見出し画像

エコバッグとリングプル

最近、「ペットボトルのキャップを集めるという活動をしているので、横山さんもお願いします。」という旨の依頼がありました。

「はい。喜んで!」
と言いましたが、
心の中は、「え?いまさら?」

という感じでした。

僕は、オルタナという雑誌と長くかかわってきました。
環境活動に近い立場でそれなりに情報が入ってきています。
様々な情報を取り扱っているときに、感じたのは、
「象徴的な活動と実を伴う活動とは全く違うのでは。」
ということです。

どこかで過去に何度か書いていますが・・僕が最も苦手とする環境活動はリングプルの収集です。

もともと、リングプル活動はどうして始まったか。
登山やピクニックで缶ジュース、缶コーヒーを飲み、心無い人たちに捨てられたプルタブが環境を破壊し、時には動物が口にするなどがちょっと問題になりそれらを回収する方法として積極的に集める方法として、集めて金属業者に買い取ってもらおうということになったと聞いています。

あわせて、メーカーも工夫をし、プルタブが環境を破壊しないように、缶から取れないようになりました。

ここまで読んでいただいてどうでしょうか?
環境を破壊しないように一体化されるように改良された空き缶からわざわざリングプルを取り外して・・・。
車いすを買うのに800㎏くらい必要です。リングプル1グラムちょっとでしょうかね。
毎月1本我慢してお金集めた方が早くないかな。とか思っちゃったりします。

エコバッグについては、素材どうでしょうか。
そもそも、ノベルティでたくさんエコバッグもらうんですけど我が家では、使われず、年末の大掃除に「使わないよね」とやがて捨てられていきます。
コットン性のエコバッグもなんとなく環境によさそうでしょう。でも大量に生産されている陰に、弱者の労働があることを皆さんご存じでしょうか?

世の中には目に見える象徴的な活動の陰で、
何も言わず、ぐっと堪えて(僕にはそう思えるだけかもしれないけど)いる方々が存在していることもたくさんあります。

グリーンウォッシュという言葉を聞いたことがありますでしょうか。最近ではSDGsウォッシュという言葉もよく聞かれます。
例えば、環境に良いと思った製品を買っていたら、その向こうで犠牲になっている方々がいるといるのかもしれません。

キャンドルナイトという活動がありました。一斉に街の灯を消し、電気の大切さを実感しようという話です。この活動も電力会社泣かせであることを聞いたことがあります。電力はピークに合わせていつも最適化しているからです。

あまりよく考えずに、良いというものを、
そのまま受け入れて考えるのも僕はどうかと思っています。
僕が社会人になって間もなく、生分解性プラスチックでできた釣り糸が開発されました。やがて土に戻るという釣り糸です。
それが発売されたあと、釣り場に捨てられる釣り糸が増えたともとバスプロの方から聞いたことがあります。

さらに難しいのは、自分が良いと思って行っていることが、思わぬ人を傷つけているかもしれないということです。

忙しそうにしているコンビニ店員の転職をお手伝いしました。
とても、好青年で、たまたま人を探している企業があったのです。

すると、そのコンビニ店員の抜けた穴を埋めるために、別の方が休みなく働いてしまったことを後日知ってしまいました。
「私は、遠方から通っているけど人がいなくなったから会社の命令でこのシフトに入らざるを得なくなった。」というのです。そのあと、何人もで彼のシフトをカバーしあう様子をみて、とても心が痛んだのを覚えています。
本の直前まで自画自賛していました。「みんなハッピーになってよかったよかった」、いいことをしたと。でも、、そのことで、犠牲になった人もいたのが事実でした。どうすればよかったんでしょうね。今でも考えることがあります。答えは出ません。

ところで冒頭のペットボトルキャップですが、今はリサイクル技術が進んだということと買取価格がさがったことから、収集をやめているところも増えてきたようです。

人間の欲、人間の業そのものがね。結局、何かを壊しちゃうのかもしれませんね。

2022年から2023年に変わるこの時期に、ちょっと小難しいことをかいちゃいましたけど、2023年も、より楽しんでいきたいなと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。そしてどれだけ、自分自身の欲、わがままをそぎ落とせるか、ちょっと意識してチャレンジしたいと思います。先のエピソードの反省も込めて(ムズカシイ)














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?