Adobe Fireflyの「生成Match(ベータ版)」機能で、自分で描いたイラストを食べさせてみた。
画像生成AIにおける課題のひとつは、必ずしも狙った通りの画像が生成できないことです。たまたま気に入った画像を生成することができても、そのバリエーション違いや同じトーンの画像に揃えるのは、プロンプトの上級者でなければコントロールするのがとても困難です。
私は趣味で「Adobe Fresco」を使用したデジタルイラストを描いています。しかし、最近は作品を描く機会が減ってきてしまいました。あまり描けなくなった理由は「何を描いていいかわからない」からです。「何を?」「どんな構図で?」「自分の作風でどう表現すればいい?」と、悩むばかりで途方に暮れている状態でした。
私と同じように「描きたいのに何をどう描けばいいのかわからない…」と、筆を置いてしまっている方も多いのではないでしょうか。「Adobe Firefly」は、その悩みを解消してくれるかもしれません。
Adobe Firefly 「生成Match(ベータ版)」
先日「Adobe Firefly」に「生成Match(ベータ版)」機能が搭載されました。任意の画像をアップロードしてスタイルを参照することができるようになり、より簡単に好みのスタイルや作風の再現をすることが可能になりました。この機能を活用して、自分の描いた作品をリファレンスさせる(いわゆる「食わせる」)と、自分の作風に合わせた画像を生成することができます。
生成Match(ベータ版)を体験
実際に「生成Match(ベータ版)」機能を試してみます。こちらのイラストは、以前私が描いたマグカップです。このイラストをリファレンス画像として、同じタッチの別のイラストを生成していきます。
今回は「Adobe Firefly web版」を使用します。
https://firefly.adobe.com
1. プロンプトを入力して画像を生成
「赤いワインが入ったワイングラス」を生成していきたいと思います。「Adobe Firefly」の「テキストから生成」から、プロンプト入力欄に「赤いワインが入ったワイングラス」と入力し、生成ボタンをクリックします。
イラストが生成されましたが、自分の作品のタッチとはだいぶ違います。リファレンス画像を追加して、自分のイラストに近い作風になるようにしていきます。
2. リファレンス画像をアップロード
画面右下の「画像をアップロード」から、自分の描いた作品画像を選んでアップロードします。
3. 画像が参照された状態で生成ボタン
画像のアップロードが完了すると、プロンプトの左下に画像スタイルが参照された状態になるので、ここでもう一度生成ボタンをクリックします。
4. 生成された画像をチェック
私のイラストと似たタッチで、赤いワインが入ったワイングラスが生成されました。自分の描きたいイメージが形として見えると、急にモリモリと創作意欲が湧いてきました。
自分の作品をベースに生成されたAI画像からインスピレーションを受けて、自身の作品作りに活用することが、創作の手法の一つとして今後スタンダードになっていく日も近いでしょう。今「何を描けばいいのかわからないから…」と諦めかけているクリエイターが、もう一度創作の楽しさを思い出すきっかけになれたらいいなと思います。
画像生成AIについては、今現在もさまざまな立場から賛否両論の声があり、議論が交わされている最中です。本来の目的ではない悪質な利用により不利益を受けているクリエイターもいると耳にすることもあります。1日も早く画像生成AIに関する法律などの環境が整備されることを願っています。
株式会社ぱとか
西荻窪にあるWEB / SNS のプロモーション企画・制作会社です。ユーザーが求めることを読み解きながら、丁寧でやさしい企画、クリエイティブを提案しています。お気軽にお問い合わせください。
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