたくない技術と感性が映し出されています。そしてインターネットビジネスやマーケティングの手法を駆使して、海外からのお客さまのリクエストにもしっかりと応えられる仕組みづくり。
Cohanaから届く春の新商品便りが、待ち遠しくなりました。

Cohanaオンラインストア
https://shop.cohana.style/

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