この間、来年の手帳は何にしようかなと悩んでいると書いたけれど、今日、結果が出してまった。

ほぼ日手帳を今年後半から使い始めて、案外気に入っているのだけど、来年の分を買おうとしたら、３千円ぐらいするから、ちょっと躊躇していた。

それじゃぁ、仕事おじさん定番の能率手帳を、地味に手頃に手に入れようかなとも思ったのだけど、どうも今ひとつ乗り気にならない。使っていると便利だろうけれど、それは、今までの売れ具合から予想はできるのだけど。

それに、月表示の具合が気に入らない。どうして、あんな書きづらく、分かりづらいものにしたのか、それを皆、黙って使っているのかようわからん。

そんな、迷いの反動で、いっそのこと、前から気になっていた、革カバーの手触りが心地よい、トラベラーズノートにいっちょ、手を出そうかなと、気持ちが傾いた。

ちょうど、嬉しいことに、メルカリで中古のカバーが格安で売っている。

これは、天が我に生涯初めてのトラベラーズノートを使うのじゃ！と、導いてくれているのかもしれん。と、心高鳴り、意を決した。そこで、メルカリの購入ボタンを押し、決済内容に進む。

が、そこから止まった。

カード情報が誤っていると宣うのではないか。どうも、古いカードのままだったようだ。ちょうどその時は、カードを入れ替えることができない状態。悲しいかな。一旦撤退して、日を改めてゆっくりと購入することに。なんたって、これと我は天から許された絆に違いないから、どちらかが消えることなんて、ありはしない。

朝が訪れ、日々の生活が始まり、慌しさの中で忘れてしまい。一息ついた時に、購入することを思い出した。さて、僕のトラベラーズノートを買うべし。と、メルカリを立ち上げると、そこにはすでに赤く購入の印がついた、トラベラーズノートがあった。

そう、僕は負けたのだ。どこかの誰かに。

急ぎ、別に同じものが販売されていないのかと、目を彷徨い、隅々まで検索結果を見渡せど、高価なものはあるけれど、あれほどまでの手頃な値段は現れない。

ここは、潔く諦めるしかない。

そんなこんなで、手帳選びは振り出しに戻り。やっぱり、高くともほぼ日手帳を買うべきか。一年の記録を確かに快適に残すのは、この手帳は素晴らしい。

それとも、千円ぐらいで買い求められる、能率手帳を買ってみるか。

うろうろ心を彷徨いつつ、頭の中でさまざまな手帳が浮かんでは消え、沈んでは浮かびあがり、あいも変わらずくだらん事を、希少な人生の残り時間を使って考えているもんだと呆れ返ったその時、ふと、ある手帳が思い浮かんだ。

それは、「超」能率手帳。

みんなは、記憶から粉砕されていることと思う。いや、人生の中ですれ違ったこともないかもしれぬ。一時期、手帳が成功の要であると、そんな幻想が、流布された時代の間に、ある経済学者の本が飛ぶように売れ、その勢いで、彼が思いついた手帳が作り出されて、飛ぶように、これも売れた。

僕も、言わずもがな感化されて、一時期熱心に自分の人生の効果的な成功手段として、この手帳を愛用した。ただ、決して使いこなせたわけではない。それどころか、悪戦苦闘の末に、無常感のみが、敗北感のみが、人生の汚点のみが残った。

そんな、過去の悔恨を懺悔することもなく、気の迷いというしかない決断で、今さっき、かの手帳をAmazonで、ポチッとしてしまったのだ。

ただ、過去の栄光は消え失せ、今や、中身のみが（単なる紙が折りたたんでいるだけ）ある状態で、売られている。これだけだと、使い物にならないので、ビニールカバーも一緒に。

ちなみに、少しはまともなカバーはないかしらんと、調べてみた。が、ちょっと、見栄えがいいものは、異様に高い、一万円札が必要なぐらいに。2,000円弱ぐらいで良いもんはないかなと嘆くしかなかった。

この手帳が、まだ、まともに売られていた時には、ビニールだけど、そこそこ出来の良いカバーが標準のセットとして付いていたのに、誰も彼も買い求めはしないのだろう。そんなもん付けても元は取れんと言う、商業主義の悲しさよ。

本当に何年振りかの、久しぶりかの、過去の記憶が消えた故の、今回の購入。誰も使わないのだから、使ってみると、憤懣やるかたないことになるかもしれないけれど、確か、１週間を書いたら、１ヶ月がざっと見渡せる、便利さは特筆すべきことだと思うから、それなりに、いいところを知り合って、付き合っていくつもり。

でも、もう紙の手帳なんて、やめた方がいいのかもしれない。でも、なんだか、気が引けてやめられない。