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知っているようで案外知られていない!?転職エージェントが語る転職エージェントというビジネス

転職エージェントという仕事が世の中で認知され、インターネット上には転職や我々転職エージェントに関する情報が多く出回っています。

転職というのは、誰にとっても大事なイベントで、転職希望者にとって自分の人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。

しかし、色んな転職サービスに関する記事や動画を見る中で転職エージェントについてきっちり語られていない情報コンテンツが多い気がします。

そこで、転職エージェントというサービスについて、現役転職エージェントとして客観的に語っていきたいと思います。

転職エージェントと転職サイトの違いについては、以下でも書いています。
https://note.com/patori1230/n/n2ccc0254c443


転職エージェントとは誰のためのサービスか?

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まず、転職エージェントとは誰のためのサービスなのか、それを語る上で転職エージェントのサービスの仕組みを最初に説明します。

大前提として、我々転職エージェントは、転職希望者から1円も頂きません。

我々がお金を頂くのは、採用した企業側です。我々転職エージェントは、企業の採用を支援し、採用・入社が成功した時にだけ、手数料をもらうサービスです。

サービスとはお金の対価になるアクションをすることだと定義した場合、我々転職エージェントというのは、転職希望者向けのサービスではなく、採用企業向けのサービスなのです。

よく、「理想の転職を実現する」や「転職で年収アップを実現」的な転職希望者を煽る文言が広告上で見かけますが、それは我々転職エージェントのコアなサービスではないのです。

転職希望者とはどういう位置づけなのか?

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では、転職エージェントにとって、転職希望者とはどういう位置づけなのかというと、私は「商品」という言葉が最も近いと考えています。

なぜなら、我々転職エージェントが何をもって対価を支払ってもらうのかというと、自社から紹介した人材が採用企業に入社することです。

一般的なビジネスで例えるなら、「モノ」を買う側が採用企業、買ってもらう商品が「人材」というとより分かりやすいでしょう。

こんなことを言ったらこの文章を読んでくれた方に反感を買うかもしれないですし、実際私も上司から「人を商品だなんてとんでもない」と怒られたこともあります。

しかし、物事の本質を見るにあたって、目を背けてはいけない事実だと思いましたので敢えて、人材を「商品」と形容させていただきました。

転職エージェントビジネスで起きていること

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私が人材を「商品」だと敢えて言った理由は転職エージェントビジネスで昔から起きている「とにかく力業で入社させる」や「この会社はパラダイスです」といったようなやりかたで入社させている同業者がいるからです。

転職エージェントの会社についてイメージがない方もいらっしゃるかと思いますが、元を正せば結構体育会系の会社が多いというのが現状です。

かくいう私もそういう会社で鍛えられキャリア形成をしてきました。

そのため、「とにかく売上上げてこい!」と上からの指示があり、売上を上げるためには、新規を含めたクライアント(採用企業)から多くの求人を集め、その求人を転職希望者に紹介する数を増やす、これに尽きます。

そのうえで、応募求人数を増やし、1社でも多く内定を取らせ、内定を取らせた会社に入社させるというのが転職エージェントビジネスのでありがちな動きです。

とはいえ、このような動きはビジネスでやっている以上否定できるものではありません。むしろ、戦略的に仕事ができている点は同業者として素晴らしいと思います。

ただ、人が定着しない会社から求人を大量に貰い、根拠を提示しないで応募を煽り、内定が出たら「とにかく入社しましょう」といった具合で内定承諾を押し切るというやり方をしているエージェントがいることは事実です。

そして、こういったことが背景は、転職希望者は「商品である」という立ち位置であるから起きることだと思ってください。

転職エージェントが思う優秀な転職エージェントとは?

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一方で、転職エージェントという仕事は他の仕事と異なり、難しい点が1点あります。それは、「商品」の立ち位置である転職希望者に意思があることです。

意志があるからこそ、いくら「応募して」や「入社して」と言っても、拒否ができると言うことができます。

だからこそ、ダメな転職エージェントはとにかく自身が紹介している求人の本質的な特徴を捻じ曲げ、とにかく面談した転職希望者を持ち上げ、優しいふりをして内定フェイズになると豹変する、というパターンが多いです。

私が優秀な転職エージェントだと思う人は、おおよそ以下のような傾向が見られます。

・ 多くの求人を獲得し、多くの求人を紹介している
・ ある程度取り扱い求人を選ぶ
・ 転職者の課題は何か、その求人を紹介する理由が明確にある
・ 求人のメリット・デメリットを可能な限り説明ができる
・ できること、できないことを明確にできている
・ 細かく情報共有をしている
・ 内定までにはおおよそ意思決定ができるよう段取りができている
・ 転職希望者の意思決定を尊重している

全体的に言えることは、優秀な人であればあるほど余裕のある対応をし、倫理観と論理性をもって転職支援をしていると言うように感じます。

私吉峰が目指す転職エージェントの姿・矜持

以上のことを踏まえ、自分がどうありたいかということを最後にお話します。

 クライアント(採用企業)ファースト

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転職エージェントは採用企業の経営・採用課題を解決してお金をもらうというビジネスです。その性質から考えれば、企業の人的課題を解決すること、これを第一に考える転職エージェントでありたいと思います。

転職希望者に寄り添うことを大事にしないわけではないですが、企業の課題解決を第一に考えるというビジネスの本道を歩みたいと考えています。

クライアント(採用企業)ファースト=人材のキャリア課題の解決に繋がる支援をする

大企業 トップ


誤解いただきたくないのは、クライアントファーストだから、転職希望者の扱いをぞんざいにしたいとは思っていません。

クライアント(採用企業)ファーストを叶えるためには、以下の2点を実現できないといけません。

・ 入社後活躍
・ 長期定着

つまり、クライアントファーストを実現するためには、転職希望者が長期的に働ける会社を紹介し、入社支援をすることが結果としてクライアントファーストに繋がります。

入り口はクライアントファーストでも、結果として転職希望者が長期で働ける会社を提供する手助けをするということとイコールであると考えています。

客観的事実を元に自身の意見を述べる

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採用支援、転職支援双方に言えることなんですが、パーフェクトな会社もパーフェクトな人材もこの世には存在しないし、パーフェクトに近い人間を採用したければ相応のコストがかかります。

しかし、人の欲というのは深いものだということは、金融の仕事をやっていても、人材の仕事をやっていても非常に感じています。

私はその欲を理解しながらも、できること、できないことがあること、また最低限満たすべき欲はなんなのか、そのために何を諦めるべきなのかをしっかり伝えるということがこの仕事をする上で重要だと思っています。

とはいえ、根拠もなく「無理」というのはビジネスに携わる者としてあるべき姿ではないので、なぜ無理なのかを根拠を示したうえでしっかり説明するようにしています。

私の経歴に関しては以下の記事に書いています。
https://note.com/patori1230/n/n2ccc0254c443

売上にこだわる

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色々真っ当なことを言っているようなふりをしてるけど結局あなたも拝金主義なんでしょ?と思われたかもしれません。

しかし、お金により生み出され、信用によって支払われている、そう私は確信をしていますし、それが資本主義のあるべき姿だと思っています。

長期でクライアントの信用を得るためには、倫理観をもち、論理的なソリューションをもって、クライアント(採用企業)に満足感を与えることが必要です。

そのためには、企業にとって必要な人材を紹介し、採用してくれた人材がその会社で成果を生み出し、会社にとって良い結果になれば仕事は必然的に私に回ってくる、そう考えています。

実際、私のクライアント企業では、私の支援スタイルを評価してくれ、他の名だたるエージェントより優先的に仕事を回してくれる会社もあります。

結果を出し続けることが私を採用してくれているアージスジャパンに対する責任でもあり、私を信用してくれるクライアントに対してやるべきことそう考えています。

まとめ


・ 転職エージェントは採用企業向けのサービス
・ 転職希望者は、人材紹介ビジネスの立ち位置では商品
・ 悪い転職エージェントは甘い言葉でサービスを利用し、内定が出たら逃がさないようなやり方をする
・ 優秀な転職エージェントは、余裕があり、かつ論理的で倫理的な行動を取る

転職エージェントビジネスを語る上でリアリティをもってこのビジネスを伝えることこそが、このビジネスに携わる上で必要だという私の勝手な倫理観で本編を作成いたしました。

異論反論ある内容だと思いますが、色んなご意見を聞かせていただけたら嬉しいです。

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