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リスキリングと東京ポリテクニーク。新規専門職社会人大学院 | 金輝俊、Hwi Jun KIM

リスキリングと東京ポリテクニーク。新規専門職社会人大学院 | 金輝俊、Hwi Jun KIM

筆者は教育のレバレッジ比率は無限大だと思う。実際問題として、M.Philを制御工学分野で取った後、ジャガーやデンソーUKに行けば初任給420万くらいだっただろうし、日本でITベンチャーに行ったら、3年目で500万弱まで行った。研究と学問、プログラミングの組み合わせをエッジとして仕事にあたったら、急速にグロースしたのである。

では、既に大学を出ていて、社会で働いているとそういうことは無理なのだろうか?それは最近、リスキリングについて声高に言われているように違うと思う。リスキリングと言っても、人によって、言っていることは様々。では、具体案はどうするのがいいのか?筆者の素案を以下に示す。

リスキリングのために、東京ポリテクニーク、京都ポリテクニークと名古屋ポリテクニークを作ったらいいのかもしれない。最近、政府はで教育について言及しているし。

ポリテクは一年制で学部卒以上か高卒五年目以降が入学できる。ポリテクの趣旨は通常のMS課程の大学院より実務よりのもので高度専門職職業人の育成とする。事実上の大学院課程にあたり、postgraduate diplomaが修了時に授与される。

Upper Second以上が修了要件。それ未満は修了できない。Distinction以上は大学院MS課程に全額授業料免除で編入可能。専門は主に工学系で、応用化学、応用物理、機械工学、情報工学からなる(他にもあってもいいかもしれない)。

副専攻としてビジネス工学を設ける。主専攻としてのビジネスはありえないとの立場から。主専攻と副専攻合わせて、1.5年で修了とする。授業料は全額、国費負担で、生活費16万円(Berkeleyは確か、2000年くらいに1300ドル/月-当時、130円/ドルくらい?-くらいのRAだった覚えがある)も国から支給される。

教員は全員、旧帝/筑波の博士課程の学生とする。

情報工学の主な授業は1. C++/Scala入門、2. データ構造とアルゴリズム、3. デザインパターン、4. 機械学習、5. RDBMS最適化、6. 微積、7. 線形代襲、8. 確率統計、9. 長期実験、10. 長期インターンからなる。これだけの基礎知識と多少の経験と激しいワークロードがあれば、Web業界でやっていけるんじゃないかな。

機械工学の授業は1. 古典力学とデジタルラグランジアン 2. 微積、常微分方程式、偏微分方程式 3. 線形代数 4. 応用材料力学 5. 応用流体力学 6. 応用振動工学 7. 古典/現代制御と非線形システムダイナミクス 8. CAD実習 9. 長期実験 10. 長期インターン。

ビジネス工学の授業は1. Ruby、Excel/RDBMSと数値解析、2. Problem Solving Skill and Risk Analysis、3. 戦略論、4. マーケティング、5. 簿記(3級相当)、財務/管理会計、6. ファイナンス、7. 中期インターンとする。

ビジネス工学を副専攻に取った時の期待される職種は各業種の経営企画、マーケティング、財務となる。場合によっては戦略コンサルタント、投資銀行と商業銀行も入る。

授業は全てチュートリアル形式とする。実験は全て数値実験とする。建物はどこかの賃貸を東京なら一専攻辺り、200万円/月くらいで借りる。MacBook Air全員付与。長時間数値計算用の共有のLinuxデスクトップ(ssh接続)あり。こうすれば、ポリテクはあまり経費をかけないで作れ、運用できるはず。

このコースを修了すれば、例えば、Web業界でシニアエンジニアかデータサイエンティストで年収420万スタートでピボットできるんじゃないかな。その後はその人の頑張り次第でジュニアスペシャリストくらいはなれるかもしれない。

筆者はM.Phil (Upper Master)で博士じゃないし、学生じゃないけど、元Chief IT Architectで元スペシャリストだから、教員やろうかな。

著者略歴

金輝俊 / Hwi Jun KIM
戦略コンサルタント 兼 ITアーキテクト

ハイテクITベンチャーのProduct Manager / Chief IT Architect、Webベンチャーのグループリーダー、外資系IT企業のProject Manager 兼 Systems Architectなどを経験。会社を離れて数年後、Webベンチャーと外資系IT企業グローバル本社は、それぞれ東証マザーズとNYSEに上場した。

ファッションテックベンチャーのグロースハック室 室長 兼 システム開発部スペシャリストに。30人4部門を参謀長として指揮統括し、約10億円の株式による増資に成功。シーリズCへと導く。その後、起業。NMD Soft, Principalとして活動を開始。

社会貢献活動として、原爆の実相を伝えるためと、東日本大震災の解析のために、Nagasaki Archive、Hiroshima Archive、Mass Media Coverage Map of The East Japan Earthquakeなどの開発と一部企画に関わった。

主な著作にThe Real M.Phil Thesis: The Mathematical Foundation of Smart Material Systems / Yet Another Mori-TanakaMBA Thesis: The Modern Strategy from Japanがある。

筑波大学 第三学群 工学システム学類 学士(工学) First Class (イングランド基準。70%以上がA評価)

Coventry University大学院 Control Theory and Applications Centre, Master of Philosophy (Upper Master, Research Degree)。飛び級入学。返済義務無し奨学金付き。

主な受賞にアレスエレクトロニカ展Honory mention、経済産業大臣賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

詳細なプロフィールはこちら:https://www.khj1977.net/profile/

以上

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