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不妊治療と仕事の両立についてあらためて思うこと

私は今後の人生とキャリアを考えたときに、不妊治療がきっかけにはなりましたが、退職という決断をするに至りました。
 
ただ、今回の経験を通して、不妊治療しながらの仕事は大変だなと改めて思いました。
 
例えば、いざ採卵周期が始まると、生理開始前後から2週間ほどの間は、少なくとも週に2~3回の通院が必ず入ります。生理がいつ始まるか、次の通院がいつになるかはその時の体調次第で変わるため、あらかじめ休みの申請をすることができません。
 
そして不妊治療の診察には、事前の血液検査や内診、病院での待ち時間も含めるとかなりの日数や時間がかかる上、体外受精となると採卵日、移植日など、どうしてもはずせない日が必ずでてきます。
 
出産や育児、親の介護、などの広く認知されているような事情であれば職場の理解が得られやすくても、一般に不妊治療に対する理解はまだまだ低いと言わざるを得ないのが現状ではないでしょうか。
不妊治療のための制度はあっても、実際に利用するのに戸惑いがある、プライベートな内容なので周りに言いたくない、そんな声もあると聞きます。
 
事実、私は当事者になってはじめて不妊治療の大変さに気づくことができましたが、そうでなかったら、もし周りに不妊治療で休む人がいても、何でこんなにたくさん休むんだろう、事前にもう少し治療の予定とかわからないのかな、と思ったりしていたかもしれません。
あるいは、「普通に」子どもができると思っていた昔の私なら、結婚してしばらく子どもができない人に、「子どもはつくらないの?」と無神経な言葉を投げかけていたかもしれません。
 
少しずつ、不妊治療のための休暇制度のある会社が増えたり、制度自体がより柔軟になったりしているという話も聞くようになりました。
ただ、デリケートな内容だけに不妊治療していることを周りにいうことにためらいがあったり、実際に休みを取得するとなると周りの理解はどうしても必要になったりと、現実レベルではまだまだ課題は多いと思います。

子どもがほしいと思っていてもなかなかできる人がいるということ、不妊治療を受ける人がどうしてたくさん通院する必要があるのか、なぜ急に通院日が決まるのか、そのようなことがより広く社会の中で認知されれば、育休や産休同様、もっと気軽に不妊治療のことを周りに打ち明けたり、不妊治療のための制度を利用できたり人も増えていくのではないかと思います。
 

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