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忘れられない恋。〜私たちは、グレーを背負いながら生きている。〜


 

5月23日は、世界亀の日、らしい。


「亀について知り、亀に敬意を払い、
亀の生存と繁栄のための
人間の手助けをする日。」


 そんな日初めて知った。

 
医療も発達して、
健康寿命も伸びてきた現代でも、
新しい感染症には弱い。

世界のあらゆるところで、
多くの人が命を失った。

 鶴は千年、亀は万年、
とは確かに言うけれど、
万年とは言わないから、いや
千年も、百年もなくてもいいから、


 亀さんよ、
生きたいと思っている方々が、
亡くなってゆくこの情勢を、
どうか、はやくに収束するよう
手伝って欲しい。

 

同じ5月23日。

「亀の日」以外にもある。

「キスの日」であり、

そして、


 「ラブレターの日」

でもある。


 こちら2つはどうやら、
日本特有らしい。


 私もラブレターの日は
一昨年知ったけれど、

 キスの日なんて
この間知ったばかりだ。

 
 ついでにキスの日、は
1946年5月23日に、

 日本で初めてキスシーンが登場する
『はたちの青春』という映画が封切りになったところからとのことだ。


ラブレターの日は、もっと単純で、

5・23を、
5(こ)い・2(ぶ)・3 (み)
と読んで、

恋文=ラブレター
と読むこと、

浅田次郎原作の映画
『ラブ・レター』
の公開日が1998年5月23日
だったことからつけられたそうだ。

 ラブレター、なんて
いつから書いていないだろう…


 いや、正確に言えば
渡さなかったという手紙はあるから
ここ半年1年以内にも、
書いたは書いたけれど……。


 想いを届けるための手段として、

 言葉で直接言えなかった時の
お守りとして、

 ラブレターはある。


 私は、
恋人からそんなもの
もらったことないけれど、
お付き合いしている
相手やパートナー間の
お手紙として、

 そのほかにも
色々な形のラブレターがあるだろう。

 実は「ラブレター」について、
この記事を書いているのは、
5月23日ではあるのだが
書こう思った最初のきっかけは
5月23日が、ラブレターの日だ!
と思ったからではない。


 アニメ、「テニスの王子様」を
今、このコロナの期間に
観返しているのだが
その18話目の題が「ラブレター」
だったからだ。

 

アニメ内では、
主人公である越前リョーマの父、
越前南次郎から、南次郎を指導した
リョーマの学校の
ババアこと、竜崎コーチ宛の手紙
の話なのだけれど…
(ちなみにこの18話は、
リョーマ様が激烈にイケメンなので
観てください。)

 テニスの王子様(テニプリ)で
ラブレター、という単語を聞いて

 ここ最近、再び、
ぁあ、まだ、立ち直れていないんだな、
前に、進まなきゃいけないのにな、

と終わった恋を思い出して、
胸がぎゅうぎゅうに
締め付けられていることが
頭によぎった。

 

片想いばかりだったけれど、
恋愛はいくらかしてきたし、
お付き合いしていたこともあった。

 
 そして、恋が終われば、
それも、自分自身が
まだ想っているなかで終わった恋や
または片想いが実らなかったものは
それはそれなりに悲しい気持ちに
なるのだけれど、

 20代も後半ともなると、

好きだった人が
友人と付き合っていた時のショックや
初めてお付き合いというものをした
はたちの頃の恋の終わりとは
異なっていて、


 片想いが実らないときは、
それがそれなりの時間、
想っていた恋でも
案外、落ち着いてしまえば、
片想いの時には見えなかった
その人の姿を冷静に見られるように
なったりして、友人に戻れば、
本当に、友人の1人としてしか
見えなくなる。

しかし、

 どうもお付き合いして、
好きだけど自分から去った相手、
というものは、
それも、話し合ったりもせず
顔も合わせずに別れた相手というものは
心に残ってしまうのだろうか。



 時間が経てば冷静にはなるもので、
「ああ、あの時の私、必死だったな…
その余裕のなさがいけなかったな」とか

「あの人、配慮とかなかったな」とか

「いいたいこと言うとか言ってたのに、結局、言いたいこと言えないし、相手は相手で言える雰囲気つくらなかったし、いわなかったしな」とか

 悪いところはたくさん見えてくる。

 そして、それなりに時間が経つと

やはり、”あの頃”の自分、
というものとも距離ができるのか、

感情や感覚が排除される、
いやむしろ、
「思い出せなくなってゆく」
ところは多い。


時間と共に、
手を繋いだ時の温かさとか、
手の感触とか、
声とか、
あんなに好きだった香りとか

どうしても、消えていってしまう。

 仮に、消したくなかった、としても。


 それにしても、不思議なもので、

 一緒に食べたご飯、や
つくってくれたご飯の、
味とその時の記憶、
その場の空気は
味を思い出すと、
身体中に蘇るのに、

 そうでないものは、どんどんと
感覚が消えていく。

 どんな声をしていたかとか…
 あの時、あの場所で何の話をしたとか


 事実としての記憶は残っても
その時の匂いとか、声とか、感触とか
例え消したくなかったとしても、
忘れていってしまう。


実は、
おつきあいしている時、
彼の家に行く手土産の中に、
26歳にもなって…
とは思ったけれど、
手紙を添えたことがある。


 どんな内容だったのか
鮮明には覚えていない。

 今考えると、手紙には、
想い(重い)がのるし、
残ってしまう
(仮に物理的に捨てたとしても)から


 恋仲の人にだって

ラブレター、

なんて書くもんじゃないな、


 なんて思ったりもする。

その彼からは
ラブレターなんて、
もらったことないし、
時間も経ったから次々と彼との
記憶が消えてゆく。


でも、
その彼に結びつく場所を歩いたり
一緒に食べたメニューなんかを
思い出してしまうと、
“その時”の記憶は
一気に、全身に蘇ってくる。


いつも彼が車で迎えにきてくれた場所、

いつもの駅での
いつもの待ち合わせの場所、

彼がつくってくれたご飯の味、

彼の家で一緒に観た
映画とその家の景色、

その家で1人で彼の仕事帰りを
待っていた時のあの部屋の空気や灯り

ほら、すぐにあの時の
明るさや匂い、空気、音、
家の外の木々の香り、

蘇ってくる。


 
よくよく思い返せば、
初めてお付き合いした人と別れた時も、忘れられないものはあった。

 そのときは、その人の香りだった。

 別れてから1年2年経っても、
その香りが街で香ると、
「あ、あの人と同じ香りだ」
と思っていた。


 「全然、思い出せないや」


 今、思い出そうとしても、
初めてお付き合いした人のことは
全く思い出せない。

 思い出す機会だって
そうそうないし、
思い出そうとすらしないけど、

その人と共通の友人が今もいて、
もう全く何の感情もないから、
過去の笑い話程度に極々ごくたまに
一瞬、話題にあがったりすることが
あるけれど、
「名前…なんだっけ、え、本当に
思い出せないんだけど」
となる。

 その人に片想いを1年以上して、
半年以上付き合って、
別れてからも吹っ切るまで
1年半ほどかかったのに…だ。


 だから、多分、いつか、
まだ忘れられていない、終わった恋、
いやむしろ、自分で終わらせた
この間の恋だって、

名前も顔も
パッと出て来なくなる日は
来るのかもしれない。

 いや、むしろこうして、
まだ覚えてしまっているんだな、
なんてことを書き残してしまうから
忘れられなくなってゆく、
のかもしれない。



 不思議なもので、
もう一度付き合ってうまくいく、
なんてことは一切思わないし、
相手の悪いところだってそれなりには
見えていて、
まださほど美化されていない。

でも、前回の恋だけは、
他の、今までのとは全く異なっていて
傷のように、あらゆるものが
深く残っている。


 車から見えた花火、

 相手の家の前の風景、

 駅から家まで行く時にみた光景、

 一緒に歩いた場所、

 助手席から見えた富士山、

 その時の陽射しの当たり具合

 一緒に行った場所、

 話したこと、

 彼の隣で飲んだ好きな黒ビールの味、

 わたしこれ好き!と気づいた

 スタウトや、
ロックのごま焼酎、紅乙女。

 雨の降っていた時のあの光景

 車の中の光景、

 食べたもの、

 その時の風景…

 そんなものすら、 
 いろいろなものが残っていて、
どこかで忘れてしまうことに
寂しすら感じているようだ。


 どちらかと言えば、

 “忘れられない恋”というよりは

“忘れたくない恋”

になっているのかもしれない。


 どこかで、少しずつ消えてゆく

味覚を、

聴覚を、

視覚を、

触覚を、

嗅覚を、

おそれている。


時間が経って
あの恋に関してはもう大丈夫だな、
なんて思っていたつもりだったのに、
最近になって、

 「忘れたくないな」

という気持ちと

 どんどんと消え去っていく感覚に
寂しさやこわさを感じている自分を
知った。


もう彼を
思い出す時間も
ずいぶんと減ったし、
思い出したって、
泣くことなんてなくなっていたのに


なぜかここ最近、
本当にここ1週間ほどになって

ベッドの中に入ると急に
全身で思い出して、
枕を濡らす夜がある。



 このコロナの情勢下、
この先どうなっていくのか、
私はどう生きていくのか、
という不安と共に、ふと、

今彼は何をしているのか、
元気にしているのだろうか、
なんてことまで過って


もうそうなると、
気持ちが昂ってしまって、
温かさ、香り、とか
そんな細かい記憶までも
一気に蘇ってきて、

一層気持ちをかきたてる。

 「忘れなきゃいけないのにな」

 「でも、
忘れなきゃなんて思ってしまったら
忘れられないんだよね」

 「いつか、この感覚とかも、
忘れるのかな」 

 「あの時のあの感覚、
忘れたくないな」

気持ちが錯綜して、


 ふと我にかえってから

「なんだこの情緒不安定なのは」

「うわぁぁ、面倒くさー。
何この人。わたし面倒くさ〜」

なんて自分でもおかしくなってしまう。



 私のこれまでの片想いで、
結末がつくまで、または、
自分自身に、その人に対する好きという
感情が本当に微塵もなくなるほど
消えるまでに、
最も長かった恋は、
8年ちょっとかかった。

 その人に対して恋愛感情という
気持ちの余地が全く入らなくなって
本当にただの、昔好きだった人、
になってからも、

 その片想いしていた記憶に対しては
「ずーっと片想いだったけど、
あの人、本当に素敵だったな。
友人として誇りに思う人だな」
と今は思う。



 “いつか、その恋のように、
「まだ忘れられない彼」のことも、
すっきりといい思い出だけしまって
どうでもよくなる時がくるのかしら…”

“ま、でも私自身が、
結局、これまで、恋仲の人に
心開けていないという
同じ失敗繰り返しているのだから、
そもそも自分がどうするのか、
がその前に問題なんだけど…”


 そんなことを逡巡しつつ

イラストレーター、平泉春奈さんの、
初作品集
『愛のかたちをまだ知らない』を
手にとった。

 
 この作品集の作品は
どれも、好きなのだけれど、

今は116ページで手が止まった。
(もう嫉妬はしないとおもっていた
男性が、彼女を見て、
嫉妬に駆られ不安に駆られる)

思い返せば、
彼と付き合っているあいだ、
ずっと不安だった。

 
 年齢が違うことも、

 彼は働いているけど
私は正社員じゃないことも、

 住んでいる場所が違うことも、

 経験してきたことが違うことも、

 彼には
私がそれまで付き合ってきた人の
何倍もの人数の、
元カノ、がいることも。


 好きだと自覚した時から、

釣り合っているのか、

 ずっと気にしていた。

むしろその一点だけをわたしは
ものすごく気にしていた。

 
 終わった今、振り返れば、
そんなこと気にしてることが、
もう面倒な人間だな、
と思えるのだけれど。。



そして、彼の元を去った後も

 
「どうして
彼のこと忘れられないんだろう」

とずっと考えていたし、

友人に

「忘れないと次に進めないよ」とか

「はぁ?自分で別れるって
決めた過去の男のことなんて
忘れちまえよ」

なんて言われて

そうだよね、忘れないとね

と思い続けてきた。


 でも、平泉春奈さんの、
Instagramに公開された、
「恋は2度目から」
というストーリーを読んで、
先ほどのページのストーリーを読んで

 気持ちがふわっと包まれた。

 詳しくは、彼女のInstagramから
物語を読んでほしいが、
Instagramの方に挙げられた
ストーリーに、きゅっと、
心が鳴った。



簡単に説明すると、

同い年の彼氏とは別れ、
しばらく経って
歳上の男性、杉崎さんと、
お付き合いし、
楽しい恋愛をしている
主人公の女性、咲良。

だが、久しぶりに会った元彼に
やり直したい、といわれ、
咲良は心が揺れる。

 罪悪感から、咲良は、杉崎さんに
距離をおきたいとメールをした。

 そして、彼氏である杉崎さんが、
会いにきた。

咲良は、
元彼にやり直そうといわれ
心が揺れたことを正直に打ち明ける。

 その時、杉崎さんは、
こんなことを言ったのだ。
(台詞ママには書きません。)

忘れなくていいと。
咲良にとって大切だったものは、
咲良だけのもので
僕にだって大切な過去はある。
人の気持ちは1か10かではなく、
2〜9の部分が殆どで、
そのグレーを背負いながら、
生きている、

 


わたしは、杉崎さんの言葉を、
心の中で何度も繰り返した。


 こんな解釈の仕方は、
自分勝手なのかもしれないけれど、
 
 忘れたくない気持ちと
忘れなくてはならない気持ちで
揺れていたわたしは、


 忘れられないものは、

 忘れられないままに、

 大切に心の奥底に、

 しまっておけるように


 それでいいのかな、、

そう、おもった。

 そう思えた。

 
 この、
不安定に今も思い返す気持ちが、
良かったかどうかは、
いつかまた誰かに恋した時にしか
わからないけれど。。。

 



(ここから先は宣伝です。)

 最後に、今、YouTubeに、
テニスの王子様、のアニメ、
公開されています。

 本当に、
リョーマ様カッコいいですし、
第18話、19話、特にイケメてます!!

とりあえず、
中学生たちが、文字通り
ありえない角度でのプレイ、
あり得ない球の速さのプレイ
(の描写)で、
テニス生活送っています。

今、YouTubeに、
毎日1話ずつ公開されているので
観て下さい!!

 わたしの推しは、
青春学園1年の、越前リョーマと、

立海大附属3年の、丸井ブン太です。


 友人によると、
甘めフェイスの、
天才肌タイプを好きになるらしいです。

 あながち間違えていない…

 恋人を顔で選んだことは
一度もないのだけれど、
 確かに好きになる人ほとんどみんな
似たような系統の顔だ…

 

 

参考資料

トップ画像 (2020/5/24閲覧)

5/23の記念日に関して使用画像には、それぞれの画像に、
URL添付済


平泉春奈.(2020). 『愛のかたちをまだ知らない』.東京:KADOKAWA.

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#ラブレターの日
#523

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