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「魅惑の心理」マガジンvol.173(人は中身が「9割」)

近年、人物評価は外見を重要視することが続いています。イメージでものを判断し、見た目の派手さ、特徴的なものの影響を受けて人は内面の評価まで変えてしまいます。これはハロー効果と呼ばれる心理効果です。このハロー効果の影響を受ける人は年々増えています。端的に言えば、外見さえ整えて取りつくろえば、評価も上がりますし、得をすることがたくさんあります。この傾向はもうしばらく続くと思われます。
 
しかし同時にこのハリボテのような人の評価傾向に、違和感を持って「何かが違う」と思い始めている人か増えているのも事実です。それを裏付ける要素として「会話術」「質問力」「好印象の作り方」のような対人関係の演出方法よりも、「性格を良い形に改善したい」「自分らしさを見つけて、磨きたい」のような内面を見つめる本質的な人格形成への質問が近年増えてきました。
 
この先、演出磨きの時代から、遠くない未来に本質磨きの時代へ、ニーズが高まっていくことが推測されます。多くの人は余裕がなく、疲弊していくことと同時に「やっぱり人は中身なんだ」と気づき始めているのです。どう表現していくかは、やはり「中身があってこそ」です。中身の伴わないものを持っていると、露呈しないようにと多くのストレスを作ります。小さなことから悪い部分がこばれ落ちて見つかってしまうこともあります。隠しているほうも疲労で限界は近いのかもしれません。
 
本当に大事なのは内面です。人は中身であります。中身が整った上で、演出
することで、より良い形で伝わると思います。本質と演出は車の両輪のような関係ですが、本質がしっかりしていないと演出は上手く機能しないと考えています。これからは人の中身が非常に重要な時代、人の評価、自己肯定感、その評価には中身が大部分を占めると言っても過言ではありません。

中身がある人がする話は深みがあり、思慮深くも思いやりがあって、明るい未来を想像できます。表層的なものに流されずに真実を見られる視点を手に入れましょう。ではどのように中身を磨いていくのか、今回は心理学の視点を軸に、中身の整えかたについて話をしていきたいと思います。

[目次]
・知的に生きる(知性を磨く)
・人の良い部分を見つける(視点を磨く)
・論理的に考える習慣をつける(考え方を磨く)
・自分だったら「こうする」を考える(提案力を磨く)
・相手の感情を理解する(共感力を磨く)
・楽しい未来を考える(想像力を磨く)
・失敗から盛り返す力を得る(挽回力を磨く)
・言葉づかいが中身を作る

・知的に生きる(知性を磨く)

私たちが持つ判断システムと判断基準はその人が体験した記憶から作られています。もともと本能的に持っているものもありますが、年を重ねるごとに記憶による判断が増えていきます。たとえば新しいものを生み出す力、アイデアや創作物を作る力も実は記憶が影響しています。物事を理解して、考えて、判断する力、人の知性のベースは記憶なのです。マナーを知らないとマナーある行動はできませんし、漢字を知らなければ漢字を使うことができません。外国語は聞いたり学ばないと誰も話すことはできないのです。知性を磨くのにはその種となる情報を吸収する必要があります。そして心理学と脳科学の視点から、効率よく知性を磨く方法が複数あります。

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