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「魅惑の心理」マガジンvol.181(日本が勝つと急に応援する人が増える法則)

みなさんはW杯をご覧になりましたか。すっかり終わってしまった感じがしますが、W杯はまだ終わっていませんよー。この原稿を書いている12月8日は翌日にクロアチアとブラジル戦の準々決勝を控え、これから準決勝、決勝へと進んていきます。今回もサッカーを通して人の面白い行動が見られました。「日本が勝つと急に応援する人が増える法則」「長友選手のブラボーに隠された心理術」「暴動を起こす心理」「イングランドの心理戦略」そんなW杯を心理学の視点で見てみたいと思います。

○日本が勝つと急に応援する人が増える法則

みなさんの周りにもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。サッカーにはあまり興味がなさそうなのに、日本が勝ち出すと急にサッカー好きを装い、応援する人たち。「全くこのチームだめだよね」などと批判的な発言をしていた人が、日本がドイツを撃破してしまったら、急に「すごいチームだ」のように手のひら返しをする人も出てきました。今回はそれがわかりやすく、10月6日発表の FIFAランキング24位の日本が11位のドイツに勝って、31位のコスタリカに負けて、なんと7位のスペインに勝ったのですから、賞賛と批判が交互に SNSに溢れていました。

日本が勝ちだすと急に応援したい気持ちになるのは無理もありません。それはバンドワゴン効果と呼ばれている心理効果の影響です。バンドワゴンとはパレードの先頭を走る楽器隊のことです。先頭のバンドワゴンについていくことで大勢の意見に乗ることを意味しています。勝ち馬に乗る心理であり、勝つ可能性が高いチームを応援したり、勝ったチームを最初から応援したいたことにすることで、快楽を得たいという考えです。これを無意識にやっている人もいます。

選挙で勝ちそうな相手に投票してしまい、票や自分の感情を無駄にしたくない心理が働くこととも同じです。他人の行動に自分が合わせて安心したくなる同調効果が加わることもあるでしょう。

またサッカーにこの効果が出やすいのはサッカーがボールをゴールに入れたら勝ちというわかりやすいものだからともいえます。アメリカンフットボールのような少し複雑なスポーツは、サッカーと同じように国民的に支持されることは難しいと考えられます。

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