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【35年ぶりの頂点へ】ニューヨークメッツ戦力分析2021

こんにちは、pasta(@pasta_lgm)です。

今オフ様々なトラブルに巻き込まれたメッツですが、最大のニューススティーブ・コーエンがオーナーに就任したことでしょう。
コーエンはアメリカで有名な資産家で、コーエンがオーナーに就任したことでメッツは潤沢な資金を手に入れました。
その資金を元に積極的な補強を敢行したメッツのオフの補強を振り返りつつ、今シーズンの戦力を分析していきます!

2020年の主なチーム成績

26勝34敗 勝率.433(地区4位,同率最下位) 
攻撃(リーグ順位)

得点 286(7位)
打率 .272(1位)
出塁率 .348(2位)
長打率 .459(4位)
OPS .807(3位)
本塁打 86(5位)
盗塁数 20(11位)

守備(リーグ順位)
UZR -1.5(7位)
DRS -22(13位)

投手(リーグ順位)
防御率 4.98(12位)
先発防御率 5.37(13位)
ブルペン防御率 4.60(10位)
セーブ数 11(11位)
セーブ成功率 61%(7位)

前評判ではまずまずという評価のローテーションでしたが、怪我やコロナで離脱したり、大炎上を繰り返すなどデグロム以外はほとんど機能せず開幕早々ローテーションが崩壊しました。
またブルペンもクローザーのディアス以外はシーズン通して低調で、投手陣が苦しんだ1年だったと言えるでしょう。
逆に野手陣はリーグトップクラスの攻撃力を誇りました。打率リーグ1位、出塁率リーグ2位、長打率リーグ4位、OPSリーグ3位、本塁打リーグ5位は本当に素晴らしい数字です。しかし、チャンスを作るもあと1本という状況が頻発し、打率やOPSのわりに得点が伸び悩みました。(2020年における1試合平均の残塁数7.5はMLB最多)

主な補強選手まとめ

ジェームズ・マッキャン(C) 
フランシスコ・リンドーア(SS)

ジョナサン・ビヤー(IF)
ケビン・ピラー(OF)
アルバート・アルモーラJr(OF)
カルロス・カラスコ(SP)
タイワン・ウォーカー(SP)
ジョーイ・ルケーシー(SP)
アーロン・ループ(RP)
トレバー・メイ(RP)
出場停止
ロビンソン・カノー(2B)
※2回目の禁止薬物の使用発覚で、全試合出場停止処分です

今オフ最大の補強は何と言っても、ベテラン右腕カラスコと球界屈指のスーパースターであるリンドーアを獲得した大型トレードでしょう。このトレードによって課題のショートとスターターを最高の形で埋めることに成功しました。
他にもキャッチャーのマッキャン、スターターのウォーカー、ブルペンにはメイやループを獲得するなど的確な補強を展開して上位を目指せるチームが完成しました。

pasta的ポイント 〜見逃せないトレード3選〜
大きな動きが目立つメッツですが、その影で行われた素晴らしい動きをいくつかピックアップします。
i)ジョーイ・ルケーシーの獲得
パドレス、パイレーツ、メッツで行われた三角トレードにおいて、メッツはチームの下位プロスペクトを放出してパドレスからルケーシーを獲得しました。ルケーシーはここ3年で18勝とまずまずの実績を残しておりバックアップにはうってつけの投手です。このレベルの投手を下位プロスペクト1人で獲得できたのは素晴らしい動きと言えるでしょう。

ii)スティーブン・マッツの放出
カラスコやルケーシーの獲得でローテーションから外れることがほぼ確定したマッツを放出して3人のプロスペクトを獲得しました。このトレードによりプロスペクトを補充しつつ、マッツの年俸$5M(日本円で約5.5億)を浮かせることに成功しています。

iii)カリル・リーの獲得
レッドソックス、ロイヤルズ、メッツで行われた三角トレードで、メッツは下位プロスペクト2人を放出することで、ロイヤルズの上位プロスペクトである外野手のリーを獲得しました。メッツはMLB昇格間際の外野手プロスペクトが不足していましたが、リーはジャストフィットする選手です。

2021年の開幕ロースター

予想スタメン
(成績は昨年のコロナ特例短縮シーズン60試合の成績です)
一言コメント
1.ブランドン・ニモ(CF)
55試合 打率.280 8本 18打点 OPS.888
通算出塁率.390と抜群の選球眼を持つナイスガイ
2.フランシスコ・リンドーア(SS)
60試合 打率.258 8本 27打点 OPS.750
実力はもちろん、人間性にも定評がある球界屈指のスーパースター
3.マイケル・コンフォート(RF)
54試合 打率.322 9本 31打点 OPS.927
パワフルな打撃が魅力、チーム生え抜きのスター選手
4.ピート・アロンゾ(1B)
57試合 打率.231 16本 35打点 OPS.817
2019年に新人王と本塁打王をW受賞した怪物スラッガー
5.ドミニク・スミス(LF)
50試合 打率.316 10本 42打点 OPS.993
昨年大きく飛躍した選手。今年もその打撃でチームを勝利へ導けるか
6.ジェフ・マクニール(2B)
52試合 打率.311 4本 23打点 OPS.836
イチロー以来の天才バットマン、MLB3年間で通算打率.319
7.JD.デービス(3B)
56試合 打率.247 6本 19打点 OPS.761
2019年にダルビッシュが対戦してヤバいと思った選手4選にランクイン
8.ジェームズ・マッキャン(C)
31試合 打率.289 7本 15打点 OPS.896
4年$40M(日本円で約44億)で入団した攻守にバランスが取れた捕手
控え野手
トマス・ニド(C)

7試合 打率.292 2本 6打点 OPS.929
投手陣からの評判がいい控え捕手、昨年は打撃好調もコロナに感染
ルイス・ギローメ(IF)
30試合 打率.333 0本 9打点 OPS.865
チームの人気者。STでは22球粘って四球を勝ち取るシーンも
ジョナサン・ビヤー(IF)
52試合 打率.232 2本 15打点 OPS.593
昨年は不振に陥ったものの、盗塁王1回、2桁本塁打4回など実績は豊富
ケビン・ピラー(OF)
54試合 打率.288 6本 26打点 OPS.798
控えにするのはもったいないほど打撃と華麗な守備が売りの選手
アルバート・アルモーラJr(OF)
28試合 打率.167 0本 1打点 OPS.465
2019年に打球が観客に直撃し、救急搬送されてからはスランプに陥っている

pasta的ポイント 〜充実の野手陣〜
i)強力な打線

昨年打率リーグ1位だった打線にリンドーア、マッキャンが加わりさらにパワーアップしています。また、昨年不調だったアロンゾやデービスも復調すれば1番から8番まで穴のない超強力打線が形成されることになるでしょう。

ii)課題の守備走塁も改善傾向
リンドーアとマッキャンは守備に定評がある選手なので、センターラインの守備力は昨年に比べるとかなり向上しています。また、リンドーアは走塁能力も高いため、走塁面でもチームに変化をもたらしてくれるはずです。
結論、リンドーアは最強。

iii)控え野手も充実
ビヤーやピラーなど昨年までレギュラーを務めていた選手がベンチに控えています。例年怪我に悩まされることが多いメッツですが、この2人が控えていることで怪我人が出ても大きく戦力を落とすことなく柔軟に対応することができます。主力選手の疲労や調子などを考えながら、控え選手もうまく起用することで怪我や戦力ダウンを最小限に抑えて欲しいです。

ローテーション
SP1.ジェイコブ・デグロム

12試合 4勝2敗 防御率2.38 WHIP0.96
MLB最強投手。唯一の欠点は無援護で勝ち星が伸びないこと。
SP2.マーカス・ストローマン
出場なし(コロナで辞退)
MLBの中では珍しい小柄な選手。ボールを動かしてゴロを量産する
SP3.タイワン・ウォーカー
11試合 4勝3敗 防御率2.63 WHIP1.25
永遠のプロスペクトがついに開花。今年はさらなる飛躍の年になるか
SP4.デビッド・ピーダーソン
10試合 6勝2敗 防御率3.44 WHIP1.21
昨年チーム最多勝、2017ドラ1が崩壊したローテーションの救世主となった
SP5.ジョーイ・ルケーシー
3試合 0勝1敗 防御率7.94 WHIP2.65
カラスコの怪我でローテ入り当確、チャーブという独自の変化球を操る

(怪我)カルロス・カラスコ
12試合 3勝4敗 防御率2.91 WHIP1.21
白血病を克服した最多勝経験もあるベテラン右腕。6月ごろ復帰予定。

(怪我)ノア・シンダーガード
TJ手術により全休
100マイルの速球を連発する球界屈指の剛腕。7,8月ごろ復帰予定。
ブルペン
RP1.ロバート・グセルマン
6試合 0勝0敗 防御率9.64 WHIP2.14
便利屋みたいな起用法をされているが、成績は全く便利ではない
RP2.ジェイコブ・バーンズ
18試合 0勝2敗 防御率5.50 WHIP1.28
セイバー指標的には成績ほど悪くない、STでも高い奪三振率を維持している
RP3.デリン・ベタンセス
15試合 0勝1敗 防御率7.71 WHIP2.06
球速低下が著しく、ヤンキースのセットアッパーだった時の面影はない
RP4.ジェウリス・ファミリア
25試合 2勝0敗 防御率3.71 WHIP1.46
メッツ黄金期のクローザーだった時の面影はなし。昨年はプチ復活
RE5.ミゲル・カストロ
26試合 2勝2敗1S 防御率4.01 WHIP2.11
STで好調を維持しており期待できる。ブルペンの救世主になれるか
RE6.アーロン・ループ
24試合 3勝2敗 防御率2.52 WHIP0.84
サイドスローの左腕投手、現状ブルペン唯一の左腕投手なので貴重な存在
SET.トレバー・メイ
24試合 1勝0敗2S 防御率3.86 WHIP1.16
奪三振率は脅威の14.66、メイの活躍がチームの運命を左右する
CLO.エドウィン・ディアス
26試合 2勝1敗6S 防御率1.75 WHIP1.25
2019年は大不振に陥ったが華麗に復活。スライダーで三振を量産する

(怪我)セス・ルーゴ
16試合 3勝4敗3S 防御率5.15 WHIP1.36
2019年はリーグ屈指のリリーバーとして活躍、復帰時期は…。

pasta的ポイント 〜やや不安定な投手陣〜
i)安定しているのはデグロム、メイのみ

ここ2,3年コンスタントに成績を残しているのはデグロムとメイだけで、ほとんどの選手は直近2,3年の間に怪我や不調で良い成績を残せなかった年があります。良い時期のパフォーマンスが発揮できれば問題ありませんが、そうでない選手が多いようだと苦戦を強いられることになるでしょう。

ii)これ以上怪我や不調は許されないスターター陣
すでにカラスコが離脱しており、バックアップの予定だったルケーシーがローテーション入りすることになりました。それ以降のスターターとなるとマイナーの選手になってしまうので、カラスコやシンダーガードが復帰するまでにどれだけ踏ん張ることができるかが前半戦のカギになりそうです。

iii)1、2人は例年以上のパフォーマンスが求められるブルペン
昨年好成績を残した選手はディアスとメイ、ループの3人だけです。この3人が今年も頑張ってくれたとしても1、2人は良い意味で裏切ってくれるような選手が出てこないと1年間戦うのは厳しいでしょう。個人的にはカストロあたりに頑張ってもらいたいと思っています。

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