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「0133夜 実は環境負荷が高い」

主語がありませんね、失礼しました。何の環境負荷が高いかと言えば、パソコンであり、ITであり、太陽光発電です。えっと思われた方のために今日は「パソコン千夜一夜物語」のギリギリの範疇という自己判断で話を始めます。

テスラが、ビットコインはダメだってさ

まず、今日の気になるニュースリンクの紹介から。マスク氏、ビットコイン採掘のエネルギー消費は「常軌を逸脱」(2021年5月14日 Reuters)
マスク氏というのはテスラ社(Tesla)のCEOだそうです。
日々コンピュータを使う社会は電力を必要としています。コンピュターは熱を出します。筆者が最初に出会ったパソコンは同級生がゲームに使っていた当時としては珍しいもので米国製でしたが、少し遊ぶと「熱暴走」を起こしたものです。熱暴走を起こすと画面に意味不明な文字が現れ、ゲームを続行できません。物理的に電源を切り、自然に冷えるまで放っておくしかありませんでした。
ということで、コンピュータは電力を必要としますが、そのうちのある割合は必ず無駄な発熱になってしまいます。サーバというコンピュータをたくさん置いてあるデータセンターは365日24時間空調により適温に保たれています。計算に使われていない熱を下げるために、計算に使うことができない空調という電力を使わなくてはならない宿命がある訳です。
あらゆるものがコンピュータネットワークでつながっている世の中は、ただでさえ多くの電力を使う訳ですが、数学的なマイニング(採掘)によって価値を維持しているビットコインは「常軌を逸脱」しているという訳です。

そうだ、自然エネルギーがあるではないか、、、

さて、だから自然エネルギーの出番だという話になるかと言えば、Yesであり、Noでもあると思います。過去の太陽エネルギーの缶詰である貴重な「化石燃料」を今生きている私たちが(私たちだけが)使い尽くして良いはずはないのですが、自然エネルギー・再生可能エネルギー・クリーンエネルギーと呼ばれているものの中にも、環境負荷が高いものが混じっているのです。半導体や液晶パネルと製法が類似している、太陽光パネルは製造時の環境負荷が高いはずです。半導体と同じ作り方をするということは、空調されたクリーンルーム工場を用意したり、人体には有害な反応ガスを流したりする訳ですから、そこで大きな電力も使い、水も使っているはずです。
化石燃料に頼る発電方法や、放射能漏れ事故の危険と隣り合わせで10万年単位の管理が必要な核廃棄物を生み出す原子力発電よりマシなのだと思いますが、太陽光発電、特にメガソーラーを再生可能エネルギーの代表として英雄視するのも本質を見誤ると筆者は思っています。
太陽エネルギーは植物を通じて最大限文明の役に立てる方法を考えること、電気でなくてはできないこと以外には電力を使わないことが考え方の原点であるべきだと思います。一般家庭であれば、太陽光パネルを屋根に乗せて発電して電力会社に買い取らせるより(買取価格は時の政府の胸先三寸、将来は電力会社の買い取り拒否の可能性もある)、太陽光で温水を作って風呂に使うほうが健全なのではないかと思います。巨大な電力消費を見せかけの「再生可能エネルギー」で取り繕うより、今、降り注ぐ太陽光を無駄なく使う新しい文明が求められているのではないでしょうか。
そのために、人類のこれまでの文明の叡智として、わずかばかりの電力を使用してコンピュータを利用することであれば、それは「あり」だと思います。

2021年5月15日のコメント

後世の人々は2020年、2021年の新型コロナウイルス感染症の拡大をどのように評価するのでしょうか。毎日が笑えない喜劇のようです。
それでは、また明日。

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