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ぱソんこがライターとして書いた取材・レビュー記事一覧(2021)

筆者紹介:ぱソんこ(Twitter:@passonco)——VRとゲームを好む兼業フリーライター。2016年にPANORAでVRライターとしてデビュー。2018年にはIGN JAPANでゲーム記事を書き始め、それ以降はIGNJを中心に活動。2020年に新卒として就職した会社でやっていけなかったため転職活動をし、2021年12月時点では東京のVRゲーム会社でゲームデザイナーをやっている。

2021年は昨年から引き続き感染症対策が行われる中、なんとかしてリアルに戻ろうとする動きとCG空間に可能性を見出すメタバースの再燃の両方が大きいように感じました。個人的には、上京してVRゲームの開発に関わるようになったことが一番の大きな変化ではあります。

この記事では主にゲームのレビューや取材記事をサイト毎の時系列順に載せてあります。自分で数えたら2021年は12本の記事で、2020年が13本だったので一本減ったりnoteの執筆が増えたりしました。2021年は電ファミニコゲーマーとIGN JAPAN、GameSparkで掲載させていただきました。

●IGN JAPAN(10本)

・2020年のVRゲーミングを振り返る:VR元年からの卒業とFacebookの光と影(2021/1/3)

私はIGN JAPANにVR総括記事を年末年始企画として寄稿しており、2018年、2019年、2020年と同様に2021年の大みそかもこの記事の執筆に苦しめられている。2020年版でもOculus Quest 2の成功を予測、Facebookの拡大を中心に書いているが、2021年はおおよそ予測通りになった年であり、予測以上にFacebookがVRもといメタバースに力を入れていることが明らかになった年でもある。

・アニメ風ゴアFPS『The Citadel』インタビュー、たった一人で90年代風FPSを作った日本の開発者にルーツを尋ねる(2021/1/12)

もともとは2020年の秋ごろに取材をしていたのだが、当時新卒一年目だった私の精神面の問題や取材内容の調整の問題で数ヶ月遅れてしまった。取材のためにDiscordで5時間近くテキストチャットをして、それをそのままゴリゴリ編集して記事に仕立て上げたものとなる。開発者のdoekuramori氏は2021年12月時点で続編を開発中。

・Project Wingman - レビュー(2021/2/8)

このレビューの話も2021年冬頃に頂いていたのだが、原稿の執筆がすっかり遅れてしまった。自分で読み直したところ、自分の記事の書き方における傾向として「前置きで率直なことを言う」というのがあることに気が付いた。

ゲームのレビューで特定のゲームと比較することはあまり行儀の良い行為ではないが、『Project Wingman』に限ってはエースコンバットに言及する方が誠実だろう。


Project Wingman - レビュー

レビューでなるべく嘘は吐かないことを心掛けているので、前置きでこういったことを言う。これを誠実さと呼ぶか保険と呼ぶかはあなた次第である。また、Project Wingmanのレビューを引き受けたことで『有翼のフロイライン』のレビューに繋がる。

・VRならではのブラフとルールのアレンジで戦略性を深めたVRワンナイト人狼『ANSUZ -アンスズ-』をやってみた(2021/3/1)

京都の新たなるVRベンチャー企業「CharacterBank」の新作VRゲームである。たぶん編集部から依頼が来てレビューしたのだが、取材用の試合を録画する際に自分が今務めている企業の社長(当時はまだ社員ではなかったので……)とCharacterBankの代表の人と一緒に試合をした覚えがある。Character Bankは2022年にVRアクションRPG『RUINS MAGUS』をリリース予定なので、要チェック。

・Oculus Quest 2をPCに無線で繋ぐためのガイド & おすすめVRゲーム(2021/5/5)

要はVRのアフィリエイト記事なのだが、ピーク時はけっこう調子が良かったらしい。それはそうと2021年はQuest 2公式の充電ストラップがバキバキに壊れたので公式の周辺機器を信用しなくなった。Amazonで売ってる中華製の非公式品のほうがマシです。

・有翼のフロイライン Wing of Darkness - レビュー(2021/6/8)

『有翼のフロイライン Wing of Darkness』は2021年一番の問題作であり、私のレビューで今まで最も注目を集めたであろう記事の一つ(これに並ぶのは2020年の原神の分析記事ぐらいか)。おもしろくないゲームをプレイして「このゲームはおもしろくないです」と書くだけでは記事に説得力が生まれず、かといって一方的に欠点だけ書き連ねると必要以上の罵倒のように感じられてしまう問題の板挟みを実感した。結果的に文章に感情をぶちまけつつ文章の勢いでちょっと笑えるような構成になっており、KOTYの選評って自然とああなるんだなということを理解できた。

・新型オールインワンVR「VIVE Focus 3」を一週間使って、気になったことをメーカーに聞いてみた(2021/7/1)

IGN JAPAN編集部経由でHTC NIPPONから公式の仕事が来たのでびっくりした。自宅にハードが届くのってワクワクするよね。1週間過ごした後、返却しました。ガジェットライターになった気分。

・【IDC講演レポート】個人開発ADV『シロナガス島への帰還』を6万本売り上げた超実践プロデュース術とは(2021/8/24)

2021年に個人的に印象に残ったゲームとして『シロナガス島への帰還』もあり、「コスパのいいアドベンチャーゲーム」を目指して作られた珍しい話を聞けたのでよかった。個人ゲーム開発者は職人気質な人が多いのでプロデューサータイプな人の話を聞けるのは面白い。

・TGSVR体験レポート 3DCGを活かしたユニークな体験ではあるものの課題もある(2021/10/2)

諸事情でやや消化不良感が否めない。2022年の展示も期待している。

・ElecHead - レビュー(2021/11/9)

この記事も(有翼のフロイラインとは正反対のベクトルで)印象に残る記事となった。ElecHead自体はとても面白いゲームなのだが、「ほかの人のElecHeadの褒め方がいちいち遠回しすぎるのはなぜなのか?」を突っ込んでみたのだ。そのオチについては記事で確認してほしいが、こういうツッコミをするのがIGN JAPANっぽさなのだろう。自分としては珍しく2,3日で一気に書けた記事でもある。プレイ時間が短いゲームっていいよね。

・手軽さ特化型VRグラス「VIVE Flow」メディア向け体験会レポート(2021/11/11)

HTC公式から依頼が来た二本目の記事。Huawei VR Glassに続いてパンケーキレンズを採用したことで従来の450g~500gが当たり前のVRヘッドセットで189gを実現するという驚くべき軽量化を果たしたVRグラスである。そのかわり軽量化に伴ってバッテリーやスペックといったものも犠牲になったため、ここまで軽量化しなくてもいいのでMeta社が同様の技術の採用で300gぐらいのデバイスを作ってくれるといいなと思う(なお、Project Cambriaでパンケーキレンズを採用することがすでに発表済である)。何より一番驚いたのはHTC NIPPONのオフィスが今私の働いている職場から徒歩5分ぐらいの距離にあったことです。

・書いた開発コードは3行程度!? 21歳の新進気鋭の開発者が作るカジュアルなVRシューティング音ゲー『Bullet Lives』【デジゲー博2021】(2021/11/17)

せっかく東京に引っ越したのでデジゲー博を取材しようと思い、急遽志願した。デジゲー博そのものはVRゲームの展示が多いわけではないものの、色路な尖った才能に出会えるのが面白い。他にもQuest 2単体だけでVRChatの自作ワールドを展示している人もいて、もしかしたら来年以降もVRChatなどメタバースのワールドを自作ゲームとして展示する人が出てくるかもしれないと思った。

●電ファミニコゲーマー(1本)

・まるでVR版『青鬼』!? 身長2メートルの怪人から逃げ回るVRホラー『Wraith: The Oblivion – Afterlife』が怖すぎてヤバい(2021/5/18)

2020年のラストラビリンスに次いで電ファミで書いた2本目の記事。電ファミの記事の書き方はIGN JAPANとは全く異なるので、リベンジの機会があれば2022年にも挑戦したい。ホラーゲームの難しいところは恐怖の仕組みを理解できてしまうとまったく怖くなくなってただの作業になってしまうことであり、ホラーゲームを作るのって難しそうだなと思った。

●GameSpark(1本)

・一触即発の剣士道!リアル剣戟格闘ゲーム『Hellish Quart』に迫る【プレイレポ】(2021/3/13)

実は2021年はゲムスパにも手を出してみたのだが、東京への引っ越しなどが重なって一件しか仕事ができなかった。タイミングの悪さと筆の遅さが悔やまれる。

●note

・「没入型シミュレーション」と「創発的ゲームプレイ」のひみつ(2021/1/17)

実は今の会社に転職するにあたって課題として書いた記事。とりあえずニッチでも記事を書いておくとある程度一目に着く。海外のImmersive Simのファンからメッセージを頂いたことも。とりあえずみんなGame Maker's Toolkitを見ろ。

・【コラム】至高のVRゲーム『Half-Life: Alyx』はなぜ怖くて面白いのか?VALVEがとった逆算のVRゲームデザインを考察しよう。(2021/7/29)

日本におけるHalf-Life: Alyxの認知度の低さを嘆きながらゲームデザインの分析を試みた記事。この記事はけっこう読まれたそうで、「Half-Life Alyxって恐怖でVR酔いを防いでいるんだって~」という会話を聞いては「その記事書いたの僕なんですよね」となることが何度かあった(日常的にVRゲームの話をしている界隈が限定的すぎることもある)。GoogleでHalf-Life Alyxで検索すると割りと上位に出てくるのはnoteのSEO対策のおかげだろう。

・VRゲームの理想と限界を見せる『Boneworks』物理演算と身体感覚のシナジーが生み出す没入感を探る(2021/8/10)

これも日の目を見るまで時間のかかった記事。ぜひHalf-Life: Alyxの記事とセットで読んでほしい、というかそのつもりで書いた。Boneworksの知名度がもっと上がってほしいと思うこの頃です。

・『Half-Life: Alyx』は「恐怖」でプレイヤーのテンポ感を制御してVR酔いを防ぐ。(2021/8/17)

珍しくリライト記事。Half-Life: Alyxの記事が冗長すぎるのではと自分の執筆スタイルに疑問を抱き、削りに削ってみたら意外とよくなった。職場の会議中にこの記事の内容が急に引用されたりしてびっくりした。

・【#ぱソ天】Half-Lifeを初代からAlyxまでプレイした二人が感想を語る:Half-Life初代編(2021/9/21)

ツイッターの暴れん坊天狗ことアロハ天狗氏とツイッターのSpaceで対談したときの様子を記事化したもの。文字起こしに二か月もかかってしまい、ご迷惑をおかけした。意外とHalf-Lifeの歴史全体を振り返る記事ってあんまりないので、これはこれで需要あるかもという気がしている。

・【#ぱソ天】Half-Lifeを初代からAlyxまでプレイした二人が感想を語る:Half-Life 2とPortal編(2021/9/21)

本当は2021年内にHalf-Life: Alyxの対談をしたかったのだが、諸事情で2022年に延期した。1月にはやりたい。

●2021年を振り返って

2021年は「自分がゲームの記事を書く意義はなんなのか?」ということを改めて考え直す機会になった。きっかけはやはり『有翼のフロイライン』と『ElecHead』のレビューで、「根本的にライターの仕事相手は編集部であるが、編集部の方が第一の読者であり、メディアの読者代表でもある」と捉えて「読者にはなるべく誠実でありたい、具体的には話を盛ったり嘘をついたりせずに独自の付加価値を届けたい(筆が早くないので速報性で勝負できないので……)」と思うことにした。

一方で、noteに書いた記事は編集部が相手ではなく自分の趣味で書いた記事なのだが、こっちの方が自分にとっては悩みの種となった。趣味で書いたとしても記事は人に読まれなければ意味がない。メディア相手の仕事はいちおう金銭の報酬が生じるが、趣味の記事はほぼ無償の自己満足なのでどこにハードルを置くかが問題となる。

いちおうVRゲーム会社でゲームデザイナーをしながらVRゲームライターをするという珍しい人になった自覚はある。今の会社に入れたのは今までメディアを通して自己発信を続けて評価されたおかげなので、自己発信や承認欲求を否定する気もない。

2022年の目標としては、VRゲームに関する総括本やノウハウ・知見をまとめた本(に相当する記事)を書きたいと思っている。2010年代のVRゲームを忘れないようにするために……

●過去記事など

ゲームライターを始めてから5年経過したので、まあまあ溜まってきた。18歳から23歳の積み重ねである。24歳から29歳もまた積み重ねられたらいいなと思います。


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