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ソフビにできるデザインに落とし込むのは難しいのです



ソフビには型から抜き出す『成型』というのがあり、それはいかに安価にできるか?ということを試行錯誤された技術です。
その安価に作るということを最終的にカバーしたのが『職人の技』となります。
成形品がどうなってしまうかは職人の手にかかっております。

つまりは安価に製作できるようにできたシステムであり、さらにはそれを強引に人の手で仕上げる。
というはなれ技の集合体のソフビには実現できない形が多くあります。

それは人形作って生きてますにお任せして、そういう『無理な形』を落とし込む作業がソフビ原型師です。
この可能か不可能かを判断するために経験と技術を磨いてきている原型師。

デザイナーさんはそう言ったソフビの制約というものはほぼ知らなくて当然なのですが、なかなか原型師との折り合いがつかずペンディングになることはしばしばあります。

『ここのデザインは変えられない』
『でもこの形では成型できません』

という争いは日常茶飯事です。
このことで揉めてしまい、以降製作ができなくなったアーティストもかなりの数いらっしゃいます。
原型師も意固地になっているわけではないのでなるべく意見を交換しあい、良い着地点を見つけるようにしましょう。

中には、ソフビにできるできない以前に形にこだわるのに三面図もかけない、という困った方もおられて描けないのであれば任せていただければよいのに、かなり細かく修正依頼がくる。
それでは完成はどんどん伸びることになり、製作費も跳ね上がる。
かかった分の費用を追加すると高いと支払いを渋る…

こうなっては仕事のパートナーとして今後お話がつながらないことは目に見えてます。

双方の良いところを尊重し、製品にできるように心がけたいです。

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