公務員という仕事は労働搾取型の典型

自営業やサラリーマンの方々と話すたびに耳にするのが、「公務員は安定してて羨ましいよね」というもの。

特に、収入の増減が己の裁量に左右される方にとっては、「成果に左右されない安定した収入がある」というのは大きな安心感につながるのでしょうか、安定した収入という一点だけでも非常に魅力的に映るようです。収入が不安定な方にとっては尚更なのでしょう。

日本人が非常に安定志向の強い民族だというのは、新卒の人気就職先ランキング上位に公務員が食い込んでいるのをみてもわかります。 それほどまでに安定を求めるかと驚くばかりですが、同時に「安定」という面にのみ着目しすぎてやしないか、とも大いに懸念するところでもあります。

確かに、働く上では「収入の安定」は重要な要素ではありますが、安定すれば万事OK!幸せになれる!のかといえば、それは断じて違います。安定よりもむしろ「自分らしい働き方」や「自分らしい生き方」のほうにもっと目を向けるべきです。 

「安定」のみで職業を選択すれば、必ずや思わぬ人生の落とし穴にはまります。確かに公務員になれば、その瞬間から「安定」は得られるでしょう。が、あなた方の望む「働き方」や「生き方」からは遠ざかる可能性は極めて高くなります。


公務員という仕事は労働搾取型の典型

僕は「安定」という理由だけで公務員という職業を安易に選択してはいけないと考えています。

その理由は、他分野に通用するスキルが一切身につかないからです。仕事のレベルが低いとかそういうことではなくて、仕事内容があまりにも公務員という狭い枠組み内に特化しすぎているからなんですね。

公務員の仕事って意外にも複雑な仕事が多いんですよ。仕事をこなすうちに、一見高いスキルが身につくようには思えるでしょう。が、それはあくまで公務員という狭い世界の中のルールに沿ってのこと。

いくら公務員として優秀であろうとも、そのスキルは他分野に通用する代物ではありません。公務員としてのキャリアは公務員の中でしか通用しないのです。公務員になるということは、公務員として一生を終えるのを覚悟しろ、ということなのです。

公務員以外の選択肢つまり転職を考え始めた場合、当然ながら、長年蓄積されたスキルは全く役に立ちません。スキルはおろか仕事への取り組み方も特殊であるため、公務員を長く続ければ続けるほどリセットは難しくなります。公務員を去る時点であなた方のキャリアは完璧に途絶えます、つまり老いた新卒に過ぎなくなるというわけです。

それが何を意味しているのかというと、公務員としての日々の努力・情熱・手柄はあなたのものではなく全ては組織に搾取されただけ、ということなんですね。どんなに組織に尽くそうが、その功績はあなたの資産にはなりません。あなたの努力の全ては組織の資産となるのです。

努力すれば、もちろん上役からの評価は上がるでしょう。が、それは彼らが「よくぞオレに迷惑をかけなかった」というような極めて自分本位なものにすぎず、あなたに対する正当な評価にはつながらないのです。

あなた方の尽力や手柄は組織側の尽力や手柄なのです。組織側からすれば、尽力や手柄が得られれば、担当者など誰でも良いのです。別にあなたである必要はありません。いかに独自性を発揮して貢献しようとも、それは自己満足で終わります。組織側からすれば、そんなものは歯牙にもかけないでしょう。


仕事を効率化すればするほど仕事が増える?

公務員の中には無能な方が多いです。驚くほどの割合で。

信じられないことに、PCすらまともに触れない方も多いのです。PCを触れないだけならまだしも、会話にすらない方も多い。技術職であればそれでもいいのかもしれませんが、仕事ができるできない以前に、彼らには根本的に思考能力というものが欠けています。その無能ぶりは民間企業の方々の想像を超えていることでしょう。

そういう方を雇う雇わないは組織側の問題なのであえて気にする必要はないのですが、問題は、仕事ができればできるほどに、そういう能力の低い方々の持分まで回されるということです。

もちろん、仕事はチーム単位で進めるわけですから遅れてる方をフォローするのは必要なことでしょう。その場合、仕事ができない人は持分が減るわけですから減給、仕事を余分に持たされた方は持分以上の仕事を回すわけですから増給、というのが自然な流れのように見えますが、公務員には当てはまりません。

持ち出されるのは「公平性の原則」です。

給与水準はあくまで年功序列で、一人頭の仕事量などは一切考慮されません。月給40万の管理職があまりにも無能なために、その持分が月給20万の若手に回される。こういったケースは普通にあります。持分以上の仕事をするぶん、賞与時に多少の優遇はされるでしょうが、あくまで「多少」です。せいぜい4〜5万程度の上乗せで終わります。

やっぱりここでも気づかされるのが、公務員は労働搾取型の典型だということ。つまり、各セクションごとに滞りなく業務が遂行されれば、個人の仕事量には一切気を払われません。組織側が得をする限り、他のことは割とどうでもいいわけです。

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