詐欺に途中まで引っかかってみた話
ジモティーでバイクを出品していたらクソ怪しいメッセージが飛んできた。gmailのアドレスを提示してきて、そこでやり取りしようと言う。
99.99%詐欺だと思いつつ、詐欺がどんな感じで進行していくのか興味があったため被験体になってみた。
gmailのアドレスに返信すると、怪しい日本語で以下のようなメッセージが届いた。
私はアメリカ在住で、軍事施設の教官だ
あなたが出品しているバイクは安いので欲しいと思った
軍事施設では私的なやりとりが制限されているのでメールでやりとりしたかった
友達にバイクを退官祝に贈りたい
配送業者(調べたら本当に存在してた)を手配するので、アメリカまで配送してほしい
最後の配送に関する話で詐欺だと確信しつつあったがさらにやりとりを続けてみた。「お前は全然信用できないから詐欺師じゃない証拠を見せろ」というような内容で返信してみた。するとLINEに誘導してきたため(この時点で普通海外ではLINE使わねぇだろという疑念が生まれる)「お前俺の質問に答えてねぇから取引なんてできねぇよアホ」と返信。すると日本での取引が「初めて」(重要)だと言って情に訴えかけてきた。クソ怪しいと思いつつLINEのQRを提示してやり取りを続けてみた。
LINE内では以下のようなやり取りをした。
あなたは本当にこのバイクの持ち主なのか? -> 標識証明書と傾けて一部を指で隠した免許証(複製防止のため)を送ってみた
あなたを信用する。銀行口座を教えて-> 口座番号だけ知ったところで大丈夫だろと判断し送ってみた
ここで口座番号を教えると、送金したよというメッセージに続いて次のようなメッセージが送られてきた。
「送金は完了したが、アメリカに配送するための業者に配送料を10万払ってくれないとあなたの口座への入金が完了しない。送られたメールを確認して送料を払ってくれ」
この時点で99.999999999999999999999%詐欺が確定しているようなものなのだが(詐欺師はとにかく先に相手に金を出させてトンズラするのが目的なため)以下のようなメッセージを送って続けてみた。
「メールは複数届いたが、そのメールが本当に銀行からのものであることを確認しなければならない。私はあなたが送料という名目で金を騙し取ろうとしているのではないかと疑っている。少し待ってくれ。」
すると、相手はかなり怒っているような調子で以下のようなメッセージを送ってきた。
「私は過去横浜で数回同じ方法で取引をしたことがある。詐欺師だなんて心外だ。二度とそんなことを言うな。」
と情に訴えかけてきた。一瞬騙されそうになってしまうような文章だ。
ここで先程の情報と照らし合わせると、相手は日本での取引は「初めて」であると言っていたことと矛盾する。99.999999999999999999999999999999999999999999%詐欺なのだが、さらなる証拠を突きつけて相手にダメージを与えたかったのでメールアドレスを調査してみた。するとやはり偽物のメールアドレスであることがわかった。ドメインはフリーメールアドレスのもので、そのサイトで送られてきたメールと同一のドメインを新規取得で入力すると、すでに取得されていると出てきた。これで詐欺が確定したため、「この詐欺師が。」というメッセージとともに証拠画像を2枚添付してブロック、QRコードの更新、メールアドレスのブロックを行って終結させた。
詐欺にわざと引っかかってみるのは初めての体験だったためかなりドキドキした。いい体験ができたので詐欺師には感謝している。
関心したのは、ロジックで詰めてくる相手に対して感情に訴えかけるような騙し方をしてくる点だ。オレオレ詐欺でよく聞く手法だが、詐欺師は本当に相手の情に訴えるのだなというのが確認できたため非常に有益な経験ができた。
追記: この手のパターンはナイジェリア詐欺というらしい。聞いたこともなかったため要注意です。
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