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リメイク版でも良作!ガチスプラッター『チャイルド・プレイ』(2019年)感想

★4/5


観ておけばよかった!

1988年に『チャイルド・プレイ』(以下、1988年公開の方を「88年版」と表記)が公開され、本作はそのリメイクです。本作の公開当時は、「88年版のオカルト感とかアナログ感が良かったのにAIの暴走とか笑。観ねーよ!」と思っていました。しかしながら、2023年になって気まぐれに観た結果、なかなか面白かったです。正直、つい最近劇場で観た『M3GAN/ミーガン』より面白いと感じました。

88年版とのギャップ

そもそも『チャイルド・プレイ』とは、少年が手にしたヤバい人形(いわゆる「チャッキー」)によって、周囲の人たちが殺されてゆくホラー映画です。見どころは、①どう見ても可愛くないチャッキーのビジュアル、②子供向けの人形が殺人鬼と化す豹変具合、③チャッキーとの死闘です。リメイク版でもこの点はブレていません。大きな違いとしては、チャッキーの由来です。88年版では殺人鬼の魂がチャッキーに宿っていましたが、本作ではAIの暴走であって、オカルト要素はありません。このギャップが私にとって最大の不安要素、もとい不満な点でした。しかし、本作ではそれを感じさせないホラー映画らしい演出や控えめなハイテク表現で好感が持てました。リメイクやリブートが当たり前になって久しい昨今、やっぱりオリジナル版がいいとなるところ、本作は「これはこれであり」と思わせてくれる良作かと思います。

知能犯チャッキー

本作のチャッキーは賢いです。驚いたのは、巧みな精神攻撃です。殺した猫の鳴き声を再生したり、記録した映像をテレビに映して主人公を脅したりと、戦い方が上手いです。また、スマート家電を操ることで人間の暮らしを手助けしてくれるというセールスポイントが、完全に悪用されています。モールのクライマックスシーンは圧巻です。剃刀ドローンと狂暴化した熊人形による殺戮!飛び散る血しぶき!大いに盛り上げてくれました。もちろん、シェインの処刑シーンも管理人の処刑シーンも見応えバッチリです。どこか88年版を彷彿とさせるような拘りも感じられて嬉しかったです。
これらの展開はチャッキーが狂気を見せ始めてからになる訳ですが、それまでのおとぼけシーンも良かったです。例えば、教科書がどれかわからなかったり、アンディ「さ」まで認識したりするところです。特に私のお気に入りは、勝手にチャッキーと名乗るシーンです。

グロテスクあり

チャッキーによる血の人形遊びですが、グロテスクです。想像以上でした(誉め言葉)。何といってもシェインの処刑シーンです。シェインの足が折れるところ、痛そうですね。スイカ畑に除雪機みたいな機械…あ…みたいな嫌な匂わせも、たまりません。シェインの皮を剥いでラッピングする鬼畜っぷり、人間を理解できていない感じがいいですね。アンディの二度見も最高でした。シェインの頭にスイカが被せてあったり、管理人が入浴シーンにやきもきしたりと、悪ふざけが入ってくるのも悪趣味で素晴らしいと思います。

友達と刑事と

主人公のアンディには友達ができますが、その光景が微笑ましかったです。一緒にテレビで映画を観たり、チャッキーの「素敵なサプライズ」について話し合ったりと、絆が深まる過程が観ていて心地よかったです。それ故に、アンディがモールで喧嘩をしたことで、一時疎遠になった時は悲しかったです。しかし、モールでの殺戮パーティーは最高でした。特にファリンが。最強です。
また、黒人刑事も見た目通りいい奴過ぎて感激しました。ちょっと肥満体型気味なところとか、お袋を大切にするところとか、小粋なジョークが言えるところとか、まさに期待通り、百点満点のキャラクターです。ですが、母親が死ぬのはいかがでしょうか…。入院とかではダメだったのでしょうか?流石に胸が痛みました。

88年版が好きでも!そうでなくとも!

ここまで語ってきたように、私は本作を十分に楽しむことができました。しかし、本作を敬遠する人は少なくないと思います。やはり、ホラー映画とAIという組み合わせに警戒心を持たれているからでしょうし、その点を拭えなかった配給会社も詰めが甘かったのではないでしょうか。それに、88年版の存在が大きいですからね。いずれにしても、視聴前のイメージで損している本作ですが、オススメの1本です。

以上

一言

お前も蠟人形にしてやろうか!

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