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「魅惑の心理」マガジンvol.59(思ったことを言葉にして伝える技術)

思ったことを言葉にする。とても普通のことだと思いますが、実はかなり難しい。そして苦手意識にしている方がとても多いと感じます。その気後れがコミュニケーションを楽しくないものにしています。何で人は思ったことを言葉にできないのでしょう。

まず誤解して欲しくないのは、言葉はコミュニケーションの「道具」であり、コミュニケーションのすべてではないということです。頭に浮かんだ感情や問題解決のアイデアなどを人は誰かに伝えたいと思います。情報として渡したい場合もありますし、共感をしてほしいと考えます。テレパーシを使えれば良いですが、そんな技術を持っている人は多くありません。文章にしてラインやメールをし、言葉として話をして相手に伝えます。苦手にしているのは、この変換がうまくいからかもしれません。もう少し端的にいうと思考の「言語化」ができないのです。

言語化ができないと、人は文章をとりとめもなく説明しようと長くなります。そして相手にも伝わらないし、自分で何を言っているのかよくわからなくなり、言語化を諦めます。コミュニケーションが嫌になります。他人から「言っていることがわからない」なんて言われると、できるだけ人と話さなくなります。言葉にしなくなります。いや、できなくなると言えるでしょう。これでは人と話すことが楽しくなるはずがありません。

私は仕事柄、この言語化を得意としているようです。企業であらゆる方向性があるときに、代わりに言葉にする仕事をすることもあります。とはいえ天性の才能ではありません。才能でも何でもありません。私とあなたの違いは何かを知ってるか、知らないかの違いです。「思ったことを言葉にして伝える技術」なんていうと一冊の本ができそうですが、その入り口を脳科学・心理学の視点から、少し紹介していきたいと思います。

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