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慢性腰痛患者に対する拡散型圧力波治療の有効性

▼ 文献情報 と 抄録和訳

慢性腰痛患者に対する拡散型圧力波治療の有効性:前向き、無作為、単盲検のパイロット研究

Walewicz K, Taradaj J, Rajfur K, et al.: The Effectiveness Of Radial Extracorporeal Shock Wave Therapy In Patients With Chronic Low Back Pain: A Prospective, Randomized, Single-Blinded Pilot Study, Clin Interv Aging (IF: 3.023; Q1). 2019 Oct 30;14:1859-1869.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 本研究は腰痛(LBP)患者における拡散型圧力波治療(rESWT)の影響を評価するものである。

[方法] 本研究では、52名の腰痛患者が登録され、そのうち平均年齢53.45±4.9歳の40名の患者が同種のグループに含まれた。患者は、週2回、5週間(10セッション)にわたって行われるrESWT(2000パルス;2.5バー;5Hz、7分)とスタビライゼーショントレーニングによる治療を受けたA群(n=20、下図)と、シャムrESWTとスタビライゼーショントレーニングによる治療を受けたB群(n=20)に無作為に割り付けられた。治療経過を分析するために、痛みと機能効率を評価する以下のテストを実施した(治療前と後、1ヶ月と3ヶ月のフォローアップ)。(1) Visual Analog Scale (VAS)、(2) Laitinen Pain Scale (LPS)、(3) Oswestry Disability Index (ODI)。

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[結果] VASに関して、A群はB群よりも徐々に痛みが軽減されていった(治療後1ヶ月で2.7点対3.5点、p>0.05、3ヶ月で2.0点対4.4点、p<0.0001)。同様の結果は、LPSで測定した痛みの感覚の変化の分析でも見られた。機能的状態(ODI)は、特に経過観察において、A群で良好であった(治療後1ヶ月で9.3 vs. 14.6ポイント、p=0.033、3ヶ月で9.3 vs. 17.8ポイント、p=0.004)。

[結論] 安定化トレーニングを併用したrESWTは、長期的に見て特に有効であり、LBP患者に対して安定した有益な効果を得ることができる。rESWTの使用は、従来の運動機能改善プログラムと比較して、痛みの軽減と全般的な機能状態の改善に長期的に大きな影響を与える。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

臨床的で面白い研究であると思った。ただ、腰痛の原因は様々であるから、臨床応用していく際にも当然ながらしっかりとした評価技術が必要である。


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